ABC分析は、飲食に関わる方なら知っていると思います。
ABC分析とは、1カ月のオーダー総数から、それぞれのメニュー単体の構成比率を算出し、上位からAグループ、Bグループ、Cグループに分けるものです。
Aは評価が高いことを表しますが、
3通りの算出方法が存在します。
◆出数による1位(ABC)
◆売上額での1位(ABC)
◆粗利益額での1位(ABC)
これら3つの1位は、一致するとは限りません。
改善したい目的によって、どのABCで商品(メニュー)を選ぶかは異なります。
改善策でいえば、Cグループの商品を、もっと売れるように改善するのは、一見、間違っていないように思えますが、勿体ないと思います。
理由は、出ないからです。
その努力は、Aグループに使った方が効果があります。
Cグループの商品は、出なくても別の意味がある場合があります。
食材を循環させる目的や種類豊富をイメージさせるための場合です。
または、食材の消却前の二次加工をしたアイテムなどです。
また、例えば、居酒屋なのに、焼き鳥を10種類売っていて、10のアイテムとするのか、「焼き鳥」という1ジャンルとして、カウントするかで、AにもCにもなりえます。何をどうしたかによって、どっちの方が良いのかは異なります。
最も売れているアイテム=1番貢献していると、考えがちですが、実は違います。一番売れている=「出数でのABC1位」は、売れているだけです。
お金を残すための簡単な改善方法は、「出数」でのAグループのアイテムを値上げすることです。
Aグループは店の主力アイテムといえます。
多少の値上げよりも、売れる理由があるはずなので、その理屈を強化すれば、費用をかけずに、粗利益額を伸ばして、仕入れ原価を抑制できます。
しかし、分析する上で、どのアイテム(商品・メニュー)が、経営を支えているのかを知るための、最も重要な分析は、「粗利益額」でのABC分析です。
粗利益が10倍あるアイテムの出数は、粗利益が少ないアイテムに比べた出数は1/10以上で良いという結果になります。
大手ナショナルチェーンのメニューを見ると、ページごとに、画像が大きいアイテムを見たことがあるはずです。そのアイテムは考えられて、大きく表示されています。
しかし、メニュー全てに魅力が無ければ、繁盛までは厳しいです。
地方であれば、それでもできることはありますが、厳しいことに変わりはありません。
逆に、味、ボリューム、価格、コスパ、などで魅力があれば、接客力が最低レベルだったとしても、お客さんは付きます。これは王道だからです。
私は「愛想」で商売はしません。
しかめっ面で仕事をするという意味ではありません。
愛想に頼らないという意味です。
愛想を抜きにした営業で、利益が出せれば、不景気に強い店になります。
王道路線では、流行りすたりに左右されません。
同じ業態のライバル店が隣にできても、怖くありません。
王道こそが飲食店の本質だと思います。
それができれば、上乗せしたいだけ、欲しい売上にするために他を足すだけです。足さなくても利益が出るので、引き出しが豊富にあるということです。
看板娘や元気で明るい女性スタッフがいれば、居酒屋業態では飛躍的に売上が伸ばせますが、いなくなったら赤字になるのは、それだけ依存していたことになります。
私が過去に売上が低迷した店舗の現場で最初に行ったことは値上げです。
650円だったメニューを750円に変えました。
使用していた食材、グラム数等は同じで、レシピ的な事も同じです。
変えた事は、価格の他に、盛り付けだけです。
そのほかは、しいて言うなら、提供するときの表情でしょうか。
「これで750円なら安いでしょ」という顔で出しただけです。
3ヶ月以上経過したときにどうなったかというと、
月商は上がり、仕入れ原価は下がり、
赤字が黒字に変わり、出数が改善前よりも増え、
それによる副産物として、1つに集中することで、オペレーションは楽になり、食材が回転するので鮮度が向上し、食材は他のメニューと併用して使うので、相乗効果もあり値上げしたメニューだけでなく、他のメニューのクオリティーも上がります。
値上げしたのに、出数が増えることは、「おかしい」と思うのは、一般的な意見かもしれませんが、儲かる理屈を理解するとわかることがあります。
値付けとは、適正価格でもあります。
むやみに安くするのではなく、自信をもってその商品の価値を、価格として表現して下さい。
昔読んだ本に書いてあった内容ですが、
フレンチシェフのオーナーは、手軽にフレンチを楽しんでほしいと思い、フルコースを3,000円で提供しておりました。
しかし中々お客さんに来店してもらえずに困っていました。
飲食コンサルに相談した結果、料理内容には全く手を加えず、
メニュー価格を3,000円から5,000円に値上げしただけでした。
その結果、繁盛店になりました。
安すぎると、何か事情があるのでは?と疑うのも心理です。
私が当時改善した650円のメニューは、現在は1,000円です。
クオリティーは間違いなく落ちています。
クオリティーは落ちたのではなく、落としたのです。
その結果、仕込みが圧倒的に減りました。
私の体力は有限で、あと10年もすれば体力はさらに落ちるでしょう。
私は、これ以上お客さんに増えて欲しいと思っていません。
それでも、それを食べる為に、開店前に列が出来る事もあります。
先月は12名開店待ちのお客さんがいました。
今でもAランクで、3つの算出方法でも全て1位です。
私はあと30年現場に立つつもりです。
お金の為ではなく、アクティブに趣味を楽しんだり、
仲間との時間を共有したいからです。
■アオ日記
「主人には、長生きしてほしいにゃ!」