分かる人が1人しかいない業務は、静かに危ない
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現場でよくある状態のひとつに、
「この業務は、あの人しか分からない」
というものがあります。
多くの場合、
それは悪意でも独占でもありません。
むしろ、
忙しい中で引き受け続けた結果、
自然とそうなっていくケースがほとんどです。
分かる人が1人いると、
日常業務は一見、問題なく回ります。
質問すれば答えてもらえる。
トラブルが起きても対応してくれる。
だから、
その状態が「普通」になっていきます。
ただ、この状態は、
目立たないだけで
静かなリスクを抱えています。
・休んだときに止まる
・引き継ぎに時間がかかる
・判断の理由が共有されない
何かが起きてから、
初めて問題として認識されることも少なくありません。
本人にとっても、
決して楽な状況ではありません。
頼られることが増え、
仕事が集中し、
休みづらくなる。
それでも、
「自分がやった方が早い」
と思って引き受けてしまう。
こうして、
負担は少しずつ積み重なっていきます。
この状態で怖いのは、
誰かが悪いわけではないのに、
組織としての柔軟さが失われていくことです。
属人化は、
能力の問題ではなく、
構造の問題だと思っています。
分かる人を増やすことは、
今すぐ全員に同じことをさせる、
という意味ではありません。
まずは、
「なぜそうなっているのか」
「どこが共有されていないのか」
を意識するだけでも違います。
分かる人が1人いる状態は、
頼もしく見えることもあります。
でも、
長く続ける前提には、
向いていません。
静かに、
でも確実に、
リスクが積み上がっていくからです。