tau_のひとりごと:前世は北欧人

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小説
酒さ体質の私は、ほてりと長く付き合ってきました。
気温の変化や暖房の熱に敏感で、血管が一気に拡張し、顔が真っ赤になります。

特に20代の冬は、いま思い返してもため息が出るほどつらいものでした。
室内が暖まりすぎると、そっと温度を下げていました。

周囲はセーターを着ているのに、私は長袖一枚でも暑くて、
暖房の熱気が顔にこもると、思考が停止しそうになります。

冬なのに、ひとりだけ季節が違うような感覚でした。

そんなある日、思いがけない出来事がありました。
救世主が現れたのです。

彼は教室に入ってくるなり、
「暑いですね、温度を下げましょう」と。その思いもよらない一言に、   心の中でにんまり。
                                  「北欧の人は、10度を超えたら半袖ですよ。温かいです!!」
その言葉は、私の背中を軽く押してくれました。
それ以来、冬でも半袖で過ごすようになりました。

「寒くないんですか」と聞かれるたびに、
「前世が北欧人なんです」と軽く返していました。

冗談のつもりだったのに、意外なほどすんなり受け入れられ、
そのやり取りのおかげで、冬に半袖姿の私を見る学生たちの視線も、
いつの間にか見慣れた光景になっていきました。

気づけば、今はもう前世の記憶もすっかり薄れてしまったようです。
                         tau_




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