tau_のひとりごと:大学病院

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小説
冬になると、ときどき思い出すことがあります。

年末に酒さの症状が急に悪化し、  
どうすればよいのか分からなくなってしまったときのことです。  
不安が大きくなる中で、家族の勧めもあり、  
大学病院で診てもらうことになりました。

確か、1月の3日か4日だったと思います。  
それまでの治療記録や、私がまとめていた症状の経過メモをすべて持参して、  先生にお渡しして診ていただきました。

しかし、返ってきた言葉は、とても短いものでした。

「無理だと思います」

症状があまりにも重いため、  
治療はできないと言われました。

そのあと、研究の資料にしたいとのことで、  
何枚も写真を撮影されました。  
ブルーの垂れ幕の前に立ち、真正面、右向き、左向きと、  
指示されるままに体の向きを変えていきました。

淡々とシャッターが切られていく音。  
モニターに映し出される自分の顔。  
向き合う医療スタッフの方々も、どこか静かでした。

あのとき撮られた写真は、  
今どこかで何かの役に立っているのでしょうか。  
ふと、そんなことを思うことがあります。

                     tau_
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