1. 導入:働き方の自由は「甘え」ではない
「副業OK」「フルリモート可能」。20代後半で転職を考えたとき、これらの働き方は、まるで夢のような条件に見えました。特にスタートアップ界隈では、そういった柔軟な働き方を掲げる企業が増えています。
しかし、「働き方を自分で選びたい」という気持ちが、採用側に「うちの会社にそこまでコミットしてくれないのでは?」という疑念を生むのではないかという不安も同時にありました。自由な働き方を求めるのは、企業にとって都合の悪い「甘え」なのではないかと。
この不安が、履歴書や面接で「副業やリモート」について触れることを躊躇させていました。
結論から言うと、この不安を払拭し、私が希望の働き方を手に入れるために準備したのは、「たった一つの裏付け」です。今回は、スタートアップが本当に求めている「自由な働き方」のディテールと、その裏付けをどう用意したか、私の体験をお話しします。
2. 一部のスタートアップが「リモート・副業」を許容する本質
まず、なぜ一部のスタートアップが柔軟な働き方を許容するのか、その本質的な理由を理解する必要があります。
一部のスタートアップは、社員に「長時間労働」を求めているのではありません。彼らが求めているのは、「特定の事業課題を解決する結果」です。
従来の会社が「会社にいる時間」や「チームで共有するプロセス」を重視するのに対し、一部のスタートアップが重視するのは「場所を問わない成果」と「自己管理能力」です。
そして、この自由の対価は、「忠誠心」や「終身雇用」ではありません。その対価は、あなたの「プロとしての自律性」と「圧倒的な貢献」です。
つまり、「副業OK」や「リモートOK」は、福利厚生というより、「自律したプロなら、働き方は自由で構わない」という企業からのメッセージなのです。このメッセージを正面から受け止め、「私はプロです」と証明する裏付けが必要でした。
3. 準備すべき「たった一つの裏付け」:非依存性の証明
私が転職活動で最も注力し、面接でも一貫して伝えたのが、「たった一つの裏付け」です。
それは、「この会社以外の場所でも、私は既に自分の力で価値を提供し、結果を出せる人間である」という非依存性の証明です。
あなたが希望する働き方を実現するために、入社前に用意すべき具体的なディテールは、以下の通りです。
(1)「副業」の準備:実績でスキルを具体化する
私は以前のコラムでお話しした通り、会社員時代に人事領域のスキルに集中投資し、都心スタートアップのリモート支援などの副業経験を積んでいました。
この副業経験は、単なる「お小遣い稼ぎ」として伝えるのではなく、以下のディテールを裏付ける材料として使用しました。
リモートで働く能力の裏付け: 「週に数時間、地方にいながら都心企業の人事課題を解決し、感謝された実績」は、オフィスにいる必要がないことの明確な証明になりました。
主体性の裏付け: 「本業とは別に、自分で案件を獲得し、値決めし、最後まで遂行した」という経験は、会社の看板がなくても自律的に動ける証明になりました。
(2)「リモート」の準備:セルフマネジメント能力の可視化
リモートワークを成功させる上で、最も重要なのはセルフマネジメント能力です。オフィスという監視の目がない環境で、自分で自分を律し、結果を出す能力です。
履歴書や職務経歴書では、以下のような「リモートで成果を出せるディテール」を盛り込みました。
「進捗管理を徹底し、チームメンバーに不安を与えない情報共有の仕組みを自発的に実践していた」
「簡潔な文章作成のルールを自分の中で徹底し、リモートでのコミュニケーション効率を意識的に高めていた」
これらは、「私には自宅でサボる心配はありません。むしろ、効率的に働けます」という無言のメッセージとして、採用側に信頼感を与えます。
4. まとめ:自由は「与えられるもの」ではなく「勝ち取るもの」
働き方を自分で選べる環境は、「会社が優しく与えてくれるもの」ではありませんでした。それは、あなたの能力と自律性によって勝ち取るものです。
スタートアップは、「副業OKだから」「リモートOKだから」という理由で入ってくる人材を最も恐れています。彼らが求めているのは、「この人はどこで何をさせても結果を出す」と確信できるプロフェッショナルです。
もし今、「副業やリモート可能な企業に入りたい」と悩んでいるなら、準備すべきは「立派な志望動機」や「熱意」ではありません。
準備すべきは、「この会社以外の場所でも、私は既に自分の力で価値を提供し、結果を出せる人間である」というたった一つの裏付けです。
小さな副業でも、自己管理の徹底でも構いません。まずは会社の看板を外した場所で、自分の力で価値を提供し、その経験を転職活動の「裏付け」にしてください。そのディテールこそが、あなたの働き方を劇的に変える鍵となります。