「重なる瞬間」

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「今日は着物着ないの?」

娘にそう言われた。
イベントのとき、私が着物で出かけることが多いのを、彼女は知っている。

でも今日は、ただ疲れていた。
「好きなものでも、疲れているときは面倒くさいでしょ。
だから今日はしないの。わかるでしょ、そんな感じ」

ぽろっと出た本音だった。

押しつけがましかったかな、と一瞬だけ思う。

でも彼女は、正午の朝ごはんを頬張りながら、
「そうかもね」
と、あっさり言った。

状況は全然違うのに、
感情だけが、ふっと重なった気がした。
その瞬間、私は少しうれしかった。

感覚を共有できた、というだけで、人は安心できる。
「同じ」という感覚には、不思議な力がある。

ただ、その力は、いつも正しい方向に働くとは限らないことも、私は知っている。

娘は、日常では普通の会話ができる一方で、
ときにとても不安定な感覚の世界にも身を置いている。

そのテリトリーの中で、
誰かと「わかり合える」ことも、彼女にとっては確かな安心のひとつだ。

私は、その両方を知っている。

穏やかな世界にもいる彼女と、
不安定な世界に身を置く彼女。

そのどちらもが、今の彼女なのだと思っている。

だから私は、ふと重なることのできる瞬間を大事にしたい。

日常の中の、ほんの一瞬。
ふと重なる感覚を、あなたは感じたことがありますか。
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