こっくりさん事件 ― 占いと恐れのはじまり。

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占い
それでは、前回――有頂天の有頂天になっていた私のその後。
今回は、あの「こっくりさん事件」についてお話しします。

「理科準備室の占い師」。
当時の私は、その呼び名を少し誇らしく感じていました。
放課後になると、理科準備室の片隅に机を寄せて、
タロットカードを並べ、「今日の運勢占い大会」と称して友達を占っていたのです。

そんなある日、教室で「こっくりさん、やってみようよ!」という声が上がりました。
紙と十円玉さえあればできる、あの懐かしい“遊び”。

当時の私は「占い師」としての自負(というより、ただの調子乗り)もあり、
「私がやるなら、絶対に本物のこっくりさんが来る!」と、根拠のない自信を抱いていました。

放課後、理科準備室に数人の友達が集まりました。
カーテンの隙間から差し込む夕日が、白い机の上をオレンジ色に染めています。

手書きの五十音表の上に十円玉を置き、全員で指を乗せ――
「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください……」

……シーン。

最初は誰も動かない。
笑いながら「ねぇ、本当に動くの?」なんて言っていたそのとき、
ふいに十円玉が、ほんの少しだけ“スッ”と動いたのです。

一瞬で空気が変わりました。
誰も笑わない。誰も息をしない。
理科準備室の時計の音だけが、やけに大きく響いていました。

「こっくりさん……あなたは、いますか?」
十円玉が、“はい”の文字の上にピタリと止まりました。

そこから先の記憶は、少し曖昧です。
誰が泣き出したのか、いつ帰ったのかも覚えていません。
ただ、その後ちょっとした騒ぎとなり、学校では通達が出ました。

「こっくりさん禁止」
「占い禁止」
「余計なものを学校に持ってこない」

そして――
理科準備室は、鍵がかけられました。

それでも、ひとつだけはっきりしていることがあります。
あの日を境に、私は“目に見えない世界”を怖いと思うようになった。
でも同時に、「見えないけれど、確かにあるものがある」と感じたのです。

その感覚こそが、後に占いを深めていく私にとって、
大切な原点になりました。

✿ 次回予告

あの“こっくりさん事件”のあと、私は一度カードを手放しました。
けれど、時間を経て――再び引き寄せられるように、タロットと再会します。
次回、「再会と再出発編」へ。



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