利益は重要です。
会社経営において、利益を無視することはできません。
ただし、ここで注意が必要なのは、
短期利益だけを追い始めると、会社は徐々に苦しくなる
ということです。
実務でも、
・今期利益を優先する
・コスト削減を急ぐ
・すぐに成果が出ないものを止める
こうした判断を繰り返した結果、
中長期で成長が止まってしまう会社は少なくありません。
今回は、なぜ短期利益だけを追うと苦しくなるのかを整理します。
1.利益は「過去の結果」である
まず前提として、利益は結果です。
売上や利益として現れる数字の多くは、すでに起きた行動の結果です。
つまり、利益だけを見ていると、どうしても判断が後追いになります。
例えば、
・新規顧客開拓
・人材育成
・商品開発
・業務改善
こうした活動は、すぐには利益に表れません。
しかし、将来の利益は、こうした活動によって作られます。
2.短期利益を優先すると何が起きるのか
短期利益を強く求めると、
会社は自然と「今すぐ利益が出ること」を優先するようになります。
その結果、
・教育費を削る
・改善活動を止める
・新規投資を減らす
・採用を止める
・新規顧客開拓を減らす
といったことが起きます。
短期的には利益が改善することもあります。
しかし、その状態が続くと、
・人が育たない
・新しい顧客が増えない
・商品力が落ちる
・業務が古いまま残る
結果として、将来の利益を生む力が弱くなります。
3.「費用」と「投資」を分けて考える
ここで重要なのが、
費用と投資を分けて考えること
です。
例えば、
・人材育成
・システム改善
・商品開発
・営業活動
などは、単なるコストではありません。
もちろん無駄な支出は見直す必要があります。
しかし、将来の利益につながる支出まで削ってしまうと、成長は止まります。
短期利益だけを見ていると、
本来は「投資」であるものまで削減対象になりやすいのです。
4.なぜ単年度思考になってしまうのか
多くの会社が短期利益に偏る理由の一つは、
評価や管理が単年度中心になっていること
です。
例えば、
・今期利益
・今月売上
・四半期目標
だけで評価すると、
現場は当然、短期成果を優先します。
すると、
・将来につながる活動
・すぐ利益にならない改善
・中長期の投資
が後回しになります。
これは現場の問題というより、
構造の問題です。
5.遅行指標だけを見ていると、対応は後手になる
ここで重要になるのが、
遅行指標と先行指標
という考え方です。
経営でよく見られる数字の多くは、
・売上
・限界利益
・営業利益
などの「遅行指標」です。
これらは重要な数字ですが、いずれも結果です。
つまり、すでに起きた行動の結果として後から現れてきます。
例えば、売上が下がったときには、すでに
・顧客離れ
・提案不足
・商品力低下
・営業活動量不足
といった問題が、少し前から起きていることが多いです。
つまり、遅行指標だけを見ていると、どうしても対応が後手になります。
6.将来の利益は「先行指標」から作られる
そこで重要になるのが、先行指標です。
先行指標とは、将来の結果につながる行動や状態を示す指標です。
例えば、
・商談数
・提案件数
・新規顧客数
・リピート率向上施策
・商品開発の進捗
・改善活動の実施数
・教育・育成時間
などです。
これらはすぐに利益には表れません。
しかし、将来の売上や利益を生む土台になります。
短期利益だけを重視すると、こうした先行指標が軽視されやすくなります。
すると、
・今月の利益は出る
・しかし未来の利益を生む活動は減る
という状態になります。
これが続くと、数年後に
・顧客が減る
・商品力が落ちる
・人が育たない
・改善できない
という形で問題が表面化します。
7.短期利益を優先すると「縮小均衡」に陥る
短期利益を重視し続けると、会社は徐々に縮小均衡型になっていきます。
縮小均衡とは、
・投資を控える
・本来かけるべきコストを削減する
・今の利益を守る
ことで、短期的な利益を維持している状態です。
一時的には利益が改善するので安心しがちです。
しかしその裏では、
・人が育たない
・改善が進まない
・新しい顧客が増えない
・商品力が落ちる
といったことが起きています。
つまり、
今の利益を守る代わりに、未来の利益を生む力が弱くなっていく
という状態です。
縮小均衡型の会社は、短期的には安定して見えることがあります。
しかし実際には、未来に向けたエネルギーが少しずつ失われています。
8.だから中期視点が必要になる
会社は、
・今年の利益
・来年の利益
・3年後の利益
を同時につくる必要があります。
そのためには、
遅行指標(結果)
先行指標(未来につながる行動)
の両方を見る必要があります。
さらに重要なのは、
先行指標を評価対象に入れること
です。
利益だけで評価すると、現場は短期成果を優先します。
しかし、
・新規開拓
・改善活動
・教育
・将来への投資
なども評価対象に入れることで、中長期につながる行動が継続されやすくなります。
だからこそ、
・中期計画を持つこと
・将来につながる行動を定義すること
・その行動も評価すること
が重要になります。
9.短期と中長期をどう両立するか
もちろん、赤字でも投資を続ければよいわけではありません。
重要なのは、短期と中長期のバランスを取ることです。
短期利益だけを追わない、かといって将来だけも見ない。
このバランスが必要です。
短期の利益を守りながら、
未来の利益をつくる行動も止めない。
それが、持続的に成長する会社の共通点です。
10.まとめ
短期利益だけを追う会社が苦しくなるのは、
未来の利益を生む活動が削られていくから
です。
利益は重要です。
しかし、利益はあくまで結果です。
将来の利益は、
・人材育成
・改善活動
・新規開拓
・商品開発
といった、今の行動によって作られます。
そのため経営では、
遅行指標(結果)
先行指標(未来につながる行動)
の両方を見る必要があります。
短期利益だけを見るのではなく、
将来につながる投資か
未来の利益を生む行動か
という視点を持つことが重要です。
もし
「短期と中長期のバランスが難しい」
「どこまで投資すべきか分からない」
という場合は、状況整理のお手伝いも可能です。
ブログでは一般的な考え方をお伝えしていますが、
実際の判断は、会社ごとの状況によって大きく変わります。
データや現状の課題をお聞かせいただければ、
どこに構造的な問題があるのかを整理し、
取るべきアクションを一緒に考えることも可能です。
感覚ではなく、構造で考える。
それだけで、経営判断は大きく変わります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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