売上は伸びているのに利益が出ない会社のKPI設計法

記事
ビジネス・マーケティング
売上目標は達成している。
現場も忙しく動いている。
それなのに、なぜか会社にお金が残らない。

この状態に心当たりがある会社は、少なくありません。

多くの場合、問題は「頑張りが足りないこと」ではありません。
本当の問題は、「何を目標にして、何の数字で現場を動かしているか」
にあります。

もしKPIが売上だけになっていると、現場は当然「売ること」を優先します。

その結果、
 ・値引きしてでも受注する
 ・手間のかかる案件も断れない
 ・忙しいのに利益が残らない
という状態が起きやすくなります。

KPIは、単なる目標数字ではありません。
会社がどちらに向かって動くかを決める設計図です。

今回は、売上と利益をつなぐKPIを、どう考えればよいかを整理します。

1.KPIは「数字を置くこと」ではなく、「行動を変えること」

KPIというと、目標数字を設定することだと思われがちです。
しかし本当に重要なのは、KPIによって現場の行動が変わることです。

例えば、KPIが売上だけなら、現場は売上を作る方向に動きます。
一方で、KPIに利益や採算の視点が入っていれば、
「どの仕事を取るか」「どの仕事は避けるか」という判断も変わってきます。

つまりKPIは、単なる管理の道具ではなく、
現場に何を重視してほしいかを示す設計図です。

2.売上だけをKPIにすると、なぜ危ないのか

売上は分かりやすく、全員で共有しやすい数字です。
そのため、多くの会社で最も使われやすいKPIです。

ただし、売上だけを追うと、次のような問題が起きやすくなります。
・値引きしてでも受注する
・採算の低い案件が増える
・現場の負荷が高い仕事まで抱え込む
・忙しさの割に利益が残らない

売上はあくまで入口です。
会社に利益を残すには、売上の大きさだけでなく、
「その売上がどれだけ利益につながるか」を見なければなりません。

3.まずは「売上」を分解して考える

KPIを作るときに大切なのは、いきなり数字を並べることではなく、
まず売上が何でできているかを分解することです。

売上は一般に、
売上 = 客数 × 単価
と考えられます。

さらに業種によっては、
・新規顧客数
・リピート率
・受注件数
・平均単価
・継続月数
などに分けることもできます。

ここで大事なのは、売上を1つの結果として見るのではなく、
何が動けば売上が動くのか を見えるようにすることです。

4.利益につなげるには、「売上の先」を見る必要がある

売上を分解しただけでは、まだ不十分です。
なぜなら、売上が増えても利益が増えるとは限らないからです。
そこで必要になるのが、利益につながる指標です。

例えば、
・限界利益
・利益率
・顧客別採算
・商品別採算
・案件ごとの工数
・値引き率

こうした数字を見ることで、
「売上はあるが利益が薄い」状態に気づきやすくなります。

つまりKPIは、売上を見るためだけのものではなく、
売上がどこまで利益につながっているかを確認するためのもの
でもあります。

5.KPIは「結果指標」と「先行指標」を分けると分かりやすい

KPI設計でよくある失敗は、結果の数字だけを追うことです。

例えば、
・売上
・営業利益
・受注件数
は結果として出てくる数字です。

一方で、その結果を動かす手前には、先に見るべき数字があります。
例えば、
・商談件数
・見積提出件数
・受注率
・平均単価
・リピート率
・値引き率
・1件あたり工数
です。

結果だけを見ても、悪化の原因は分かりません。
しかし、先行指標まで見ていれば、
「どこで崩れているのか」を早めに把握できます。

KPIは、結果を見るためだけでなく、改善ポイントを見つけるために置く
ことが大切です。

6.担当者と管理者で、見るKPIは分けた方がよい

すべての人が同じ数字を見る必要はありません。
むしろ、役割によって見るべきKPIは変わります。

例えば、現場担当者なら、
・商談件数
・受注率
・平均単価
・納期遵守
・既存顧客の継続率
のように、自分の行動に近い数字が重要です。

一方で、管理者は、
・限界利益
・顧客別採算
・商品別採算
・固定費とのバランス
・部門別収益性
のように、全体最適の視点で数字を見る必要があります。

全員に同じKPIを持たせると、
かえって数字の意味が曖昧になります。
KPIは、役割ごとに分けて設計した方が機能しやすいです。

7.KPIは増やしすぎない方がうまくいく

KPIを設計しようとすると、あれもこれも見たくなります。
しかし、数字を増やしすぎると、結局どれも使われなくなります。

実務では、
・最終的に何を目指すのか
・そのために何を動かす必要があるのか
・その中で本当に重要な数字は何か
を絞ることが大切です。

KPIは多ければ良いわけではありません。
判断に使える数に絞ること が重要です。

8.まとめ

KPIは、単に目標数字を置くためのものではありません。
会社の行動を、売上から利益につながる方向へ導くためのものです。

ポイントを整理すると、
・売上だけをKPIにしない
・まず売上を分解する
・利益につながる指標を入れる
・結果指標と先行指標を分ける
・役割ごとにKPIを設計する
・数字は増やしすぎない

KPIを見直すだけで、現場の動き方はかなり変わります。
そしてその変化が、売上だけでなく利益にもつながっていきます。

もし
「自社では何をKPIにすればよいか分からない」
「売上と利益がうまくつながっていない」
「数字を見ているのに経営判断に活かせていない」
ということがあれば、状況整理のお手伝いも可能です。

感覚ではなく、構造で考える。
それだけで、数字の見え方は大きく変わります。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
経営相談にご興味がありましたら、こちらもご覧ください。
メッセージもお気軽にどうぞ。


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら