5月の終わりになると、なんとなく気力が落ちてくる方がいらっしゃいます。
「辞めるほどではないんですけど」
「うつとかではないと思うんですけど」
「ただ、なんとなくしんどくて」
精神科の現場でずっと働いてきましたが、本当にしんどい方ほど、最初はこういう言い方をされます。
誰かに話す前に、自分のしんどさを自分でジャッジしてしまう。
「これくらいで相談してはいけない」と、ハードルを上げてしまうのです。
4月できていた人が、5月の終わりにつまずく
4月は走れていた。
新しい環境、新しい人間関係、新しい役割。気を張って、なんとか乗り切ってきた。
連休も、特に大きく崩れることなく過ごせた。
ところが5月の終わりになって、急に動けなくなる。
朝起きるのがつらい。
仕事のことを考えると眠れない。
休日も頭から仕事が離れない。
食欲が落ちている。
人と話すのが面倒に感じる。
職場の最寄り駅で足が止まる。
それでも、辞めるとまでは思っていない。受診するほどでもない気がする。家族に話すのも気が引ける。
そういう「中間」の状態で、夜中にスマホを開く方がいらっしゃいます。
はっきり言葉にならないしんどさ
精神科の現場でも、ココナラの相談でも、共通して感じることがあります。
本当にしんどい方ほど、自分の状態をうまく言葉にできません。
「なんとなく重い」
「うまく言えないけれどつらい」
「自分でもよく分からない」
そう話される方の中に、心がかなり消耗されている方がいらっしゃいます。
頭の中だけで考えていると、しんどさは整理されません。
ぐるぐると同じことを考えて、夜が深まっていく。
朝になっても、疲れが取れていない。
そういうとき、声に出して話してみると、意外な発見があります。
「あ、私はこのことに疲れていたんだ」
「ずっとこの一言が引っかかっていたんだ」
頭の中でぼんやりしていたものが、話すことで形になります。
私がお聴きするときに大切にしていること
電話相談では、私は3つのことを大切にしています。
否定しないこと
「そのくらいで悩まなくていいですよ」とは言いません。
ご本人がしんどいと感じているなら、それがすべてです。
評価しないこと
「もっとこうした方がいい」と先回りもしません。
正解を渡すのではなく、ご自身が答えに辿り着くまでの時間を一緒に過ごします。
遮らないこと
お話の途中で意見を挟みません。
言葉に詰まる時間も、沈黙も、必要な時間だと思っています。
これは、精神科の現場で担当患者さんと向き合う中で身につけてきた聴き方です。
解決を急がず、まずはお話を最後まで聴く。
それだけのことのようですが、日常生活ではなかなかしてもらえないことだと思います。
相談していいレベルなのか、と迷っている方へ
電話相談の予約ページを開いて、そっと閉じる。
そういう経験をされた方も多いと思います。
「もっと深刻な人が利用すべきサービスなんじゃないか」
「自分なんかが相談していいのか」
「こんなことを話して、引かれないだろうか」
そう思っているなら、お伝えしたいことがあります。
相談するのに、しんどさのレベルを証明する必要はありません。
「なんとなく重い」
「言葉にできないけどつらい」
「自分でもよく分からない」
それで十分です。
むしろ、はっきり言葉になっていない状態のときこそ、誰かに話すことで見えてくるものがあります。
電話相談という距離感
対面のカウンセリングや、心療内科の受診と比べて、電話には電話なりの良さがあります。
顔を見られなくていい。
仕事帰りや夜に話せる。
予約のハードルが低い。
一度きりで構わない。
名前を知られなくていい。
身近な人に話すのとは違って、利害関係がありません。
職場の人にも、家族にも、友人にも話せないことを、安心して話せる距離があります。
「身バレが怖い」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、私はあなたがどこにお住まいで、どの職場の方なのかを知りません。
お話を聴くだけです。
最後に
5月の終わりに、なんとなく気力が落ちている方へ。
それは、ここまで気を張ってきた疲れが、遅れて出ているのかもしれません。
4月を走り抜けた方ほど、今になって失速するのは自然なことです。
辞めるほどではないけれど、誰かに話したい。
家族や同僚には言いにくい。
受診するほどでもない気がする。
その「中間」のしんどさを、抱え込まずに話してみませんか。
否定せず、評価せず、遮らずにお聴きします。
お話できる範囲で構いません。
「相談するほどじゃない」と思っているうちに、しんどさはどんどん積み重なります。
言葉にすることで、気持ちが少し軽くなる方もいらっしゃいます。
夜眠れない時間に、一人で抱え込まないでください。
お話、お待ちしています。