「アンチノミー」──二律背反。どちらも正しいのに、同時には成り立たない矛盾のこと。
哲学用語らしいのですが、これ、めちゃくちゃ日常にあふれてるなーと思ったんです。
たとえば「ひとりでいたい」と「誰かと一緒にいたい」。どっちも本心なんですよね。静かにひとりの時間を過ごしたいと思う一方で、誰かとつながっていたい、話を聞いてほしいとも思う。どちらも嘘じゃない。でも、同時には叶えられない。
「変わりたい」と「変わりたくない」もそう。成長したい、新しいことに挑戦したいって思う反面、今のままでいたい、このままの状態に甘えていたいとも思う。どっちも間違ってないんです。どっちも私。
面白いのは、これって単なる「優柔不断」とか「迷ってる」とかじゃないんですよね。迷いなら、どっちかを選べばいい。
でもアンチノミーは、どっちを選んでも、選ばなかったほうが「不正解」になるわけじゃない。両方とも正しい。正しいまま、ただそこに存在し続ける。
だから、無理に決着をつけようとしなくてもいいのかもしれないなー、と。矛盾を矛盾のまま抱えて、AでもありBでもある自分を、そのまま受け入れる。そういう在り方もあるんじゃないかなって思うんです。
すぐに白黒つけたがるじゃないですか、人って。AかBか、イエスかノーか、好きか嫌いか。でも実際のところ、世界はそんなにシンプルじゃない。グレーどころか、白でもあり黒でもある、みたいな状態が普通に存在してる。
私自身、最近ものすっごくアンチノミーを感じることが多くて。
「人に頼りたい」と「迷惑かけたくない」。どちらも本当で、どちらも大切。でも、完璧に両立させることはできないんですよね。助けを求めれば「甘えてる」って思われるかもしれないし、我慢していれば「なんで言ってくれなかったの」って言われるかもしれない。
「自分らしくいたい」と「周りと調和したい」もそう。自分を貫けば誰かと衝突するし、周りに合わせれば自分が薄れていく。どっちを優先するかは、その瞬間の空気と、その時の気分次第、みたいなところがあります 笑。
だけど、きっとそれでいい。
アンチノミーを抱えているっていうことは、複数の真実を同時に見ているっていうこと。簡単な答えに飛びつかないで、複雑さを複雑さのまま受け止めているっていうこと。それって、ある意味すごく誠実なんじゃないかな、と。
だから、矛盾を感じたとき。どっちも正しくてどっちも選べないとき。「自分っておかしいのかな」なんて思う必要はないんじゃないかって。
むしろ、その矛盾を感じられること自体が、ちゃんと考えてる証拠で、安易な答えに逃げてない証拠なんだと思います。
矛盾だらけの自分を、そのまま肯定する。
AでもありBでもある自分を、どっちも大切にしたまま、その間を行ったり来たりしながら生きていく。完璧な解決なんてないかもしれないけれど、それでも、そうやって生きていくことはできるんじゃないかなー、なんて。
矛盾だらけでも、いいじゃない。
そんなことを思う、今日この頃です。
この曲を紹介したかったから、この文章を書いたと言っても過言じゃないです 笑。本日の一曲は、
原因は自分にある。『因果応報アンチノミー』
ガチでマジで、去年2025年、にゃもしが一番聴いた曲です。
曲の作りがとにかく面白くて。ベースと鍵盤とブラスが一生暴れてます。ものすごくガチャガチャしてるのに、ポップでキャッチーで、転調が予告なしで襲ってきて、サビに至ってはロマンティックですらあります。
おかえりエンジョイ 自業自得ですAll
地獄のROCK'N'ROLL 天国の階段でライブして
矛盾だらけです。天国で地獄で、おかえりでエンジョイで。なんだこれって笑ってしまうのに、ここのメロディがちょっと切ない。この瞬間だけ矛盾を全部まるっと肯定されてる感じがして、それがなんだか最高に心地いいんです。
そして最初と最後の舌打ち。
結局どっちでもいいよね、みたいな。所詮は舌打ちする程度のことなんですよ 、アンチノミーって。だから、繰り返し何度も聴いてしまうのかもしれません。
ていうかね、アラフィフのおばさんにここまで考えさせて、こんなブログを書かせたってだけで、この曲の凄さってのが伝わるはず 笑。「げんじぶ」の魅力と共に伝われー。未来はLOVE!