『キャリコン試験対策』<理論(7)>:相互作用モデル~キャリア=「人と組織の交差点」~

記事
法律・税務・士業全般
前回までは
キャリア発達理論の代表格の
ドナルド・E・スーパーの理論を
取り上げてきました。

今回はエドガー・H・シャイン
「相互作用モデル」
フォーカスしていきます。

シャインの理論は
「キャリアは個人と組織の
相互作用によって形づくられる」
という考え方をベースにしており

組織内で働く個人をどう理解するか
という点で非常に重要な理論です。

キャリコン試験でも頻出のトピックですので
今回も実際の過去問を交えながら
理解を深めていきましょう。
シャイン(Schein,E.H.)が提唱する3つのサイクルの相互作用モデルに関する次の記述のうち、サイクルとして不適切なものはどれか。

1. アイデンティティ・サイクル

2. 仕事・キャリアサイクル

3. 家族関係サイクル(新家族)

4. 生物学的・社会的サイクル

出典:第27回 国家資格キャリアコンサルタント 学科試験

✅ 正解は…記事の途中で!

1. シャインの理論とは?


エドガー・H・シャインはキャリアを
「個人の内的世界と組織環境の相互作用に
よって発達するプロセス」と捉えました。

その特徴的な考え方が
「3つのサイクルによる相互作用モデル」です。

この3つのサイクルとは:

🔷 仕事・キャリアサイクル
職業的スキルや専門性の蓄積、役割の変化
例:新しい業務への挑戦、昇進
  キャリアチェンジなど

🔷 家族関係サイクル(新家族)
家族内での役割変化やライフイベントに
伴うキャリアへの影響
例:結婚、子育て、介護など

🔷 生物学的・社会的サイクル
加齢や心理的成熟、社会的役割の変化
例:健康の変化、価値観の形成
  人生観の変容など

この3つのサイクルが
同時に重なりながら相互に影響し合うことで
キャリアが形づくられていくというのが
シャインの視点です。

2. 過去問をチェック!

シャイン(Schein,E.H.)が提唱する3つのサイクルの相互作用モデルに関する次の記述のうち、サイクルとして不適切なものはどれか。

1. アイデンティティ・サイクル

2. 仕事・キャリアサイクル

3. 家族関係サイクル(新家族)

4. 生物学的・社会的サイクル

出典:第27回 国家資格キャリアコンサルタント 学科試験

選択肢1:誤り!
→「アイデンティティ・サイクル」は
  シャインの3つのサイクルには含まれません。
  もっともらしく見えますが誤りです。

選択肢2:正しい
→「仕事・キャリアサイクル」は
  シャインの3つのサイクルの1つであり
  専門性の発達やキャリア上の役割変化など
  を指します。

選択肢3:正しい
→「家族関係サイクル(新家族)」も
  正しい選択肢です。
  これは家族構成やライフイベントが
  キャリアに与える影響を表しています。

選択肢4:正しい
→「生物学的・社会的サイクル」も含まれており
  加齢・心理的成熟・社会的役割の変化などを
  捉える枠組みです。

✅ 正解は…1です!

3. 支援の現場ではどう活かす?


キャリア支援の現場での
この理論の実用的な価値は
「個人の違和感や不適応が
 どのサイクルに起因するかを見立てる視点」
が得られる点です。

例えば…
① 異動で苦しむ人
→ 組織サイクルのギャップかも?

② 年齢的に限界を感じる人
→ 個人の発達サイクルに注目

③ 仕事に飽きてきた人
→ 職務のライフサイクル上の過渡期かも?

このように「人と組織のずれ」に寄り添う視点が
シャインの理論には込められています。

このように
「人と組織のズレ」に目を向けることで
より丁寧なキャリア支援が可能になります。

シャインの「相互作用モデル」は
キャリア=「人と組織の交差点」
という視点を提供してくれます。

「個人の問題」か「組織の問題」かではなく
「両者の関係性の中」にこそキャリア課題がある
これこそがシャインの理論の本質なのです。

次回はサビカスの「キャリア構築理論」を
お届けさせていただきます!
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