「入札は儲からない」は本当か?価格競争になりやすい商材・なりにくい商材

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ビジネス・マーケティング
「入札って、価格の叩き合いなんでしょ?」
「取れたとしても、結局あまり儲からないんじゃないの?」

入札について話していると、こう聞かれることがよくあります。
たしかに、その不安はよくわかります。
「入札」という言葉には、どうしても“いちばん安い会社が勝つ”というイメージがあります。

結論としては
・商材や入札方式によって全く状況が違う。調べてみることが大事
・価格競争になりやすい商材でも、よく調べれば収益を上げられる
とお伝えしています。

大事なのは、

自社の商材が、価格競争になりやすい領域なのかどうかを見極めること

です。

今回は、入札に対するよくある誤解の一つとして、
「入札は価格の叩き合いで儲からないのか?」
「価格競争になりやすい商材・なりにくい商材の見極めポイントは何か?」
という点について、お伝えします。

価格競争になりやすいかは商材・地域による

行政案件 = 入札 = 儲からない、とイメージしてしまう理由としては「入札」という言葉の影響が大きいと思います。
一般的に「入札」と聞くと、どうしても価格だけで多くの人は「一番安い会社が勝つ」とイメージしてしまいやすいですよね。

ここで一つ押さえておきたいのは、「行政入札において『価格』は落札者決定の一要素に過ぎない。」ということです。

価格の比率が大きい案件であれば価格競争がおきやすく、逆に価格の比率が低ければ競争は起きにくくなります。

そして、その価格の比率は「入札方式」によって変わります
さらに、入札方式は商材や地域によって変わってきます。

なので、価格競争かは商材や地域による。自社の商材がどういった入札方式なのか? をまずリサーチすることが大事、という形になります。

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加えて、一見価格競争になりやすそうに見える商材(入札方式)でも、実はそうではないケースも多かったりします。ここが入札の奥深さであり、面白さだなぁと感じます。

まず見るべきは「入札方式」

前述の通り、入札を見るときに、まず確認したいのが入札方式です。
改めてですが、入札方式により価格の比率が決まり、価格の比率により価格競争のなりやすさが変わります。

入札方式の分け方はいくつかありますが、代表的なものとしては下記の3つです。

・価格競争入札
・総合評価方式
・プロポーザル方式

この3つでは、価格の重みがかなり違います。

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価格競争入札は、基本的に価格で落札者が決まる方式です。
「最低制限価格」という下限価格よりも上で、もっとも低い価格を提示した事業者が落札します。
価格が唯一の決定要因なので、当然価格競争は起きやすい入札方式です。

一方で、総合評価方式やプロポーザルは、価格だけではなく、提案内容も含めて点数化される方式です。
これらの方式は提案内容(技術点)が落札者決定の比率として大きいので、価格競争は起きにくい方式となります。

つまり、入札といっても、
・価格だけで決まるもの = 価格競争入札
もあれば、
・価格だけでは決まらないもの = 総合評価・プロポーザル
というのがあるんですね。

この違いを知らないと、「入札= 価格競争 = 価格の叩き合い」というイメージだけで判断してしまいやすくなります。

こうした、入札方式についてよく知ることが、価格競争になりやすいかを見極める第一歩、と言えます。

ここで少し、各方式について価格の面から詳しくみていきます。

総合評価・プロポーザル:価格だけでは決まらない。だけど注意点もある

総合評価方式やプロポーザル方式では、価格だけで勝負が決まるわけではありません。価格は提案内容とともに評価要素の一部です。

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この場合、価格・提案内容の比率や評価のされ方は案件によっても違います。
例えば代表的な評価のされ方でいうと

・「価格で直接点数がつく」方式
これは価格そのものに点数がつくケースです。
たとえば、全体が150点満点で、そのうち価格点が50点、提案内容が100点というような配点になっていることがあります。
この場合、基準価格に対して安ければ安いほど価格点がつくイメージです。 (点数の計算方法も案件によって変わります)
ただしこの場合でも、価格は全体の1/2 ~ 1/3しか占めないので価格だけで落札することはありません

・「価格の考え方が評価される」方式
この場合、全体の点数が100点として、そのうちの10点が「見積もりの妥当性」として割り振られているケースです。
この場合は価格そのものに点数がつくことはありません。提案書と一緒に出す見積や内訳書の内容から、提出した金額の妥当性などが評価される方式です。

また、プロポーザル案件では100%提案内容で評価される方式です。 (評価の一部として「価格の考え方が評価される」場合はあります。)

総合評価方式やプロポーザル方式になりやすいのは、業務の実現方法が事業者によって大きく異なる案件です。

たとえば、DX研修、人材育成、コンサルティング、調査業務、広報・プロモーション支援、地域活性化に関する企画業務などは、事業者ごとにやり方や成果物に差が出やすい領域です。

同じ「DX研修」でも、カリキュラム設計、対象者の設定、ワークショップの有無、研修後のフォローなどによって、内容はかなり変わります。

こうした提案を、単純に価格だけで比べるのは難しいですよね。
一番目指すべき成果の出やすい方法でやってくれる事業者に発注したい」という方式です。

そのため、プロポーザル方式や総合評価方式という形でその業務の実現方法 = 提案内容を評価する形となります。

このような案件では、価格の叩き合いというより、
その自治体に対して、どれだけ良い実施内容を提案できるか
が重要になります。

このため、価格競争にはなりにくいのです。

ただし、予定価格が低すぎる案件には注意

とはいえ、総合評価やプロポーザルなら必ず利益が出るという話ではありません。

行政側の事前の想定が甘く、その案件の予定価格が、業務内容に対してかなり低く設定されている場合があります。

総合評価やプロポーザルでは、価格は評価の一部と言ってももちろん青天井で発注金額が決まるわけではなく、その案件の発注額の上限額が定められています。これを「予定金額」といいます。

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「予定金額」を超えた金額を入れた事業者は「失格」となり、どんなに良い提案をしていても受注することができません。

この場合、価格の叩き合いではなくても、落札しても利益が残りにくいことがあります。

問題はこの「予定金額」を行政側で見誤っているケースが時々あることです。

行政側の担当者は入札案件を作るにあたり、行政内で当然「予算どり」をします。予算どりにあたっては、複数企業から見積もりの取得などをして十分にリサーチをするのですが、完全に読みきれてはいないケースもあります。

「真面目に仕様書を読み込み、記載されている業務を全部こなす金額を出したら予定金額を大きく超過しており失格となってしまった」というケースがたまにあります。

あるいは失格になればまだ良い方です。最悪なのは公表されている予定価格に合わせて入札をしたら、実際に業務を遂行するコストが想定よりも非常に大きく大赤字になってしまった、というケースです。

このように、総合評価やプロポーザルだからといって必ずしも利益が出るというわけではなく、案件ごとに慎重に見積もりや価格を入札する必要があります。

価格競争入札は叩き合いになりやすいが、そうでもない側面も?

さて、価格競争入札については、たしかに価格だけが決定基準になる方式でした。なので叩き合いになりやすい面があります。

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価格競争入札は、やることや納品物が明確に決まっている業務で採用されやすい方式です。「誰がやっても同じ実施方法になるならば、極力安く実施できる事業者に発注した方が良い」というかたちです。

たとえば、下記のような案件で採用されやすい方式です。

・造園
・清掃
・警備
・印刷
・備品購入
・定型的な保守業務

こうした業務は、仕様書で内容を定義しやすい傾向があります。
「この場所を、この頻度で清掃してください」
「この仕様で、何部印刷してください」
「この施設の警備を、この時間帯で行ってください」
というように、行政側が求める内容を比較的明確に書きやすく、事業者ごとの提案内容で大きな差をつけるというより、同じ仕様を、いくらで実施できるかという比較になりやすくなります。

この場合、1円でも安く応札すれば案件をとれるので、価格の叩き合いになりやすいのは事実です。

ただし、じゃあ価格競争 = 儲からない = 参入すべきでないと判断するのは早過ぎます。

価格競争入札にもガードレールがある

まず、行政側もむやみやたらな価格競争で事業者がいたずらに疲弊しないようように、いくつか「ガードレール」的な仕組みを設けています。
このガードレール的な仕組みを理解し、それに沿った対応をすることでいたずらな価格競争を避けられる可能性があります。

参加資格や指名での参加制限

入札案件には「参加資格」が基本的に設けられています。
価格競争入札だからといって、低い価格を提示してくれる事業者であれば発注先は誰でもいいと考えているわけではありません。

そのため、多くの案件では、入札に参加する前提として一定の要件が定められています。たとえば、

・過去の類似業務実績
・所在地要件(本店・支店の所在地)
・必要な許認可
・セキュリティ認証(Pマーク、ISMS)
・有資格者の配置
などです。
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こうした要件を満たしていない事業者は、そもそも入札に参加できません。つまりこうした参加資格が設けられている案件は、価格競争入札であっても実際に参加できるのは一定の条件をクリアできた事業者のみという形になるのです。

参加要件が高く、参加できる企業が限られる案件では、過度な価格競争になりにくい場合もあります。

こうした参加資格は新規参入する側にとっては「ハードル」となりますが、自社がその要件を満たせる場合、むしろ「防壁」として価格競争から一定守ってくれる要素になることもあります。

また、参加資格に近い考え方で「指名」があります。これは入札に参加できる事業者をあらかじめ行政側が指名し、その事業者のみが入札できる方式です。 この場合も参加者が限られるので、完全オープンな案件よりは叩き合いになりやすい傾向にあります。

このあたりは、価格競争入札を見るときに大事なポイントです。

下限価格・最低制限価格の考え方

また価格競争入札には、極端な安値を防ぐ仕組みが設けられている場合もあります。

一時期、実績作りを優先する事業者による「1円入札」が横行したことなどもあり、公正な競争や適切な事業実施の実現を図るために導入されています。

これらは「最低制限価格」という名称で、
入札金額がこの金額を下回ったら落札できない
という価格が定められています。

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つまり、価格競争入札であっても無制限に安くすればよい、というものではないということです。これがガードレールとして機能する形となります。

ただ、応札する側としてはうっかり下限価格を下回ってしまうケースなどもあるため、見極めが難しかったりもするのですが・・・。

このような形で価格競争入札にもイタズラな叩き合いを防ぐ仕組みが導入されています。

一見価格の叩き合いにみえてもそうじゃないケースも

加えて、価格競争入札だからといって「叩き合い」と決めつけるべきではないケースもあります。

過去の価格が低くても、反発する年がある
毎年同じように出ている案件では、過去の落札結果を見ることも重要です。

前年度の落札価格がかなり低いと、
・この価格ではとてもやっていけない
・やっぱり入札は儲からない
と感じることがあります。

ただ、過去の落札金額が低いからといって、それがずっと続くとは限りません

低すぎる金額が続くと、当然ですが同業他社も事業者側も「この価格では受けられない」と判断するようになります。

その結果、ある年から低い価格で入札する企業が撤退し、標準的な価格で入札した企業が落札することがあります。

つまり、一見すると前年度価格がかなり低くて、価格の叩き合いに見える案件でも、年によって価格が反発することがあるのです。

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前年度の価格だけを見て「これは無理だ」と判断するのではなく、複数年の動きを見ることが大切です。

一見安く見えても、別の採算構造がある場合がある

もう一つは、「御社にとっては採算が合わなくても、実は他社だと採算が合う」というケースもあります。
例えば一見すると採算が合わないように見える案件にも、別の採算構造があるケースです。

たとえば、木の伐採をするような案件。
落札金額だけでは伐採にかかる工数が合わないように見えても、業務の中で伐採した木を別の場所で売る金額も含めると採算が合うことがあります。

あるいはその案件の実施だけではコストが合わなくても、その案件の遂行がその後民間取引の顧客獲得につながる、という例もあるでしょう。

もちろん、採算が合わない案件を無理に追いかけるべきではないと思います。

ただ、他社が自社の感覚よりも低い価格で入札している場合、単に「安売りしている」と見るだけではなく、
「何か別の採算の見方があるのではないか?」
と考えてみることは大事です。

このように、価格競争型に見える案件でも、表面上の金額だけでは判断できないことがあります。

まずは発注傾向をリサーチしてみよう

以上のように、入札はその入札方式によって大きく左右されます。また価格競争方式の案件についても深く見てみることがたいです。

大事なのは、自社商材に近い過去の発注傾向を一度見てみることです。

自社商材に近い案件が、どのような方式で発注されているのか。
 ・価格競争入札が多いのか。プロポーザルや総合評価が多いのか
予定価格や落札価格はどのくらいなのか。
参加要件は厳しいのか、比較的参加しやすいのか。

こうした点を見ていくことで、単に「入札は儲からない」とは言い切れないことが見えてきます。

では過去の案件は具体的にどうやってリサーチすれば良いのか?

調べていくための具体的なリサーチ方法について、自分で実施するためのステップを6つに分けて下記の記事にまとめました
「まずは自分で調べてみたい」という方はぜひ参考にしてみてください。

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