※まずは深呼吸
リラックスして読み進めてください。
空は、黒板のように深い夜をまとっていた。
何の変哲もない通りの角を曲がると、小さな灯りがぽつんと浮かんでいた。
それは、どこか古めかしい郵便局のような建物だった。
しかし、近づくほどに気づく。郵便局ではない。
看板には「星屑配達所」と記されていた。
扉を開けると、小さなベルが優しく鳴り響く。
温かい空気が頬を撫で、甘いハチミツの香りが漂った。
中は広くない。
奥には大きな棚があり、無数の瓶が並んでいる。
それぞれの瓶には、小さな光が閉じ込められていた。
それは、星のように淡く、脈打っている。
「いらっしゃい。」
どこからともなく声が聞こえた。
誰もいないように見える。
しかし、確かに声はそこにあった。穏やかで、どこか懐かしい響きだ。
「探しているものがあるんでしょう?」
声に導かれるように、自然と棚に歩み寄る。
瓶に触れると、ひんやりとした感触が手に伝わり、同時に小さな囁きが耳元に響いた。
「この光は、あなたの中にずっとあったものです。」
瓶の中に閉じ込められた光をじっと見つめると、不思議な感覚が胸に広がる。忘れていた記憶の断片が、霧のように立ち上がる。
幼い頃、夜空を見上げながら描いた未来。
どんな困難が訪れても立ち向かうと誓った瞬間。
あの時の輝きが、確かにここにあるのだ。
棚を見渡すと、ほかの瓶たちも、それぞれ異なる光を放っている。
一つ一つが、過去のどこかで誰かが置き忘れた星屑のようだ。
「選んでごらん。あなたに必要な光を。」
再び声が響く。
何かに導かれるように手を伸ばし、一つの瓶を手に取る。
それは、ほかの光よりもわずかに揺れているように見えた。
胸がざわつく。
けれど、どこか温かい。
蓋をひねると、瓶の中の光がふわりと宙に舞い上がった。
光は小さな流星のように飛び、身体の中にすっと吸い込まれる。
温かさが全身を満たし、同時に心の奥底で静かに眠っていた力が目覚める感覚がした。
「それで大丈夫。もう一度、思い出せたでしょう?」
声は優しく問いかける。
返事をしようとした瞬間、視界がふっと暗転した。
気づくと、元の通りに立っていた。
配達所は跡形もなく消え、冷たい夜風だけが頬を撫でる。
手には瓶が残されていた。
空を見上げると、無数の星々が瞬いている。
その中の一つが、先ほどの光と同じように揺れていた気がした。
歩き出す足は、なぜか軽い。何が変わったのかはわからない。
ただ、自分の中に灯った小さな火種が、確かに未来を照らし始めている気がした。
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今回は、「忘れられた可能性」や「失われたように感じる希望」を見つけられるように催眠スクリプトを組み込んで書きました。
「自分は本当にこれでいいのだろうか?」と不安に駆られるときにゆっくり読み進めてください。
最後までご覧いただきありがとうございます。
この投稿が少しでもあなたの役に立ちますように。