おはこんばんちわ。スナツキンです。
前回からしばし間が空きましたが(オメー早速だらけてんじゃねえかなんて言わないでね)、さっそくやっていきましょう、初心者文字書き諸君に捧ぐ校正講座。
まずは「1文の情報を整理する」ところからです。これは「一文一義」の原則を守ることで、基本を押さえられますよ。
「一義」とは「主語・動詞」のセットのことだ
「一文一義」とは「1つの文には1つの情報だけを入れる」ということ。この「情報」は、主語と動詞の2つがあれば、最低限通用します。例えば「僕は走った。」だけでもう十分、文としては通用します。
主語「僕は」と動詞「走った」だけで、「あるものが」「どんな様子であるか・何をしたか」は最低限分かるわけですな。
また、一見分かりづらいですが、料理のレシピなどの指示もよい例でしょう。
例えば「じゃがいもを半月型に切りましょう。」という指示はどうでしょうか。
一見「主語」がないように見えますが、こういうときは「(あなたは)じゃがいもを半月型に切りましょう(切ります)。」といった主語が隠れていると思うとよいでしょう。
下手な人は、あれもこれも伝えようと情報を入れすぎてしまう。シンプルに伝えるためにも「主語・動詞」の厳選が肝要、と私は考えます。
……「日本語では、形容詞や形容動詞もひっくるめて「述語」と言うじゃないか! どうしてここでは『述語』と言わないんだ!」と考える人もあるでしょう。
しかし、敢えてここでは「動詞」と表現します。当アカウントでは、いかなる述語も「動詞」を含んでいると解釈するからです。
まずは「主語」と「述語」の定義をそれぞれ確かめましょう。
主語とは、もの・人の名前に助詞「~は」「~が」をつけた上で、「ぼくが」「きみは」「それが」などと、ある動作および様子の主体を表す言葉です。
また述語とは、動詞・形容詞・形容動詞を合わせたもの。あるものの動きを表す「動詞」、あるものがおかれている状態を表す「形容詞」および「形容動詞」をすべてひっくるめていいます。中学国語では「用言」とも言いますね。
様子や状態は「be動詞」、行動は「do動詞」
ここで、日本語を一度離れて、英語の文法の視点から見てみましょう。
※当アカウントでは、柔軟に日本語文法を客観視するためにも、しばしばこうして英語文法の仕組みを通して表現を考えます。あらかじめご了承ください。
英語圏の「動詞」には「do動詞」と「be動詞」の2つがあります。
いわゆる「動詞」、動きを表す言葉は普通の動詞=「do動詞」。行動を表すものです。主語とdo動詞さえあれば、最低限成り立ちます。
「I swim.(私は泳ぐ)」これだけで、誰が何をしているかは少なくとも伝わります。「I have a cat.(私は猫を飼っている)」のように、動作の対象となる目的語をひとことふたこと加えてもよいでしょう。
一方、be動詞で示す文は、形容詞(日本語でいう「形容動詞」も)を使って様子や状態を示すものです。
原則として主語と形容(動)詞だけがあっても、文としては成立しません。正確には、「be動詞」で結ばないと形容詞などは使えません。
例えば「Tom is kind.(トムは優しい)」とは言うものの、「Tom kind.(トム 優しい)」とは言いません(カタコトになってどーする)。be動詞が、日本語でいう「〜は〜だ・である」の役割を担っているのです。
では、どのように使い分けるか、例文を見てみましょう。
例えば、あの有名な「吾輩は猫である」はbe動詞の側です。
吾輩は(主語)猫(指し示す対象)である(様子を表す助動詞)。
≒ I am a cat. ← I(主語) am(様子・状態を表す動詞) a cat(指し示す様子・状態・対象).
これに対し、似た構造でもdo動詞のものは、このようになります。
吾輩は(主語)猫を(対象)飼っている(行動を表す動詞)。
≒ I have a cat. ← I(主語) have(行動を表す動詞) a cat(動作の対象).
この2つも「I a cat.(吾輩 猫)」だけでは、どっちなのかよくわからなくなります。動詞の種類が、意味の全てを決めるのです。
だから「何はなくとも主語・動詞」というわけです。
1つの情報を伝えるには、主語と動詞の1セットが備わっていなくてはなりません。
先生はトイレじゃありません! 〜初心者のうちは、主語と動詞をそろえよう
当アカウントでは、初心者のうちは「主語と動詞をそろえて書く」ことをおすすめしています。最初は文法の型に沿って書き、「慣れる」ことで、「厳選」するときの塩梅が分かるようになってくるのです。
……「主語と動詞をそろえて」というところで、皆さんなにか思い出しませんか。そう、アレです↓
「先生〜、トイレ〜!」
「先生はトイレじゃありません!」
「……先生、僕はトイレに行きたいです」「はい、行ってらっしゃい」
……こんなふうに「トイレ」だけよりも、「僕はトイレに行きたい」と、主語と動詞がそろう方が、伝えたいことがよく分かる。(子どものうちからそう指導することで、表現力が高まりますね)
「トイレ」だけでは「僕はトイレに行きたい」か「先生はトイレに行くべき」なのか、さっぱりワカリマセン。ともすると「トイレから変な臭いがする!」かもしれませんし、ねえ。
もちろん多くの作家には、主語を省略するなどして、情報を厳選する方もいます。しかし文章を書きはじめたころこそ、子どものように、正しさを意識して書くようにしましょう!
まとめと次回予告
文章を正しくわかりやすく伝えるこつは「何はなくとも主語・動詞」です。誰が何をしたかが分かるだけでも、最低限の意図は伝わります。
初心者のうちこそ、ここを意識してやってみましょう!
……ここまで言っておいて、主語・動詞のセットが欠けた不完全な文があったらごめんなさい。謝ります。
また、この記事では既に「一文一義」の原則を守っている文だけを取り上げていますが、次回はそうでないもの……「情報」が多すぎる悪文もいくらか取り上げます。言いたいことが多すぎてごちゃごちゃしてしまう人にもいいかも?