生命をいただくということ

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コラム
もう10年位前。

私が生き辛くて、消えてなくなりたくて
でも、しねない自分の情けなさに絶望していた頃。

食欲もなく、あまり食べていなかったけれど、
ふと「何か食べなきゃ」と思い立ち
たまたま頂いて冷蔵庫に入っていた
『しらす』
を食べようと思った。

食欲がないのに、なぜか
ミニ『しらす丼』を作って。
なぜか、食卓のいつもと違う席に座った。

そして、いざ「食べよう」と思って、丼を見下ろしたら

おびただしい数のしらす達 が私を見上げていて
目が合った

全員と目が バチッと合ってしまった!


皆、私を励ますようにこちらを見上げていて、
その瞬間、


「あーーー、
こんなにもたくさんの『生命』をいただくのなら
私は元気にならないとっ!」

と思った。


「食べるということは、いのちをいただくということ」

こんなにもたくさんの生命をいただくのなら、
それをいただく私は、
食べて元気にならなければならない!

と思った。


「そうでないとこの生命たちに申し訳ない・・・」
などという「思考」は一切なくて

ただ、「元気にならないと!」
そう思った。


そして、ぼろぼろ泣きながら
もう 『しらす』 も箸先も見えない位に泣きながら
それでも懸命に食べた。

しらす達のエネルギーが
わたしの中に入っていくのを感じながら

その「生命(いのち)たち」に感謝しながら

ぼろぼろ泣きながら食べた。


あの時の光景、
あの時感じた しらす達のエネルギー
あの体感
あの涙

忘れない。


何年も経った今でも時々思い出しては、
あの感覚が蘇り、涙がこぼれる。


今思えば
あれが私の
「生き直し」の原点
だったのかもしれない。

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