去る2025年7月20日に、第27回参議院選挙が行われ、自民党と、公明党の連立与党が参議院でも過半数を割り込むことになりました。
投票率は前回よりも58.51%で、前回(2022年)よりも6.46%上昇しましたが、それでも投票率60%~70%が当たり前だった、昭和時代に比べればずいぶん低いと言えます。
そこで私は以前反響を頂いた、野党の絶対得票率が上昇した場合のシミュレーションの、第4弾を出そうと思います。
この2025年の参議院選挙の時点では、前年に発覚した裏金問題の影響がまだ残っていました。
また、コメなどの物価高の問題で、政権与党に対する国民の不満が高まっていました。
それなのに、時の野党に投票せず、棄権するのは日本の有権者全体のメンタリティが腐っている、何よりの証拠と言えます!
そこで、本記事では2025年の衆議院選挙で、野党の絶対得票率が●%上昇していた(有権者の100人に●人が、棄権せず野党に投票していた)ら、議席は誰から誰に移るのか?
その上で、投票率が1989年の参議院選挙と同じ、65%台まで(今回の場合は7%)上昇していたら各党の議席はどうなっていたのか?
これらの結果を、シミュレーションという形で示そうと思います。
シミュレーションの手順
ここからは、2025年の衆議院選挙の結果を使ってシミュレーションを行います。
ここでは野党候補の惜敗率が、全45選挙区の中で最も高かった北海道選挙区を例に取りますが、この選挙区では参政党の田中さんが、自民党の岩本さんに8488票差で敗れていました。
<実際の結果・投票率59.69%>
当 高橋はるみ 自民・現 546118
当 勝部 賢志 立憲・現 501081
当 岩本 剛人 自民・現 333558
田中 義人 参政・新 325070
鈴木 雅貴 国民・新 324272
宮内 詩織 共産・新 147880
野村パターソン和孝 れいわ・新 139301
小野寺 秀 保守・新 112076
オカダ美輪子 維新・新 56253
稲原 宗能 みらい・新 33038
後藤 朋子 NHK・新 13144
高杉 保次 諸派・新 7420
当時、北海道の有権者は全部で436万4914人いましたが、この時の選挙で棄権した87300人の有権者が高橋さんと、岩本さん以外の10人にランダムに投票していた(野党の得票率が2%上昇していた)ら、結果は下記のように変わっていました(1票以下の端数は切り上げ)。
<野党の得票率が2%上昇した場合・投票率61.69%>
当 高橋はるみ 自民・現 546118
当 勝部 賢志 立憲・現 509811
当 田中 義人 参政・新 333800(4位→3位に浮上・当選)
岩本 剛人 自民・現 333558(3位→4位に転落・落選)
鈴木 雅貴 国民・新 333002
宮内 詩織 共産・新 156610
野村パターソン和孝 れいわ・新 148031
小野寺 秀 保守・新 120806
オカダ美輪子 維新・新 64983
稲原 宗能 みらい・新 41768
後藤 朋子 NHK・新 21874
高杉 保次 諸派・新 16150
以下、本記事では2025年の参議院選挙で棄権した有権者が、選挙区で自民・公明の連立与党(自民党推薦の無所属も含む)の候補者以外に、ランダムに投票していた場合を例に取ります。
比例では自民・公明の連立与党以外に、ランダムに投票していたと仮定します。
なお、比例の名簿順位は変化しないもの(増加分が全て政党名での得票だった)と仮定します。
野党の絶対得票率が上昇したら、結果はどう変わるのか?
もしこの選挙で、野党の絶対得票率が1%~7%上昇していた(有権者の100人に1人~7人が、棄権せず野党に投票していた)ら、議席は誰から誰に移るのか?
その結果を以下に示します(現・新・元と、選挙区の定数はいずれも当時。以下、敬称略)。
<+1%>
なし
<+2%>
北海道選挙区(3) 岩本 剛人(自民・現)→ 田中 義人(参政・新)
自民39→38、公明8→8、立憲22→22、国民17→17、維新7→7、参政14→15、共産3→3、れいわ3→3、社民1→1、NHK党0→0、保守2→2、チームみらい1→1、無所属8→8、計125
<+3%>
兵庫選挙区(3) 加田 裕之(自民・現)→ 吉平 敏孝(維新・新)
比例区(50) 鈴木 宗男(自民・元)→ 有本 香(保守・新)
自民38→36、公明8→8、立憲22→22、国民17→17、維新7→8、参政15→15、共産3→3、れいわ3→3、社民1→1、NHK党0→0、保守2→3、チームみらい1→1、無所属8→8、計125
<+4%>
福岡選挙区(3) 下野 六太(公明・現)→ 川元 健一(国民・新)
自民36→36、公明8→7、立憲22→22、国民17→18、維新8→8、参政15→15、共産3→3、れいわ3→3、社民1→1、NHK党0→0、保守3→3、チームみらい1→1、無所属8→8、計125
<+5%>
福島選挙区(1) 森 雅子(自民・現)→ 石原洋三郎(立憲・新)
岡山選挙区(1) 小林孝一郎(自民・新)→ 国友 彩葉(立憲・新)
自民36→34、公明7→7、立憲22→24、国民18→18、維新8→8、参政15→15、共産3→3、れいわ3→3、社民1→1、NHK党0→0、保守3→3、チームみらい1→1、無所属8→8、計125(自民党が結党以来の最低議席を更新!)
<+7%>
千葉選挙区(3) 石井 準一(自民・現)→ 中谷 めぐ(参政・新)
比例区(48) 森 ゆうこ(立憲・元)→ 浜田 聡(NHK・現)
NHK党の1人目が、立憲の7人目を追い抜くことによる逆転現象
自民34→33、公明7→7、立憲24→23、国民18→18、維新8→8、参政15→16、共産3→3、れいわ3→3、社民1→1、NHK党0→1、保守3→3、チームみらい1→1、無所属8→8、計125
おわりに
今回は、野党の絶対得票率が7%上昇した場合の結果まで示しましたが、ここまで来ると、自民党と、公明党の連立与党の議席は、どちらも結党以来(公明党の場合は1998年以降)の最低記録を更新することになります。
最終的な議席の変化は、以下の通りです。
自民39→33、選挙区27→22、比例区12→11、計101→95
公明8→7、選挙区4→3、比例区4→4、計21→20
立憲22→23、選挙区15→17、比例区7→6、計38→39
国民17→18、選挙区10→11、比例区7→7、計22→23
維新7→8、選挙区3→4、比例区4→4、計19→20
参政14→16、選挙区7→9、比例区7→7、計15→17
共産3→3、選挙区1→1、比例区2→2、計7→7
れいわ3→3、選挙区0→0、比例区3→3、計6→6
社民1→1、選挙区0→0、比例区1→1、計2→2
NHK党0→1、選挙区0→0、比例区0→1、計1→2
保守2→3、選挙区0→0、比例区2→3、計2→3
みらい1→1、選挙区0→0、比例区1→1、計1→1
無所属8→8、選挙区8→8、比例区なし、計13→13
計125、選挙区75、比例区50
(非改選は自民62、公明13、立憲16、国民5、維新12、参政1、共産4、れいわ3、社民1、NHK党1、保守0、チームみらい0、無所属5、計123)
この選挙では、勝負を分ける32の1人区で与党が14勝、野党が18勝しましたが、野党の絶対得票率が7%上昇すると、さらに2つの1人区で野党が議席を奪うことになります。
自民党の比例区の獲得議席は、これまでの最低だった12議席を下回ることになります。
3人区では4つ全てで野党系がリードして、このうちの千葉選挙区では、自民党の現職2人が共倒れすることになります。
自民・公明の連立与党は、非改選を合わせても過半数に10議席足りないことになります。
一方の国民民主党は1議席を、参政党は2議席をさらに積み増すことになります。
いずれにしろ、野党の絶対得票率が1%上がるだけで、選挙結果や、当選者の顔ぶれが大きく変わるのは明らかと言えます。
だから、この記事を読んだ皆さんは「入れたい所がない!」という理由で棄権せず、選挙に行って欲しいと思います!