「このままでいいのか分からない」
「待遇はいい。でも、なぜか満たされない」
「周りからは羨ましがられる。でも、自分は納得していない」
もし、そんな違和感を抱えているなら、この記事はあなたのためのものです。
私はかつて、多くの人が「絶対に辞めるべきではない」と言う会社を、自分の意思で離れました。
しかも、待遇は間違いなくトップクラス。周囲から見れば“成功”のど真ん中にいました。
それでも、私は辞めました。
講談社を辞めた理由は「たったひとつ」
私は慶應義塾大学に入学しましたが、実は受験で燃え尽きてしまい、その後の人生の目標を見失っていました。
就職活動も「なんとなく楽しそう」という理由で進み、講談社の営業職として入社します。
講談社での5年間は、間違いなく充実していました。
優秀な先輩、刺激的な同期、成果を出す喜び。今でも鮮明に覚えています。
ただ、一つだけどうしても埋まらないものがありました。
「自分は“作り手”ではない」
出版社にいるのに、本を作る側ではない。
営業として結果を出しても、「これでいいのか」という問いが消えませんでした。
やがて、その違和感ははっきりした言葉になります。
「編集者にならなければ、この業界にいる意味がない」
周囲の「もったいない」をすべて無視した決断
そのとき、主婦の友社の編集者採用が発表されました。
私は迷わず受験し、転職を決めました。
当然、周囲は猛反対です。
「何を考えているんだ」
「講談社を辞めるなんてありえない」
「もったいないにもほどがある」
当時の出版業界でも、ほとんど前例がない決断でした。
ですが、私はその声をすべて無視しました。
なぜなら、自分の中で答えが出ていたからです。
「待遇よりも、何をするかのほうが重要だ」
30年後に分かった「本当の価値」
それから30年以上、私は編集者として本を作り続けてきました。
300冊以上の書籍に関わり、多くの読者の人生に触れてきました。
今、断言できます。
あのときの決断は、完全に正しかった。
確かに、講談社に残っていれば、給与の差は1000万円以上では済まない金額です。
でも、それが何だというのでしょうか。
自分が編集した本が誰かの人生を変える。
読者の「ありがとう」が返ってくる。
この充実感は、お金では絶対に手に入りません。
「大手=幸せ」という幻想
大手企業に入れば安心。
待遇が良ければ幸せ。
これは、多くの人が信じている“常識”です。
しかし現実はどうでしょうか。
大手企業には必ず出世競争があります。
そこから外れた瞬間、選択肢はこうなります。
会社にしがみつく
心をすり減らしながら働く
諦めて長い人生を消費する
これは、入社する前には見えません。
そして気づいたときには、簡単に抜け出せない状況になっています。
人生を決めるのは「条件」ではない
私が若い頃に気づけたことは、ひとつです。
「どこで働くか」ではなく、「何をするか」がすべて
どんな仕事でもいい。
大手でも中小でもいい。
重要なのは、その仕事をしたときに
自分が納得できるか
誰かに喜ばれる実感があるか
やりがいを感じられるか
これだけです。
あなたへの問い
今の仕事を、心から「やってよかった」と言えますか?
もし少しでも迷いがあるなら、
それは無視してはいけないサインです。
人生は思っているより長い。
そして、やり直しもききます。
ただし、“納得しないまま続ける時間”だけは、取り戻せません。
最後に
私は講談社を辞めたとき、正直に言って怖かったです。
でも、あの一歩がなければ、今の自分は絶対にありません。
だからこそ、あなたに伝えたい。
「待遇」ではなく「納得感」で選んでください。
その選択が、10年後、20年後のあなたをつくります。