「え、自分でお金出すんですか? それって自費出版でしょ?」
出版の相談を受けていると、こんな言葉を投げられてショックを受けた……という方が後を絶ちません。
「いや、そうじゃないんだけど…」
「自費出版って“自己満足”みたいに言われてイヤだ」
心の中でそうつぶやきながら、説明の難しさにまたため息。
でも、その感情は痛いほどわかります。
実は私自身、電子書籍の制作を丸ごと請け負うサービスを始めた頃、まさに同じ壁にぶつかりました。
私は出版社で30年以上、本づくりに携わってきました。しかし今の出版業界は“紙の商業出版”でデビューするハードルが異常なほど高い。だからこそ、ひとり社長・小規模事業者の方が「自分の存在を知ってもらうための出版」を実現できるよう、プロの編集者・ライター・デザイナーでチームを組み、電子書籍制作を丸受けする事業を始めました。
だからこそ言いたいのです。
「お金を払う=自費出版」という考え方は、もう完全に時代遅れです。
◇ 自費出版と“出版プロデュース”は、まったく別物です
「自分でお金を払って本を出すこと」を十把ひとからげに“自費出版”とするのは誤解です。
● 自費出版とは
・書店で流通しない
・自己満足のための原稿をそのまま製本
・読者に届く仕組みはゼロ
あくまで「私の記念に作りました」という類いのもの。
● 一方、出版プロデュースとは
・プロの編集者が“読まれる企画”に仕立てる
・プロのライターが文章を構築
・書店で流通するレベルのデザインを施す
・読者に届くよう戦略を組む
費用が発生するのは当然で、これを“自費出版”と同列に語るのは完全に誤りです。
現実として、何百万〜1000万円以上のコンサル費をかけて出版社への売り込みを行う出版プロデュース会社は珍しくありません。
時代はすでに“投資して出版する”ことがスタンダードになりつつあるのです。
◇ 出版したい人が絶対に気をつけるべき3つのこと
ここから、私の経験から導いた「出版を本気で考えるなら知っておきたい3つのポイント」をお伝えします。
1|売れるバックボーンがない限り、出版社は振り向かない
残念ですが、どれだけ企画に自信があっても
フォロワー・実績・知名度といった“売れる根拠”がなければ出版社は動きません。
紙の書籍1冊を出すのに、少なくとも400万円ほどのコストがかかります。
昔は「何冊か赤字でも、1冊当たればチャラ」という時代でした。
しかし今は違います。1冊1冊が投資対象。
回収できない可能性のある著者に出版社は手を出せません。
だからこそ、実績ゼロの人が「紙の商業出版でデビューしたい!」と言うのは、正直、相当むずかしいのです。
2|“今の出版業界”を理解し、どの道でデビューするかを決める
出版業界の衰退は厳しい現実です。
紙の商業出版は狭き門。しかし、電子書籍なら話は別。
スピード感も、自由度も、コストも桁違いに低い。
ただし──
プロの手が入っていなければ「ただの素人本」になる危険性が極めて高い。
草野球仲間で試合をするような本は、あなたのブランドを逆に傷つけます。
だからこそ、
・何を目的に出版するのか
・どのルートで出版するのか
・どこまでプロに任せるか
ここを明確にすることが重要です。
3|“出版しただけ”では、何ひとつ始まらない
紙の出版は、とてもシビアです。
「やっと出版できました!」と喜んでSNSに投稿しても、半年後には返品率60%という本も珍しくありません。売れなかった本の著者に二冊目のチャンスは、ほぼ訪れません。
一方で電子書籍には、
・ダウンロード戦略
・SNS導線
・デジタルマーケティング
など、売るための選択肢がいくらでもあります。
出版後に“動き続けられる人”が成功する時代。
出版しただけで満足していては、絶対に結果は出ません。
◇ 結局、動ける人だけが未来を変える
「いつか出版したいんです」
そう言う人は山ほどいます。
でも、その“いつか”が来る人を私はほとんど見たことがありません。
成功する人には共通点があります。
ーー“今やる”と決めて動く人。
あなたが本を出したい理由は何ですか?
何を変えたいのですか?
誰に届けたいのですか?
そして──
あなたはその一歩を、いつ踏み出しますか?