30代のキャリア形成で伝えたかったこと ~セミナーを終えて~

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コラム

今月、30代社員向けにキャリア形成&資産形成のセミナーを実施しました。先日セミナー1日目を終えて一旦記事を書きましたが、今回は一連のセミナーが終了したので、振り返りとして書きたいと思います


 約300名の受講者を5回に分けてハイブリッドで実施しましたので、講義形式とならざるを得ませんでしたが、できるだけ受講者の方がご自分で思考を巡らせることにつながるように、語り掛けることを大事にしました。一番のポイントは「主体的に自分のキャリアを考えてみる気になってもらう」ことでした。

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受講者のみなさんは「キャリア」という言葉にほとんど馴染みが無い様子でしたので(言葉としては知っている程度)、まずはキャリアという言葉が持つ意味合いの共通認識をつくるところから始めました。受講者の方が縁遠く感じないように、キャリアとは「仕事を含むあなたの人生の歩みそのもの」なんですよ~。というような声かけをおこない、ライフキャリアとファイナンシャルプランニングがお互いに影響を及ぼし合って時が進んでゆく、人生を豊かにしてゆくことをイメージしてもらいました。

 そして、不確実性の高い時代において、人生100年生きることが当たり前の時代になりつつあることで、従来型のロールモデルに飲まれるままでは新たな時代への適応が難しくなるということを語りかけ、自律的に自分のキャリアを作ってゆくための資源について提示しました。ここは、資産形成のポイント(時間、投資、積立、果実・・・等)とも重なる部分がありますので、特に伝えたいところでした。まだまだ話の練りこみができる部分なので、今後の他の年代向けのセミナーでも力を入れていきたいと思います。

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 30代におけるキャリア形成の重要ポイントとしては、「役割」の発達と「転機」への備えを重点的にお話ししました。

 会社人として1人前に仕事をしている世代です。すっかり仕事人生が板についている年代と思いますが、一方で家庭を持ったり、地域とのつながりができたり、役割が増えてゆきます。限りある時間を会社のことだけに振り向けることはできませんから、全てを自分だけで背負いこむこともままならなくなってきます。気付いた時には詰んでいた…ということにならないように、自分がどのような役割を負って生きているのか、これからはどうなるのか、について主体的に取り組むことが大事だとお伝えしました。

 「転機」については、人生の正午(ユング)において、何かが終わり、苦悩や混乱を経て新しいことが始まること、人生の様々な要素において転機は起こりうること、そして転機に備え主体的に対処するための資源を考えて持っておくことをお話ししました。今回はもう30代後半に入っている方が対象でしたので、すでに転機を経験したか、転機の真っただ中にいる、ということも十分考えられます。できるだけ受講者のみなさん自身が内省できるように具体例などを提示しながら語り掛けました。とは言え、1人ひとり歩むキャリアは異なります。難しい表情で聴いてくださっている方も多かったですが、伝わったかどうか・・・。今後は何かワークシートを用意するなど、内省を深め思考を耕していただく一つの手段として考えたいと思います。

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 受講後アンケートについては以下のような結果でした。

・キャリアという言葉は知っていた 72%
・キャリアという言葉を詳しく知っていた 4%
・キャリアと言う言葉を知らなかった 24%

・受講してキャリアについて考えてみようと思った 80%
・受講してキャリアについて考えてみようと思わなかった 9%
・わからない 11%

JIL-PTのキャリアに関する調査(2021)を参考にすると、30代のキャリア自律の意向度合いは68%というスコアでしたので、今回のセミナーではある程度キャリア自律への促進が図れたのかと感じています。しかし、2割のキャリア自律に向かわなかったと思われる層については、何らかの対処が必要でしょう。キャリア棚卸しなどを扱う小人数のワークショップに参加を促すなどが考えられます。また、個別サポートが必要な方もいるように思います。どのようにフォローアップをしてゆくか、今後の課題を残しました。

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 今回は、30代のキャリア形成で伝えたかったことについてお話しました。私は会社勤めとの複業でライフキャリアデザインカウンセラーとして個人や世帯の職業生活設計や資産設計のお手伝いを志しております。保持資格としては国家資格キャリアコンサルタントとAFP(日本FP協会会員)をコアスキルとして、これまでの会社生活や人生経験で学んできたことを活かして会社内や地域社会に向けた価値創造につなげてまいります。ご関心を持っていただいた方、ご相談事がある方は、どうぞお声がけください。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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