(1)単語のアクセント
日本語は「高低アクセント」なので、ボソボソしゃべっても聞き取れますが、英語は「強弱アクセント」なので、日本語よりもはるかに強くはっきり発音しないと、理解ができません。実は「発音=音+アクセント」なのですが、東後勝明早稲田大学教育学部教授(元NHKラジオ英会話講師)は「場合によっては、アクセントは音以上に大切だ」として、次のようなエピソードを紹介しています。
それによれば、アメリカの賑やかな食卓で、アクセントの位置を違えて「ポティトウ」と言う代わりに、「ポティトウ」と言うと全く通じなかったのが、今度はアクセントは正しく、子音を違えて「モメィトウ」とやってみると、驚いたことにすぐに分かったことが何度もあったということです。このエピソードから、英語は如何にアクセントに依存しているかが分かりますね。
また、発音記号とアクセントの両方に言えることですが、英語の発音をするための筋肉の動かし方を習得する必要があります。日本人が英語をスムーズにしゃべれない理由は、いわゆる「英語脳」(「英語の論理」を使いこなせる)の欠如に加えて、舌・歯・口・喉などを動かす「英語筋肉」の欠如があると指摘されています。やはり、発音記号とアクセントは実際に何度も口にしてみて、筋トレする必要があるわけです。
(2)句動詞のアクセント
句動詞の場合、動詞に組み合わされた前置詞の方にアクセントが置かれます。次の例で確認しておきましょう。
I want to shut up.(君には黙って欲しい。)
You should put that away somewhere.(それをどこかへしまっておいた方がいいよ。)
I couldn’t get my idea across to him.(どうしても彼に自分の考えを伝えることができなかった。)
上の例だと、shut up, put that away, get my idea acrossとならないように注意する必要があります。
(3)文のアクセント
英語の文章では、個々の単語が同じ強さで発音されるわけではありません。例えば、I went to the hall yesterday.という文章の場合、特に条件を付けなければ、強く発音される語はwent, hall, yesterdayの3語で、その次に強く発音されるのはIです。toとtheは弱く発音されます。一般的に冠詞、前置詞、人称代名詞、不定代名詞、関係代名詞、関係副詞、助動詞、接続詞といった品詞の発音に、強勢が置かれることは少ないと言えます。しかし、文アクセントは固定的なものではなく、対話は話し手と聞き手の心のやりとりなので、重要な単語は自然と強く発音するされるようになります。したがって、あまり気にすることはないとも言えますが、日本語の場合は個々の単語が均一の強さで発音される傾向があるので、英語を話す時には意識的に強弱をつけた方がよいでしょう。
次の例で、文のアクセントについて確認しておきましょう。
I love you.(愛しているよ。)
I love you.(愛しているのは君なんだ。)
I love you.(君を愛しているのは他の人ではなく、僕なんだ。)
(4)文尾の調子(tone「トォウン」)
①文尾が下降調=平叙文、命令文、感嘆文、疑問詞で始まる疑問文。ただし、疑問詞で始まる疑問文の文尾が上昇調になることもあり、例えば、What's this?というような場合、上昇調で言うことも少なくありません。
②文尾が上昇調=yesかnoの答えを求める疑問文、依頼・勧誘の文、断定的でない口調の平叙文、呼びかけの語の後。ただし、yesかnoの答えを求める疑問文の場合、純粋の疑問ではなく、確認する気持ちが強い時は文尾が下降調になります。また、英語では文尾に相手の名前を添えることが多く、親しみを込めて上昇調で言いますが、小言を言う前の呼びかけでは下降調になります。例えば、「ジョン、言いたいことがある」ときつい調子で言う場合には、I have a talk with you, John.(下降調)のようになるわけです。
③選択疑問文の場合=Which do you like better, tea(上昇調)or coffee(下降調)?
④付加疑問文の場合=質問の気持ちが強い時は文尾が上昇調になり、肯定の答えを期待している時は文尾が下降調になります。