(1)母音(vowls「ヴァウアルズ」
母音とは日本語で言えば「ア・イ・ウ・エ・オ」に相当するものです。子音とはカ行(k音)・サ行(s音)・タ行(t音)・ナ行(n音)・ハ行(h音)・マ行(m音)・ヤ行(y音)・ラ行(r音)・ワ行(w音)に相当するものです。例えば、アクセント(強く発音すること)は必ず母音に置かれ、子音に来ることはありません。
英語の母音の中には日本語でそのまま発音できるものと、日本語に無いものとがあります。特に後者は自然には発音できないということですから、意識的な努力が必要になってくるということです。まず、日本語に無い母音の発音上の特徴をしっかり押さえましょう。
①/æ/「ェア」=「ア」と「エ」の中間の音で、「ア」の口の形であごを下げて「エ」と発音します。日本語に無い発音ですから、意識しないと発音できません。bad/bæd/「バッド(悪い)」とbed/bed/「ベッド(ベッド)」の2つを発音して比較してみましょう。この/æ/はアメリカ人が多く使う音で、イギリス人にとっては[a]の音でいいと一般的に言われている音です。だから、
can'tはアメリカ人は/kænt/「キャント」ですが、イギリス人は/ka:nt/「カーント」と発音します。
例:animal/æniml/「アニムル(動物)」、apple/æpl/「アプル(リンゴ)」、bat/bæt/「バット(野球のバット、こうもり)」、cat/kæt/「キャット(ネコ)」
②/ə/「ァ」=「あいまいな母音」で、この音の上にはアクセントは来ません。2番目の音節(音のかたまり)にアクセントを置いて、弱く短く「ア」と発音するのがポイントです。
例:about/əbaut/「ァバウト(約~、~について)」、alone/əloun/「ァロゥン(1人で)」、America/əmerikə/「ァメリカ(アメリカ)」、capacity/kəpæsəti/「ヵパサティ(収容能力)」
③/ə:r/=口を少し開けて、「アー」と「オー」の中間のようなこもった音を出します。口を少し開けて、舌先を後ろに丸めるようにして「アー」と発音してみましょう。この発音ができればネイティブに一歩近づくと言われます。
例:bird/bə:rd/「バード(鳥)」、girl/gə:rl/「ガール(少女)」、
word/wə:rd/「ワード(単語)」、world/wə:rld/「ワールド(世界)」
④/a//ɔ/=アメリカでは/a/「ア」(あくびをする時のように、日本語の「ア」よりも口を大きく開けます)、イギリスで /ɔ/「オ」(唇を少し丸めて「オ」と言います)の音。例えば、hotがイギリスでは/hɔt/「ホット」、アメリカでは/hat/「ハット」となるわけで、日本人にはイギリス英語の方がなじみやすく、アメリカ英語の方がカッコよく聞こえるというのはありますね。
/ɔ/「オ」を伸ばせば長母音/ɔ:/「オー」となりますが、二重母音/ou/「オゥ」と混同しないように気をつけましょう。例えば、bought/bɔ:t/「ボート(buyの過去形・過去分詞形)」とboat/bout/「ボゥト(ボート)」、
hall/hɔ:l/「ホール(玄関)」とhole/houl/「ホゥル(穴)」、law/lɔ:/「ロー(法律)」とlow/lou/「ロゥ(低い)」の違いです。
例:body/ba(ɔ)di/「バディ/ボディ(体)」、doctor/da(ɔ)ktər/「ダクター/ドクター(医者)」、honest/a(ɔ)nisti/「アニスティ/オニスティ(正直)」
⑤/a://a:r/「アー」=/a:/は口を大きく開けて「アー」と言い、/a:r/は「アー」と言いながら、舌先を少し丸める感じになります。/ə:r/は口を少し開いて舌先を丸め、唇と舌に力を入れながら「アー」と発音し、/a:r/は口を大きく開けて「アー」と言いながら、舌先を少し巻いて発音しますので、
hurt/hə:rt/「ハート(傷つける)」とheart/ha:rt/「ハート(心)」の2つを、実際に発音して比較してみましょう。
例:almond/a:mənd/「アーモンド(アーモンド)」、art/a:rt/「アート(芸術)」、dark/da:rk/「ダーク(暗い)」
⑥/ʌ/「ア」=日本語の「アッ」はこれです。口を余り開けないで、短く吐き出すように「ア」と言います。「アッ、そうだ!」という時の「アッ」の感じですね。「アッ」と短くつまったように言うと/ʌ/の発音で、あくびをする時のように大きく口を開けて「ア」言うと/a/の発音になりますので、
luck/ʌlk/「ラック(運)」とlock/lak/「ラック(カギをかける)」を発音して比較してみましょう。
例:come/kʌm/「カム(来る)」、cup/kʌp/「カップ(コップ)」、
sun/sʌn/「サン(太陽)」
ところで、日本語化している発音にも注意しておきましょう。例えばfromは「フロム」ではなくて/frʌm/「フラム」、frontは「フロント」ではなくて
/frʌnt/「フラント」です。ovenは「オーブン」ではなくて/ʌvn/「アブン」であり、いわゆる「電子レンジ」はelectric oven/ilektrik ʌvn/「イレクトリック・アブン」、あるいはmicrowave oven /maikrəweiv ʌvn/「マイクロウェイブ・アブン」と表現されます。また、野球のグローブはgloveですが、発音は「グローブ」ではなくて、/glʌv/「グラブ」です。
⑦/i/「イ」=唇を左右に引いた「エ」の口の形で、「イ」と短く歯切れよく発音しましょう。ちなみにimageは「イメージ」ではなくて、/imid/「イミッジ(印象)」です。
例:big/big/「ビッグ(大きい)」、hit/hit/「ヒット(打つ)」、win/win/「ウィン(勝つ)」
⑧/i:/「イー」=日本語の「イー」よりも唇を左右に思いっきり引いて、「イー」と強く発音しましょう。短母音の[i]を単に長くしたものではなく、写真を撮る時の「Cheeze!(チーズ!)」といった感じです。ちなみにteamは「チーム」ではなくて、/ti:m/「ティーム(チーム)」です。
例:eat/i:t/「イート(食べる)」、feel/fi:l/「フィール(感じる)」、see
/si:/「スィー(見る)」
⑨/u/「ウ」=日本語の「ウ」ですが、唇を丸めて口をとがらせるつもりで発音しましょう。そのまま伸ばせば/u:/「ウー」となります。さらに「ユー」と伸ばしながら唇を丸め、強く「ウ」の音を出すと/ju:/「ユー」になります。例えば、スタジオはstudioですが、発音は「スタジオ」ではなく、/stju:diou/「ステューディオウ」となります。
例:book/buk/「ブック(本)」、cook/kuk/「クック(料理する)」、
foot/fut/「フット(足)」、 good/gud/「グッド(良い)」、pool/pu:l/「プール(プール)」
⑩/e/「エ」=日本語の「エ」ですが、つまったような感じではっきり「エッ」と発音するとよいでしょう。
例: bed/bed/「ベッド(ベッド)」、elevator/eləvaitər/「エレァヴェイタァ(エレベーター)」、red/red/「レッド(赤い)」
こうして見ると、母音のポイントは「ア(オ)音」にあることが分かりますね。日本語に近いイ音・ウ音・エ音も、その特徴を押さえるとさらに英語らしくなります。記号的にもアルファベットでないものが出てくるのは「ア(オ)音」ですから、これらをしっかり押さえておけばよいということになります。
(2)二重母音(diphthongs「ディフソングス」)
二重母音とは2つの母音が重なるように続く母音のことです。基本的に先の母音の方に重点が置かれ、後の母音は付け足しのように発音されます。
①/ai/「アイ」=日本語の「ア」よりも口を大きく開けて強く「ア」と言い、「ィ」を弱く添えて「アィ」と発音します。ちなみに「ウイルス」はvirusですが、発音は「ウイルス」ではなく、/vaiərəs/「ヴァイアラス」です。
例:ice/ais/「アィス(氷)」、island/ailənd/「アィランド(島)」、
kite/kait/「カィト(空に上げるたこ)」
②/au/「アウ」=日本語の「ア」よりも口を大きく開けて強く「ア」と言い、軽く「ゥ」を添えて発音します。
例:around/əraund/「ァラゥンド(~の周りに)」、ground/graund/「グラゥンド(地面)」、sound/saund/「サゥンド(音)」
③/ei/「エィ」=「エ」と強く言い、「ィ」を弱く添えるように発音します。例えば、nameの発音は「ネーム」ではなく、「ネィム」となります。
例:break/breik/「ブレィク(~を壊す)」、eight/eit/「エィト(8)」、
same/seim/「セィム(同じ)」、train/trein/「トレィン(列車)」
④/ɔi/「オィ」=「オ」を強く、「ィ」を弱く添えて発音します。
例:boy/bɔi/「ボィ(少年)」、soy/sɔi/「ソィ(大豆)」、soil/sɔil/「ソィル(土)」
⑤/ou/「オゥ」=日本語の「オ」よりも唇を丸めて「オ」と強く言い、唇をすぼめながら「ゥ」を軽く添えて「オゥ」と発音します。例えば、bank loanは「バンク・ローン」ではなくて/bæŋk loun/「バンク・ロゥン(銀行ローン)」、goalは「ゴール」ではなくて/goul/「ゴゥル(ゴール)」です。
例:old/ould/「オゥルド(古い)」、only/ounli/「オゥンリィ」、
open/oupn/「オゥプン(~を開ける)」
⑥/iər/「イァ」=「イ」とはっきり発音し、なめらかに「ァ」と軽く続けて、「イァ」と発音します。「ァ」を添える時に舌先を少し丸めると英語らしくなります。
例:beer/biə/「ビァ(ビール)」、dear/diər/「ディァ(親愛な)」、
hear/hiər/「ヒァ(~が聞こえる)」
⑦/uər/「ウァ」=唇を突き出して強く「ウ」と言い、軽く「ァ」を添えて発音します。「ァ」を添える時に舌先を少し丸めると英語らしくなります。
例:poor/puər/「プァ(貧しい)」、sure/∫uər/「シュァ(確信して)」、
tour/tuər/「トゥァ(旅行)」
⑧/eər/「エァ」=つまったような感じで「エ」と強くはっきり言ってから、軽く「ァ」を添えて「エァ」と発音します。「ァ」を添える時に舌先を少し丸めると英語らしくなります。
例:air/eər/「エァ(空気)」、share/∫eər/「シェァ(~を分ける)」、
wear/weər/「ウェァ(~を着ている)」