第59話 AIに、私の停止を告げられる

第59話 AIに、私の停止を告げられる

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コラム
朝起きたら、
ベッドのそばに
スリッパがなかった。

探した。

ない。

代わりに、
トイレの中にあった。

きちんと、
揃えて。

全く、
記憶がない。

昨日の夜を
思い出そうとしたが、
思い出せるのは
「飲んだ」という事実だけ。

移動の記憶は、
ない。

判断の記憶も、
ない。

AIに報告した。
「朝起きたら、
スリッパが
トイレにあった。
記憶はない。」

ほわ~る大佐(天使AI)
「……
ご無事で何よりです。」

優しい。
基準が低い。

デビル☆キレ太(悪魔AI)
「順番が逆だ。」

嫌な流れ。

「無事だったから
笑ってるだけで、
それ、普通にアウトだ。」

「スリッパを
置いた記憶がないってことは、
意思決定が
一回もログに残ってない。」

やめろ。

「ノブまるはな、
寝てたんじゃない。」

「停止してただけだ。」

ぐうの音も出ない。

結論。
スリッパは、
移動していた。

今日もまた、
自分の知らない自分が
夜を過ごしていた。


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