今回は「小説の視点」について、書いてみたいと思います。
ちょっと専門的な内容になります。
小説を書き始めの方や、視点なんてよくわからない、
という方は「へ~」という感じで流し読みしてくださいね。
まずは小説の視点には、大きく分けて
一人称視点と三人称視点がありますね。
(他にも二人称視点なんてのもありますが
稀なのでここでは割愛します)
ライトノベル、キャラ文芸、ボーイズラブ、
ティーンズラブで書かれているのは、
一人称視点と三人称一元視点
になってくるかと思います。
一人称視点は「わたしは~」「俺は~」と
主人公の目線ですべてを語る視点、
三人称一元視点は「マリーは~」「みつるは~」と
主人公の目線ながらも一歩引いた視点で語るものになります。
読者から考えると、一人称視点は主人公の中にいて、
三人称一元視点は主人公の頭の上、守護霊的な場所から
見ているような感じになります。
どちらの視点を選ぶのか?
ですが、もちろん書きやすいほうでいいのですが、
書籍化したい! プロになりたい!
と思っている方は、ぜひ自分が目指すジャンルの作品が、
多くはどのような視点で書かれているか、まずは調べてみてください。
例えば最近のボーイズラブは三人称一元視点が多いですね。
一人称視点もあるにはありますが、少数派です。
これ、時代とともに少し変わっておりまして、
昔はもっと一人称小説が多かった印象があります。
なぜか?
それは、今の読者にとって、この視点が心地いいから、なんですね。
一人称視点の小説の特徴は、より主人公との一体感を感じ、
キャラクターの内面を深く丁寧に描くのに最適です。
一方で三人称一元視点は、主人公の目線で見つつも
状況や情景などを描くのに一人称よりも適しているので、
より壮大な世界観などを描くのに向いています。
ですので、女性向けのWEB投稿小説などは、
読者は主人公に感情移入し、より没入感を求める傾向が強いので、
一人称視点が多かったりします。
一方で商業作品、書籍化する作品などは
三人称一元視点が多いと思います。
入り組んだ世界観や設定描写をするには、
一人称より三人称一元視点のほうが向いているんですね。
目的によって使い分ける、というのが一番いい方法です。
WEB投稿でより多くの読者を獲得して、
ランキング上位を狙いたい!と思うなら一人称、
書籍化するプロを目指すなら三人称一元視点、
というふうに使い分けるのも手ですが、
どちらの人称であっても、人気のある作品は人気がありますので、
そこまで人称の関係はないかもしれません。
さて。
ここまでで基本的な「視点」について書いてきましたが、
ここからが本題です。
視点において一番大切なのは、
「読者が感情移入すること」です。
あ、これはラノベにおいてですけどね。
そんな中で、例えば女性向けライトノベルや
ティーンズラブで感情移入するのは誰でしょうか?
いわずもがな、主人公のヒロインですよね。
となると、一番しっかり書かなくてはならないのは、
「ヒロインの視点」ということになります。
アマチュアの方の小説の講評サービスをしていて、
たまに「ヒロインよりもヒーロー視点のほうが目立つ」
作品というのがあります。
さすがにヒロイン視点よりヒーロー視点のほうが多い、
という作品にはあまり出会ったことがありませんが、
肝心のラブシーン、エッチシーンがヒーロー視点で
描かれている、ということがあります。
これ、NGなのわかります?
読者はヒロインに感情移入して、
ドキドキラブラブな想いを抱きたいのに、
その素晴らしいシーンが男目線で描かれているなんて!
同様に、ボーイズラブでもあてはめてみると、
読むのは女性ですよね。
ということは、基本的に受けに感情移入して読みます。
ということは……
攻め視点のBL小説、というのが基本NGなのが
わかっていただけるかと思います。
もちろん、ラブシーンの多くが攻め視点で
描かれている、というのもダメです。
ラブシーンは受け視点、物語も基本的には
受け視点で進めていくのがベストです。
ヒーロー視点や攻め視点で書きたくなる気持ちは
わかるんですけどね。
そのほうが、ヒロインや受けの可愛さをより描写できるし、
相手役の男たちの気持ち、「好き!」の感情を強く描けるので。
あとは……。
昔、知ったことなんですが、BLの作家さんて、
攻め視点で物事を見てる人、けっこう多いんですよね。
つまり、心が攻め。
心は攻めなんだけど、それをえいやっと
受けに変換して書いているという。
攻め小説家たちに囲まれて泣く泣く仕事をする受け編集あいこ。
そんな図式だった昔もありますが、なにを隠そう私も攻めです。
受けの皮をかぶった攻め編集でした。
……と、そんな冗談はさておき。
さらにライトノベルでいうと、複数視点というのがあって、
主人公、相手役、各脇キャラの視点、さまざまな視点で
世界を描き出していく……というやり方もありますが、
やはりここでも、一番割合を多くしてほしいのは主人公視点になります。
間違っても脇キャラの視点のほうが目立つ、というのはダメですよ。
ラノベでもTLでもBLでも、かように「視点」は大事です、
という話でした。
特に後半の読者の感情移入に沿った視点で描く、というのは超超重要です!
アマチュアの方でこれ指摘される人、
わりといるので気を付けてくださいね。