セブ島は今日も穏やかな風が吹いています。 近所のマーケットで買った完熟マンゴーを食べながら、色鮮やかなパッケージを眺めるのが最近の日課です。
「日本っぽい」という最強のブランディング
フィリピンの町中を歩いていると、面白い光景に出会います。
その名も「HANABISHI(ハナビシ)」や「FUJIDENZO(フジデンゾー)」。
※うちにある電子レンジは三菱でなく「HANABISHI」ロゴもなんとなく。。。
※飲食店のドリンク用の冷蔵庫は富士山と桜デザインのFUJIDENZOが定番
名前だけ聞くと「あれ?日本の老舗メーカーかな?」と思ってしまいますよね。 でも、実はこれらはフィリピンのローカルブランドなんです。
これ、ブランディングの視点で見ると、すごく理にかなった戦略なんです。
フィリピンにおいて「日本ブランド」は、圧倒的な「信頼」と「高品質」の象徴。 あえて日本風の名前(ネーミング)にすることで、ゼロから信頼を築く時間をショートカットしているわけです。
身近なところに溢れている日本風
電化製品以外にも、日本風の名前を持つ商品が身近にあります。
スナック菓子の定番ブランド「Oishi(おいしい)」もそのひとつ。
フィリピンでは知らない人がいないほど人気で、現地の方の中には「日本の会社でしょ?」と思っている人も結構います。
でも実際には、これはフィリピン発のローカルブランドなんです。
実際に美味しいので、私も子どもとお菓子を選ぶときに「Oishiのやつだから間違いないね」と選びます。
名前が与える印象がここまで浸透しているのは、まさにブランディングの成功例だと思います。
※「おいしい」という日本語が、「高品質」を意味する記号として成立しているのがわかります。
視覚情報の「既視感」を味方につける
以前、私が看板屋やグラフィックデザイン事務所にいた頃、よく「とにかく目立たせてくれ!」と頼まれました。 でも、長年の経験から言うと、ただ派手なだけでは人は動きません。大切なのは「安心感」なんです。
「どこかで見たことがある安心感」をデザインに落とし込むことで、消費者の心のハードルを下げているんですね。
「それってパクリじゃないの?」なんて野暮なことは言いません。 彼らは自国のユーザーが何を求めているかを徹底的に考え抜いた結果、この「日本ブランド風」という戦略に辿り着いた。これもある種のブランディングの正解なんです。
「提案力」と「ブランディング」
デザインが「おしゃれ」なだけでは売れません。まずはターゲットに響く「ブランディング(戦略)」があり、それを形にするために「デザイン」という手段がある。この順序を間違えないことが、サービスの価値を正しく世の中に届ける上で何より重要です。
これからの時代、AIが瞬時にきれいな画像を作るようになります。(もうなっているのかな)そんな中で、私たちデザイナーがどう生き残っていくか。私は、やっぱり最後は「提案力」と「ブランディング」に集約されると思うんです。
単に見栄えを整えるのではなく、依頼者さまの意図を深く読み取り、企業やサービスの「本質」をどう視覚化するか。「なぜその色なのか」「なぜその名前なのか」という売れるための道筋を立て、戦略から提案すること。
もちろん、今や戦略の組み立てやデータ分析はAIが得意とする分野です。これからはAIを賢く活用し、共同作業で戦略の精度を極限まで高めていく。その上で、依頼者さまの意図を深く読み取り、企業やサービスの「本質」をどう視覚化するか。売れるための道筋を、AIの客観性と人間の感性を融合させて提案する。
このようにテクノロジーとの共存を通じて、最終的に人間が「納得感のある最適解」を導き出すこと。それこそが、私たちが「デザイナーとして生き残り、本当の意味での価値を示し続けていくための唯一の道」なのではないかと思います。
まとめ
「ブランディング」や「デザイン」は、作り手の自己満足ではなく、「受け取った人がどう感じるか」が全てだと思っています。
看板一つ作るにしても、WEBサイトを作るにしても、そのターゲットが「これなら安心だ」と思える記号をプロの視点で散りばめる。 フィリピンの家電ブランドから、改めてそんな「ブランディングの本質」を教わった気がします。
私もココナラではまだ実績を積み上げている最中の一人。 20年のキャリアという看板に甘んじず、皆さまと同じ目線で、一番安心できる「見せ方」を提案していきたいと思っています。