こんにちは。
脱公務員キャリアコンサルタントのしーもです。
今年の9月、あるセミナーに参加して、
著名なカウンセラーの先生の公開カウンセリングを拝見する機会がありました。
セミナーの主催は一般財団法人ACCN(オールキャリアコンサルタントネットワーク)です。
公開カウンセリングで実演
古宮 昇先生という著名な先生の生のカウンセリングを拝見できるとあって、オンラインイベントで180人くらいが参加していたと思います。
事務局からお一人相談者として選ばれた方が実際の自分のキャリアに関する相談をする~という流れで始まりました。(台本なしの完全リアルです)
細かい相談内容は伏せますが、ざっくり言うと、
40代後半で、今後のキャリア形成について漠然とした不安を抱えている。
今の仕事は好きだしそれを続けるのか、それとも違う道を選択するのか?
何か違うことにチャレンジしてみたいという気持ちも強いが…何をどうしたらいいのか…
というような相談で、時間は30分という設定でのカウンセリングでした。
ACCNはキャリアコンサルタントの団体なので、参加者はみなキャリアコンサルタントだったと思いますが、恐らく見ていた人の多くは違和感があったのではないでしょうか。
自分たちのやっているキャリアカウンセリング(コンサルティング)と全然違う…と。
少なくとも私はそう感じました。
ほとんど質問をしない
30分のカウンセリングの間、古宮先生はほとんど質問をされないんです。
ただ、相槌を打って頷きながらじっくりと話を聴き、相談者が語ったことを短く伝え返す
シンプルに言うとただそれだけ。(本当はもっと奥深いプロの技がたくさん含まれているんですが、"表面的には"という意味です)
なのに、話はどこまでも続いていくし、自然と相談者の気持ちや考えが整理され、内省が深まっていく…
終わった後の、相談者の方のコメントでも、
「色々質問してもらえると思っていたけど、全然それが無く、だけど段々話していく内に”話す”ってこういうことなのか、と感じるようになっていった」
と仰っていました。
質疑時間でも、参加者の一人から、
「聴いてみたくなったことがいくつも頭に浮かんだ。例えば、相談者が何か違う事もしてみたい、と口にしていたので、自分だったらどんなことをしてみたいですか?とか、質問して深掘りするが、先生はあえてされていないのでしょうか?」
というような質問が出ていました。
先生からは、
「私は目の前の問題をどう解決しようか、という風には見ておらず、それよりも相談者の無意識についていくことで自然と相談者の無意識レベルが変化していくことを目指している」
というようなコメントがありました。(ここだけ読んでも何を言ってるのかさっぱりわからないと思いますが…)
伝え返しも必要最小限
短い、とても短いけど、大事な部分をしっかり伝え返しておられました。
事実ではなく、気持ちの部分がやはり大事だと再認識しました。
伝え返しは短く、感情をというのは、先日別の記事でもご紹介したとおりです。↓↓↓
そして、言い回しというのか、それも絶妙でした。
〇〇なんですね…
という、このキャリコン定番の伝え返しの言い方はせず、とても絶妙な言い方でコメントされるので、相談者はついつい続きを話してしまう、という感じでしょうか。
カウンセリングの原点を見た
カウンセリングの創始者とも言われるカール・ロジャーズが提唱した「実現傾向」のもとになった少年時代のエピソード、
暗い地下室に置かれたジャガイモが窓からほんのわずかに漏れる光に向かって芽を伸ばしている姿を見て印象に残ったという話。
つまり、生命には、自然と自己を成長させようとする力があり、
ジャガイモと同じく人間だって、どんなに暗くて孤独な場所にいても、自己成長の力はあるとする考え方ですね。
なので、カウンセラーがあれこれ手助けしたり導くのではなく、相談者自ら気づき、解決する力を発揮できるようにしていく、ということが大切ということ。
まさしく、そうしたカウンセリングの原点を見たような気がします。
とても貴重な経験をさせていただきました。