公務員を襲うカスハラの現実 〜世間のイメージほど楽ではない公務員の辛さ〜

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脱公務員キャリアコンサルタントのしーもです。

今回は、先日総務省が発表した最新の調査結果をもとに、**公務員に対するカスタマーハラスメント(カスハラ)**の現状について考えてみたいと思います。

■民間の3倍超。公務員を取り巻く異常なカスハラ率

総務省が2025年4月に発表した地方自治体における各種ハラスメント調査(報道資料はこちら)によると、カスハラを「受けたことがある」と回答した公務員は、全体の**約35%に上るとのこと。

これだけでも驚くべき数字ですが、さらに衝撃だったのは、2023年に厚労省が行った民間企業に対する類似調査でのカスハラ経験者が10.8%**だったという点です。

単純比較はできないものの、公務員は民間の3倍以上の頻度でカスハラを経験しているということは間違いではなさそうです。

これは決して軽視できる話ではありません。

■不満のはけ口、嫌がらせが最多⁈

しかも、カスハラのきっかけとなった理由で多かったのが、
行政サービスの利用者・取引先の不満のはけ口・嫌がらせ:72.5%
行政サービスの利用者・取引先の誤認等が一因:57.1%
職員の対応が一因(業務上のミス):17.5%
(※複数回答可のため100%にはなりません。)

という結果で、職員が何かミスをしたことによって、過度なクレーム・カスハラに発展しているというものが多数ある訳ではなく、むしろ、単なる不満のはけ口として行われていたり、利用者側(多くは市民や事業者)が制度をよく理解しないままに無理難題を言っているようなケースが発展したもの、という実態が明らかになりました。

本来なら責められたり、文句を言われる筋合いの無いことで、カスハラを受けて、それにも真摯に向き合わなければいけない公務員の苦悩が改めて見えてきたのではないかと思います。

■なぜ向き合わないといけない文化なのか?

それは、相手(市民)に対して、そう簡単に対応を打ち切ったり、出禁にはできないからです。

ほとんどの民間企業の場合、顧客との接点はサービスや商品だけなので、関係性がシンプルな分、関係を断ちやすいです。

ですが、役所は違います。

相手(市民・住民)がそこに住んでいる以上、そう簡単に関係を断つことはできません。

住民票、戸籍、税、健康保険、年金と、様々なところで関わってきます。

ある窓口で何かあったからと言ってその人自身を役所に出入り禁止になんて出来っこありません。

これが、暗に市民にはどこまでも向き合うのだとする見えない圧力を生み出していると言えるかもしれません。

ともかく、相手が市民、住民という場合には、役所の風土・文化として真摯に向き合いなさいというのが多くの自治体のスタンダードなのです。

もちろん普段の業務においてはそうあるべきですが、、問題はどんな相手にもそのマインドで頑張っている、その頑張りは職員個人の頑張りにかなり依存しているというのが実態です。

こんな調査結果が出たくらいですから、いい加減向き合うのも「相手による」、ということにしていかないと、公務員にも未来は無さそうですけども・・・。

■“真面目でおとなしい”というイメージが仇に?

こういった背景には、世間の持つ「公務員」のイメージが影響しているようにも感じます。

真面目でおとなしい
言い返さない

サービス業の延長としての“公僕”意識
自分(住民)たちの税金で生活している

これらは、全てなにも間違ってはいないんですが、
だからと言って、何を言ってもしてもいいという話ではありません。

コンビニや飲食店などでのカスハラも時折ニュースになったりしていますし、「お客様は神様」という言葉の意味を履き違えて、客の方が立場が上と信じて疑わずに間違った態度で接している人も少なからずいますね。

公務員に対しても、「公務員は、市民の言う事をなんでも聞くのが当たり前」と信じて疑わない人も少なからずいらっしゃるのも現実です。

そういった意識がエスカレートした結果、
本来役所には関係の無い民事のもめ事や、役所ではどうにもならない困りごとを、何とかしてくれ、と駆け込み寺のように持ち込んで来られます。

対応が出来ない旨を丁寧に説明すると、
市民が困っているんだから何とかするのがお前らの仕事だろ!上司を出せ!市長に言うぞ!
とカスハラに発展するケースも…⤵

■「安定していて羨ましい」は、表面だけの話

私も、公務員時代には、窓口や電話で理不尽な怒鳴られ方をしたことは何度もあります。

「どんだけ税金払ろてる思てんねん!」
「お前の名前、覚えとくからな」
「アホかっ!」

そうした言葉にさらされながらも、冷静に、丁寧に対応するしかないというのが公務員の実情です。

「おい、お前!」と言われるのもしょっちゅうです。

政府や国会議員になにか不祥事があったら、
お前ら公務員がしっかりしないから、この国はダメなんだ!
と謎のお叱りを受けたことも…
(そんな議員選んだのは誰だよ…⤵)

ここでは書けないような無茶苦茶な暴言を浴びせられたことも、窓口業務を経験したことのある人なら、少なからず経験したことがあるでしょう。

「公務員は楽そう」
「給料は安定しているし、休みも多い」

そんな世間のイメージとは裏腹に、実際には精神的なストレスと無力感にさらされる職種でもあるということが、この調査からも明確になったと言えるでしょう。

■公務員こそ、メンタルケアとキャリアの見直しが必要

こうしたカスハラの被害が続けば、やりがいや責任感のある職員ほど心が折れてしまいます。

事実、どこの自治体でもメンタルダウンで休職したり、せっかく公務員になっても早々と転職してしまったり、という事例が後を絶ちません。

そうでなくてもキャリア意識を持ちにくい業界にいるのに、理不尽なカスハラに晒され続けたら、無理もないでしょう。

だからこそ、
公務員こそ、自分自身のキャリアや価値観と丁寧に向き合い、少々のことでは折れたりグラつかない自分の軸(芯)を持っておく必要があると思います。

とはいえ、まだまだカスハラの対応はそう簡単には無くなりそうにもないですから、自分を守る術を持っておくのも大切かもしれませんね。

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