筋肥大トレーニングの推奨事項

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最も効率よく筋肥大するための「重量・回数」「セット数」「トレーニング頻度」「トレーニング種目」「強度」について、「IUSCA(International Universities Strength and Conditioning Association)」の発表を基に解説いたします。
今回の解説の前提としてトレーニングボリュームを把握してきましょう。トレーニングボリュームとは「重量」×「回数」×「セット数」の値です。
例えばレッグプレス100kgを10回3セット行った時のトレーニングボリュームは3000kgとなります。
順調に筋肥大させていくためには週当たりのトレーニングボリュームを適切に増加させていくことが重要ですが、急激に増加させてしまうと怪我やオーバーワーク(過労、やりすぎ)のリスクが高まるため注意しましょう。
・重量と回数設定
筋力トレーニングは1~30回以上のどの回数でも、限界近くまで反復すれば筋肥大効果は得られるとされています。ただし低重量高回数、高重量低回数のトレーニングはそれぞれメリットも大きいものの、デメリットもそれ以上に大きくなる可能性があります。(高回数は心肺機能への負担が大きく非常にきつい、高重量はトレーニングボリュームを増加させにくいなど)
そのため、取り組んでいる競技の特性上などの特別な理由がなければ、6~12回程度反復できる「中重量中回数」が推奨されています。
その中で、種目ごと、あるいは週ごとに重量・回数設定を変化させることが最も効率が良い方法と言えるでしょう。ベンチプレスなどの複合関節運動は6回狙い、アームカールなどの単関節運動は12回狙い、月初から月末にかけて徐々に重量を増やし回数を減らすなど、多様で計画的な重量・回数設定を行いましょう。
・セット数
1週間当たり1つの筋肉に対して10セットのトレーニングを行うことが推奨されています。大胸筋の筋肥大を目的とするのであれば、月曜日と金曜日にそれぞれベンチプレスを3セット、ダンベルフライを2セットずつ行う、といった具合です。
トレーニング初級者の場合はもっと少ないセット数でも筋肉が発達する可能性があり、上級者になると10セットでは足りない可能性が高くなります。
定期的に筋肉量や腕周りなどの周径囲を測定するなどして、発達が停滞している場合は徐々にセット数を増やすと良いでしょう。
・頻度
週当たりのセット数やトレーニングボリュームが同じであれば、トレーニング頻度によって筋肥大効果に変化はない、あるいは変化はあったとしても大きくは変わらないと考えて良いでしょう。
ベンチプレスを例にすると、「週に1日だけ6セット実施」と「週に2回3セットずつ」と「週に3回2セットずつ」ではほぼ同じ効果を得られると考えられます。
ただし、1日の中で同じトレーニングを10セット以上行うと、後半のセットでは疲労が溜まり重量や回数が減少してしまいトレーニングボリュームが低下します。
ひとつの部位に対して週当たり10セット以上行う場合は、2〜3日に分けて行う方が効率よくトレーニングボリュームを増加させていくことができます。
・インターバル
セット間の休憩時間をインターバルと言います。インターバルをどの程度必要とするかはその種目によって変化します。
スクワットやベンチプレス 、懸垂などの複合関節運動は一度に多くの筋肉を働かせて行うため大量のエネルギーが必要となり心拍数も大きく増加します。そのため2分以上はインターバルを取るようにしましょう。
一方、サイドレイズやアームカールなどの単関節運動はそれほど心拍数が増加しないため、60〜90秒程度のインターバルで十分です。
次セットでもできるだけ多く反復し、トレーニングボリュームを向上させるためには適切なインターバルが必要です。前セットと次セットで反復回数が大きく減少してしまう場合はもう少しインターバルを長くしましょう。
もし、30秒程度しかインターバルをとっていないのにほとんど反復回数が変化しない場合、前セットでの頑張りが不十分な可能性があります。もう少し負荷をかけてみましょう。
・種目選択
ひとつの部位に対して、単一の器具で全く同じ角度から刺激を入れるよりも、多角的にアプローチした方が筋肥大のためには効果的とされています。
例えば大胸筋を筋肥大させるためにはベンチプレスだけではなく、ダンベルフライ、インクラインプレスマシンなどを組み合わせた方が良いと考えられます。
ただし、トレーニング初級者のうちからいくつもの種目を組み合わせようとすると適切なフォームを習得することが困難になり、またオーバーワークになる可能性もありますので、「ひとつの部位にひとつの種目」で問題ありません。
筋肉がトレーニングに慣れてきて、セット数を増やしトレーニングボリュームを増加させる必要が出てきたら、今まで行ってきた基本種目と異なる種目をひとつずつ増やしていくと良いでしょう。
オススメの基本種目は、以下の通りです。
胸→ ベンチプレス 、チェストプレス
背中→ 懸垂、ラットプルダウン
肩→ ダンベルショルダープレス、ショルダープレスマシン
脚→ スクワット、レッグプレス
腕→ ダンベルカール、プレスダウン
・「追い込むべき」か、否か
「追い込む」とはトレーニング用語であり、その1セット、または最終セットで限界まで筋肉を使い切り、それ以上反復できない状態まで行うことを指します。
以下の条件を満たす場合、追い込むメリットがあります。
・40歳以下の若いアスリート
・トレーニング経験が数年以上
・単関節種目やマシン種目
ただし、毎回のトレーニング、全種目全セット限界まで行うことは危険ですのでやめましょう。追い込む時期や種目は限定し、やりすぎにならないよう注意が必要です。
そして、40歳以上であり、トレーニング経験はまだ少なく、フリーウェイト複合関節運動種目では追い込むメリットが少なくなり反対にデメリットが大きいため推奨しません。
もう少し具体的に解説すると、
・年齢が高くなるにつれて関節を痛めるリスク、血管リスクが高まるため追い込まない方が良い。
・トレーニング経験が浅い場合、フォームが崩れる可能性があるため追い込まない方が良い。また、伸び代が多いため追い込まなくてもOK。トレーニング経験が長い場合は、伸び代が少ないからこそ追い込むメリットがある。
・ベンチプレスやスクワットなどのフリーウェイト複合関節運動で追い込むとフォームが崩れ怪我のリスクが高いため追い込まない。マシン種目や単関節種目ではそのリスクが低いため追い込んでもOK。
といった具合です。
「追い込まない」という選択をした場合、前半のセットでは「あと3〜4回」、後半のセットでは「あと1〜2回」できるという感覚で終えられるようにしましょう。
あるいは、「一定のテンポで挙上できなくなる」「挙上速度が目に見えて落ちる」場合はそこまででセットを終えた方が良いでしょう。
以上を踏まえた上で、初級者の方が大胸筋の肥大を目的にした週に2回のトレーニングメニューを考えてみます。
※他にも大胸筋があまり関与しないトレーニングは並行して行うものとする。
※1〜2ヶ月程度で次のステップに進むようにする。
1: ベンチプレス 15回×3セット
全セット、あと5回程度反復できる余力を残して終えるようにして、フォームを習得する。この段階ではチェストプレス等のマシンでもOK。
2: ベンチプレス 10回×3セット
重量を少し増やし、回数は減らす。ただし、トレーニングボリュームが減らないようにする。以降も同様。全セット、あと3〜5回程度できる余力を残して終えるようにする。
3: ベンチプレス 8回×3セット、マシンフライ 12回×2セット
さらに重量を増やし、回数は8回まで。ベンチプレスは少し余力を残して終えるが、新たに加えたマシンフライの最終セットでは余力を残さないつもりで行なってもOK(関節などに不安がなければ)。以降も同様。週合計のセット数は6から10に増える。
4: ベンチプレス 6回×3セット、マシンフライ 12回×2セット or インクラインダンベルプレス 12回×2セット
ベンチプレスは6回反復できる重量に。年齢や体型などにもよるが、男性の場合は自体重ぐらい、女性の場合は30kgぐらいまでは頑張りたいところ。新たにインクラインダンベルプレスを追加。マシンフライ と交互に行う。(総セット数は変わらず)
5: ベンチプレス 6回×3セット、インクラインダンベルプレス 10回×2セット、マシンフライ 12回×2セット
ここまでくると初級者とは呼べないレベルになるはず。ベンチプレスとインクラインダンベルプレスは追い込みすぎず、最終セットでも1回程度の余力を残す。若いトレーニーの場合、マシンフライは追い込んでもOK。トレーニングボリュームを増やすため、1日に3種目、週合計セット数は10から14に増える。
以降は、自身の筋肥大速度に合わせてトレーニングボリュームを増加(種目、セット数、頻度を増やすなど)させつつ、疲労の溜まりすぎには注意して時折休息期間を設けるなどしながら、トレーニングを継続していきましょう。

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