はじめに
本補助金は、名前の通り、「新規事業」の準備のための補助金です。主に「建物の新築・増築」や、大掛かりな「改装」「設備投資」などを伴う「新規事業」を支援するものです。
この補助金は、2025年に募集が始まりました。「事業再構築補助金」のリメイク・リネーム版です。補助金の内容などは、大きくは変わっていません。
ただし、「事業再構築補助金」で、資産運用的な多角化が多数採択され問題になったため、計画書の作成も審査も、かなり厳しくなっています。
そのため、「新規事業、挑戦してみようかな?」ぐらいの覚悟では、採択はもちろん、申請にもたどりつきません。しっかり調べて、早めに準備するようにしなければなりません。
1.補助対象経費を確認する
●機械装置・システム構築費
●建物費
●運搬費
●技術導入費
●知的財産権等関連経費
●外注費
●専門家経費
●クラウドサービス利用費
●広告宣伝・販売促進費
補助対象経費は、上記の通りです。各経費、どんな内容が補助対象になるかについては、「公募要領」を見て頂ければ記載があります。
しかし、本補助金は高額補助金なので、審査のハードルも高いです。「公募要領」を見るだけでは不十分。ぜひ、「実績報告」のことも考えて、経費を検討しておきましょう。
例えば、第1回採択者向けの「補助事業の手引き」には、「機械装置・システム構築費」を補助対象にするために、以下の書類が必要であると記載されています。
●特注となる機械装置・工具器具・加工品については、見積書、設計図、回路図等の仕様書(図面等)を整備してください。
●メーカー等から必ず見積書・受注書・契約書等を受領してください。
●価格の妥当性を証明するパンフレットや見積提案書・仕様書等を提出してください。
●ウェブサイト・システム、アプリケーション等のシステム構築費を計上している場合は、内容確認のために要件定義書・工程表・WBSをあらかじめご準備ください。
なお、「事業再構築補助金」では、「「人月」単位の見積りは不可」とされていました。しかし、「新事業進出補助金」では、以下のような内容の見積りでもOKになっています。
見積単価が「人月×人月単価×開発期間」などで表記されたもの
こういったことも、申請前に丁寧にチェックしておきましょう。
2.経費計画を組み立てる
経費計画の組み立て自体は簡単です。計画申請段階では、各経費の大雑把な内容と概算予算を記載しておくだけで問題ありません。
「計画申請」における審査対象は、あくまで「事業計画」です。「経費」に関する審査は、「交付申請」の時に、「見積書」等を提出して行います。
ただし、計画申請段階でも、以下のような記載もあるので、やはり「補助事業の手引き」などを見ておくことは必要です。
計上されている経費の大半が補助対象外である場合、補助事業の円滑な実施が困難であるとして、不採択・採択取消・交付決定取消になりますのでご注意ください。
3.審査基準・採択事例などを確認する
本補助金の審査基準は、多岐に渡ります。
●補助対象事業としての適格性
●新規事業の新市場性・高付加価値性
●新規事業の有望度
●事業の実現可能性
●公的補助の必要性
●政策面 他
なお、これらの項目は全部、計画書内で記載します。
そのため、これらの内容が網羅される項目立てとなっているので、「審査基準をくまなく読んで、計画書を作らなければいけない」という感じではありません。
ただし、自社の新規事業が本当に補助対象になるのかどうかは、「新事業進出指針の手引き」や「採択事例」などを見て判断するしかありません。
4.事業計画テンプレートと記入例及び記入ポイントを確認する
「応募申請される方」というページで、「事業計画テンプレート」と「事業計画テンプレートの記入例及び記入ポイント」を、ダウンロードできるようになっています。非常に親切な補助金です。
ただし、この「記入例」は、実はそんなにクオリティが高くありません。私が一番気になったのはここです。
⑥事業実施場所 (300字以内)
補助事業の主たる実施場所は○○県の○○工場で、既存事業で使用している工場の一部を区切り、新規事業専用に使用します。最新の○○設備と○○システムを備え、要求基準の厳しい○○部品の安定製造が可能です。新製品に対応するため、○○工作機械や○○装置を新規導入し、製造プロセスの自動化とトレーサビリティを強化。さらに工程内検査を高度化し、歩留まりを改善します。工場内には専任の○○管理部門を設置して、リアルタイム品質監視を実施し、不良発生の最小化を目指します。既存製品と異なる材質・検査方式に適合し、新市場の要求水準に対応します。
「事業実施場所」については、最初の2文ぐらい。あとは「事業で取り組みたいこと」が書かれています。
こんな感じの、あまり役に立たない記入例が時々あります。そのため、自社の新規事業にとって、本当に必要な情報は何なのか。それをしっかり考えながら、作成していく必要があります。
5.いざ、計画書作成へ
事業計画書作成の作文は、「事業計画テンプレート」に埋めていくだけで仕上がります。とはいっても、これがかなり大変です。
各項目、300~500字程度の字数制限があります。だいたい倍ぐらいの原稿を書いて、それを指定の字数に削っていく作業になります。
事業者によって、強調したいポイントは異なります。
強調したいことがたくさんあるのに、上限が300字に設定されている場合には、かなり手こずります。
また、あまり強調材料がないのに、上限が500字に設定されている場合には、かなり不安になります。
全部作成するのは、とにかく時間がかかります。
私の場合、「事業再構築補助金」の計画書は、「本気出せば、1日あれば納品・採択できる」と思っていました。
しかし、「新事業進出補助金」は、1週間はもらわないと、頑張れません。
さいごに
本補助金の計画書作成は、とにかく手間がかかって、疲れます。計画書を作成してみようと考えている方、頑張ってください。
ただ、予算が許すなら、第三者に依頼して、自分はチェックするだけに留めた方が良いですよ。本業がおろそかになる可能性があります。
ぜひ、気軽にご相談くださいませ。あなたからのご相談、心よりお待ち申し上げます。