1.公募要領で経費を確認する
この補助金は、もう10年募集のある補助金です。複数回採択されている事業者も少なくありません。
そして、慣れている申請者すら、公募開始前、締切の2か月前には準備を始めます。なぜこんなに早く準備をするのか。理由は大きく2つあります。
●補助金のルールは、ここ10年以上、大きくは変わっていない
本補助金は、「郵送申請」から「電子申請」に変化するなど、大きな更新が複数回ありました。
しかし、「必要書類」「審査基準」「計画書の作り方」など、申請のための準備については、この10年、ほとんど変わっていません。
そのため、過去の公募要領を参考に、早めに準備をしておけるのです。
●公募が始まると、どの業者も一気に忙しくなる
本補助金では、「商工会議所」又は「商工会」の面談を受けて、面談を受けましたという書類「様式4」をもらう必要があります。
この面談は、「申請締切」より1週間ぐらい前に、「面談締切」がきます。そのため、ほとんどの申請者は、「申請期限1か月前」には、もうほとんど準備ができている状態なのです。
実際に、私の事務所でも、面談締切2週間前ぐらいで、いったん新規のご相談を締め切ってしまいます。
2.経費計画を組み立てる
事業計画を考える前に、まずは「公募要領」を開いて、どんな内容が補助対象になるのか、「補助対象経費」を確認してください。
①機械装置等費、②広報費、③ウェブサイト関連費、④展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、⑤旅費、⑥新商品開発費、⑦借料、⑧委託・外注費
そして、それぞれの経費で、補助対象になる経費と補助対象にならない経費が説明されています。
きちんと参考にして、どんな経費を申請するか、しっかり考えなければなりません。
●「①機械装置等費」で補助対象にならない経費の例
●自動車等車両(「減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)」の「機械及び装置」区分に該当するものを除く)
●自転車・文房具等・パソコン・事務用プリンター・複合機・タブレット端末・WEB カメラ・ウェアラブル端末・PC 周辺機器(ハードディスク・LAN・Wi-Fi・サーバー・モニター・スキャナー・ルーター、ヘッドセット・イヤホン等)・電話機・家庭用電気機械器具・その他汎用性が高く目的外使用になりえるもの
よく「新しいiPhone」や「新しいPC」などのご相談を頂きますが、補助対象になりません。
●「②広報費」で補助対象にならない経費の例
●販促品(商品・サービスの宣伝広告の掲載がない場合)
●名刺
●商品・サービスの宣伝広告を目的としない看板・会社案内パンフレットの作成・求人広告(単なる会社の営業活動に活用されるものとして対象外)
「会社案内」や「求人広告」はよくご相談頂きますが、いずれも「販路開拓」のために使うものではないため、補助対象になりません。
●その他、補助対象にならない経費の例
●ウェブサイトに関連するコンサルティング、アドバイス費用
●販売を目的としたシステムやソフトウェア開発(新商品開発費でも対象外)
●テレフォンアポイントメント業務の委託に係る費用
●老朽化した既存機械の取替え費用
●応接室のソファや従業員が使用する事務机の購入費用
●他社の販路開拓につながる取組
●自社内部やフランチャイズチェーン本部との取引によるもの(フランチャイズチェーン指定の機器等を本部以外から購入する場合等も含みます)
●社内の役員・従業員や代表者・役員の親族(3親等以内)へ発注しているもの、あるいは代表者・役員の親族(3親等以内)が代表または役員に就いている事業者へ発注しているもの。
●講習会・勉強会・セミナー研修等参加費や受講費等、図書等の資料購入費
●売上高や販売数量、契約数等に応じて課金される経費や成功報酬型の費用
これは、「公募要領」を丁寧に読めば、全部明記されています。よくご相談頂くものだけでも、こんなにあります。
ただし、「公募要領」を読み込むの、大変なんですよね。こういった細かいチェック、大変だと思ったら、ぜひご相談ください。
3.審査基準と採択事例を確認する
公募要領には、審査基準は以下のように記載があります。これは、実はこの10年、ほぼ変わっていません。
ただし、これをさらに踏み込んで、何をどのように採点するかは、毎回少しずつ変化しているようです。
例えば、2024年頃までは、いわゆる「斬新な取り組み・多角化」のような取り組みも、十分に評価が高かった印象です。
一方、2025年以降は、「斬新な取り組み・多角化」のような取り組みは、通りづらくなっている印象です。
ですから、「公募要領」の「審査基準」だけでなく、「採択事例」も丁寧に分析する必要があるのです。
4.公式作成例を確認する
「小規模事業者持続化補助金」では、従来、公式の「記入例」がダウンロードできるようになっています。以下は、その「記入例」の一部です。
ここでお伝えしたいことが、2つあります。
●「記入例」は最小限、情報は全然足りない
「記入例」と同じような書類を作成し、「添削してほしい」と送ってこられる方は少なくありません。
ただ、これはあくまで、「記入例」でしかありません。テンプレに楽に手軽にあてはめていくような考え方では、まず採択されません。
ライバルは、私たちのようなプロです。しっかり情報を揃え、「なぜそれに取り組むのか」など、丁寧に作文しなければなりません。
●補助金計画ではなく、全社計画を描く
この画像は、作成例の抜粋です。この画像が示すように、事業計画書に記載するべきなのは、「補助事業に絞った計画」ではなく、「全社事業」です。
全社の事業の中で、こういうところが弱い、こういう強みを活かすために、ここに注力して販路開拓しよう。そのために、補助事業に取り組む。
こんなストーリーが、「事業計画書」であり、採択される「補助金計画書」です。
店舗を複数展開しているような場合には、各店舗の情報を紹介しておくべきです。
個人事業主で、店舗事業の他に、不動産収入や株式投資などの収入もあるようであれば、そちらも記載しておく必要があります。
「そんなことまで書く意味があるのか?」って?
そもそも決算書・確定申告書を添付しますし、「資金調達」の手段の1つとしても、そういうことを上手に紹介しておく有用性は高いです。
5.いざ、計画書作成へ
公募要領・採択事例・記入例をしっかり理解したら、いよいよ計画書の作成です。まずは手元に、決算書・確定申告書を最大3期分、準備してください。
もちろん、創業して期が浅い場合には、ある分だけで構いません。また、創業してすぐの申請も可能ですから、その場合には必要ありません。
そして、インターネットで、市場規模や競合状況などを調べながら、上手に計画書を作成するようにしましょう。
さいごに
計画書を作ろうと思ったら、これだけのことをしっかり理解しておく必要があります。なかなかに大変です。だから、多くの人が、報酬を払ってでも、プロにお願いするんですよね。
この記事を読んでくださったあなたも、自分でやるのが大変だと思ったら、ぜひ気軽にご相談ください。あなたからのご相談、心よりお待ち申し上げます。