最近当直の業務が辛くなってきました。
医者になりたての頃は忙しい当直でも自分のやりたいことや選んだ科の勉強になるし、辛かったけど苦ではありませんでした。循環器内科特有の心筋梗塞患者様に対する緊急カテーテル検査も夜中に自身のアドレナリンが出まくって、患者さんの治療を行いとても自分にとっては有意義な時間でした。また、暇な当直バイトでも探せばいくらでもありましたし、待機して自分の好きな勉強や読書などをしていて収入を得られると言う点で若い自分には当直がずいぶん魅力的に映っていました。
近頃40代くらいになってきて当直よりも家族や友人と過ごす時間の方が有意義と感じられるような気がしてきてあまり当直が好きではなくなってきました。夜中の緊急カテーテル検査も山ほど今までに行ってきて、自分のスキルを発揮するのに特にアドレナリンは必要なく、淡々と行えるまでになったので年の功とはいえちょっと寂しい感じがしています。それに加えて、中堅どころは日中業務における責任が大きくなっており、難しい手技や困難な症例が回ってきます。そこに対する集中力を極限まで高めるためには当直業務などで寝不足になったり生活のリズムが乱れたりするのがちょっと嫌なのです。
「病院の売り上げ」に関しても同様だと考えています。中堅どころ以上の上級医は日中の売り上げを最大限に伸ばすことができます。難しい症例を短時間で終えたり、若手医師に技術を伝え、症例数を伸ばしたり、合併症の少ない安全安心の医療を展開することに注力するべきです。逆に若手医師はその体力を生かし、夜間などに多く訪れる循環器救急に尽力し自分のスキルを高めつつ、当直明けはしっかり休息を取った上で、日中業務は中堅どころのサポートをしながら自身の経験としていくべきです。つまり、24時間365日その病院が循環器救急を実践していきたいと考えるのであれば、中堅以上はやや日中業務より、若手はやや夜間よりにシフトしうまくバランスを取りながら医療を展開する方が望ましいと考えています。
しかし問題はたくさんあります。まず一つは人それぞれ趣向が違うと言うことです。若手であっても当直が好きではない人もいれば、何年循環器をやっていてもやっぱり当直業務が好きでやりたいと言う人もいるのです。上記のようになんとなく当直業務を若手が若干多いようにシフトさせると、そういった方々に不満が必然的に出てきます。また、そもそも人手の問題があります。特に来年度から働き方改革により基本的には当直後必ず勤務を外れて休息を取らなければならなくなります。現在首都圏の総合病院は24時間365日循環器救急を受けることでかなりの売り上げを上げており、すぐそばの病院同士で患者さんを取り合っています。つまり、その病院一つ一つで1人以上の循環器内科医が24時間当直体制ないしはオンコール体制をとっているのです(医療過疎地ではそうはいかないですが)。おそらく来年度から24時間体制を取れる病院は減ってくると思われますが、そもそも今の勤務体制は医師の善意と使命感による24時間365日体制であり根本的に問題があると思われます。例えば、「月曜日から金曜日まで勤務し、土曜日9時から日曜日の9時まで24時間の日当直。そしてまた、月曜日から普通に平日勤務」が私の場合月に一回程度あります。土日働いた代わりの休日は当然ありません。
少し脱線したので話を戻します。アンケートをとっても若手は当直をやって勉強したい人の割合が多いと思いますし、中堅どころ以上は日中の業務で自分のスキルを活かしたいと言う人の割合が多いような気がします。なんとなく頭数で当直日数を平等に割ってシフトを組んでいる病院が多いと思います。しかし、それぞれの年代別の特徴を生かした当直のシフト割を検討してみてもいいのではないでしょうか?