面接官が志願者を見るポイント

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ビジネス・マーケティング
ここ数年、コンサルティング業界は就職人気企業ランキングで上位にランクインしています。

志望動機は色々あると思いますが、将来的に何か自分で事業をはじめたい、
その足掛かりとしてコンサルティングファームを志望している傾向が強いように感じます


実際に、コンサルティングファームでの仕事は厳しくプレッシャーのかかる環境ですが、若くして非常に密度の濃い経験ができ、自力で成し遂げる基礎力が強化できると思います。私の同僚でも、コンサルタントとしての経験を踏まえて、自分で事業を立ち上げるという事例もいくつも存在しています




このブログを見ていただいている皆さんは、これから就職活動を意識する学生や、一度就職してからコンサルティング業界を志望する社会人など、様々なバックグラウンドだと思いますが、コンサルタントとしての仕事に興味・関心を持たれている方が多いと思います。




そこで今回は未経験者の採用面接で、面接官が見ているポイントについて、解説していきたいと思います。




ファームは人手不足が深刻化

まず、コンサルティングファームでの採用募集状況についてですが、現時点では深刻な人材不足に陥っており、どのファームも採用を強化していることが言えると思います。

人材不足の要因としては、以下2点と捉えています。


人材の流動性が高い
コンサルタントとしてある程度経験を積んで、事業会社の経営企画やM&A担当、ベンチャー企業、独立(フリーランス)と、活躍の場を移していくことが一つの要因としてあげられます。特に、最近はリモート環境で、Web面接により面談が完結できるため、より流動性に拍車をかけているように感じます。


プロジェクトは、短いものだとだいたい1ヶ月〜3ヶ月程度で、色々なプロジェクトタイプでの経験値を蓄積できるメリットがあるものの、途中までしか関わることができないもどかしさもあり、自分でさいごまで見届けたいと感じることが背景にあると思います。


また、コンサルタントとして経験した仕事に対する市場価値は依然高く、好条件で転職先からオファーがかかることも流動性を高めている理由だと考えられます。


プロジェクト数が多い
昨今の、外部環境変化を受けて、事業モデルの見直し・転換を急ぐ企業が増えてきていることから、コンサルティングファームへの相談件数も伸びてきている傾向にあります。


サステナビリティ(SDGs)への対応、デジタルトランスフォーメーションへの加速ニーズ、グローバル企業との熾烈な競争に対応したコスト競争強化・オペレーション改善、グローバルガバナンスの再構築など、企業の経営課題は複雑化・多様化しているために、客観的な視点によるコンサルティングサービスを求めていることが背景にあると考えます。


特に、コロナ禍の影響を受けて、よりサステナブルな事業モデルの構築に着目され、10年先の将来に投資する意識が格段に広がっていると感じます。経済価値はもとより、社会価値を意識する昨今の潮流に敏感に反応していることが言えます。

これらオポチュニティが山積している中で、コンサルティングファームは慢性的な人手不足に陥っていると考えられます。


本来であれば、即戦力であるコンサル経験者を採用したいところですが、ファーム間で人材の奪い合いが進む中、未経験者も積極的に採用して中期的に育てていくようなスタンスであると言えます。




ポテンシャル採用のポイントは3つ

未経験者のポテンシャル採用の場合、中期的にコンサルティングファームで活躍できる素養があるかを間違いなく見ています。

もちろん、ファームの文化や価値観との親和性も考慮した上での判断となりますが、今回は「素養」とは何かを掘り下げて解説したいと思います。

以下、個人的な私見が入りますが、重要なポイントは3つと考えています。


論理的思考力
コンサルタントの仕事は、言うまでもなく問題解決(論理的思考力)にあり、時頭の良さを見ています。

具体的には、物事を筋道立てて考える力だったり、複雑なものを整理してシンプルにしていく力です。


面接官は、面談中での何気ない質問に対して、論理的な思考ができているか確認しながら対話を進めています

また、面談ではケース問題を実施することが多いと思いますので、短時間でロジカルに物事を考えられるのか、その考えるプロセスを評価しています。

ですので、問いに対する答えが合っているかどうかはあまり重要ではありません。


コミュニケーション力
コンサルタントの仕事では、プロジェクトチーム内での議論をかなりの数をこなしていくため、適切な意思疎通が取れる人材なのかを見ています。喋りが上手いに越したことはないですが、一方通行でない双方向の対話力が重視されます。


特に、以下のような観点を確認しながら面談を進めています。

質問の意図を理解して、しっかりと自分の中で腹落ちできているか。

一般論でなく、自分の考えを盛り込んだコミュニケーションができるか。

自分よがりでなく、相手の理解しやすい話し方をしているか。

マインド(熱量)とテクニック(ボキャブラリとか表現方法)は十分か。

対話はスムーズに進んでいるか。




繰り返しトレーニングを積んでいけば、コミュニケーションの基礎力は間違いなく強化できるので、その上で個々人の特徴・キャラクターを乗せていけると印象に残りますし、評価は高まると考えられます。



オーナーシップ
プレッシャーのかかる仕事ですので、自発的に挑戦し続けられる人材なのかを見極めています。

コンサルティングファームに入社できたら自然とコンサル力が身に付く、というような受け身で甘いマインドでは確実に成長はできませんし、ファームへの貢献もかなり限定されると思われます。



特に、以下のような観点でオーナーシップのポテンシャルを把握しようと心がけています。

中長期的に目指しているキャリア像はあるか。

コンサルタントで働きたいと考えている理由は。

具体的にどのようにコンサルワークで貢献できそうか。



興味本位でなく、本当にコンサルタントとして活躍していきたい「内部から滲み出る気持ちの部分」を丁寧に、しっかりと面談で確認していきます。



(おそらく)加点評価も存在

もちろん、未経験者だからといっても、少しでも早くプロジェクトに慣れて、貢献していただきたいため、以下のようなスキルを有している場合は、加点で評価されることもあり得ます。

スキル面は、入社してから徹底的に鍛え上げられますが、ある程度のベーススキルが前提としてある場合、成長速度も速くなるため非常に重宝されると思います。


ハードスキル
いわゆるワード、エクセル、パワーポイントのパソコンワークですが、内容が重要ですのでどのように使いこなせるのか、具体的に示せると評価は高くなると考えられます。


例えば、財務モデルやプロジェクションを作成していた。議事録作成を通して構造化がスムーズにできる。などのイメージです。


アピールはどんどんしたほうがいいです。一方で、このあたりコンサルタントのお作法がありますので、これまでの実績・経験を前面に出しすぎるのも良くないので、柔軟に対応できるよう気をつけていただければと考えます。




語学スキル
大手コンサルティングファームだと、海外プロジェクトが多く占めているようなケースもよくあります。

英語やその他の第二外国語がビジネスレベルで活用できるのであれば、かなりのアドバンテージにありますので積極的にアピールしたほうが良いです。

その際、能力判定テストでの点数では、どの程度ビジネスコミュニケーションに対応できるのか判断できませんので、こちらに関しても具体的な実績としてお伝えできると良いかと思います。




さいごに

ここまで見ていただきありがとうございました。


ここからは余談となりますが、

コンサルティングファームに入社したらコンサルスキルを身につけられるかといったら半分そうだと思います。ただし半分はNOです。



コンサルファームでは、最低限の基礎スキルを研修でのトレーニングや、OJTを通して学べるような仕組みを用意しているファームが増えてきています。

冒頭に申し上げた中長期的な社員育成に力を入れているということが背景があります。ひと昔前に比べると、明らかに充実しています。



ただし、トレーニングで学べることはベーススキルまでであり、個々人の個性を生かしたバリュー創出のためには、やはり個人次第という現実はあります

プロフェッショナルファームとして、自分の能力を自分で磨いていく文化・風土がありますので、すべて丁寧に教えてくれることはそれほどない印象です。




あくまで「自分次第」。自ら積極的にチャレンジして行動すれば、色々なケイパビリティの専門家に出会えますし、最先端の情報に触れるチャンスはいくらでもあります。
大手ファームであれば、海外ネットワークも活用できるインフラも整っています。

自己実現に向けて、将来のビジョンを実現させるために、圧倒的な成長を目指すには素晴らしい環境だと思います。




コンサルティングファームに興味のある方は、早いに越したことはありません。ぜひともチャレンジして見てはいかがでしょうか。
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