コンサル業界の働き方の実態

記事
ビジネス・マーケティング
コンサルティング業界の働き方にどのようなイメージを持たれてますでしょうか?

程度にもよりますが、過重労働が当たり前で、ブラックのイメージがあるのではないでしょうか?


僕は、8年前に事業会社からコンサルティング業界に転職するにあたって、インターネットからの情報や周辺からの噂話から、かなり激務のイメージを持っており、成長とトレードオフだと覚悟を決めながらも、入社前から非常に不安でナーバスになっていました。

一方で、まだ働いてもいないので、実際にはどんな仕事をしていて、どれほど忙しいのか、なかなか想像ができてなかった印象がありました。


また、昨今の働き方改革で自宅からのリモートワークが推進されているのはコンサルティング業界も同じで、以前と比べて仕事環境・働き方はだいぶ変わってきています。(今後もさらに変わっていくと思います)


そこで今回は、実際の働き方はどうなのか、僕の経験から、過去と現在を対比して、詳細解説していきたいと思います。




昔のコンサルティングファームの仕事環境は?

結論から言うと、私が入社した8年ほど前の働き方は非常に劣悪でカオスの状態でした。

深夜残業・タクシー帰りは当たり前。残業は青天井で、徹夜で仕事することもよくありました。

土日に仕事を持ち越して出社することも多く、同時に2つ仕事をやっているような勤務実態でした。




もちろん、未経験からのチャレンジでコンサルスキルが不足していることから効率的に仕事が進められなかったことも要因としてありますが、誰かが丁寧に教えてくれる文化もなく悩みながら、その場その場で最適解を出していくような、これがプロフェッショナルファーム?と非常に組織としては弱い印象がありました。(もちろん、会社の風土・ポリシーによって違いはあるかと思います)


昔ながらのオールドスタイルの考え方のマネジメント層が多く滞留していることもあり、遅くまで頑張っていることが「美学でバリュー」、という暗黙の空気が漂っていたり、個々人のプロフェッショナル意識が強すぎて意見が食い違ったり、言っていることがころころと変わったり、と上場している大企業から転職した私にとっては雑というか、仕組みやルールがない個人商店の印象が強かったです




個々人が常に顧客の期待値を超えていく、顧客が見えていない価値を創造していく、高みを目指していく視座は大変重要だと思いつつ、スタッフからすると振り回され続けて大変で疲弊します。私にとって仕事人生でもっとも辛い暗黒時代でした。。。




そのような仕事環境についていけない人もたくさんいて、入社して2・3ヶ月ですぐ辞めていく人も多く、サステナブルでないことが問題視されていました。一部のマネジメントはワークスタイルが合う合わないがはっきり出るから、合わなきゃ辞めて新しい人材を取ればいいって、考えもあり、今じゃ明らかにハラスメントで問題ですね。




そんな中、昨今の過重労働が社会問題として大きく取り上げられ、おそらく目をつけられたのがコンサルティング業界と感じています。




昨今の働き方改革による劇的変化

今は世の中の潮流に大きな影響を受けて、社内コンプライアンスが強化され、過度な残業は削ぎ落とされ、以前の働き方と大きく変わり非常に働きやすくなっています。

クライアントバリューの出し方も変わってきています。いかに効率的・効果的に、社内のケイパビリティやナレッジを生かせるか、社内の仕組みが整ってきている印象があります。数年前から比べると全く別の会社になっています。




今まで美学とされてきた過残業に対しても、当たりが強くなり、残業が多いと時間あたりのパフォーマンスが低いとみなされ評価は減点対象に、管理者のマネジメント能力も指摘されるようになってきています

全体的にはまだまだ改革の余地はありますが、働き方は会社全体で最重要課題として位置づけられ、共通の目標を持って労働環境を整えて、長く働いてもらいながらプロフェッショナルを育てていく思想に変わったことは大きな変革だと感じています。




一方で、これは個人的な私見で矛盾しているかもしれませんが、コンサルティング業界が大企業化して、効率的に仕事を「熟す」ことに注視する傾向のため、ネガティブな視点としては失敗できる数やチャンスが減ることがデメリットと感じています

僕がコンサルティング業界に転職を希望したのは、若い時期に圧倒的な自己成長が期待できる環境であって、入社当時は分からないながらに失敗し続け、失敗から反省すること、次回は同じ失敗をしない方法論を学ぶことが多かったです



このブログを見ていただいている方は、当時の僕と同じように自己成長に貪欲な感覚の方が多いのかと思います。

昨今の働き方改革によって、個々人の成長加速に蓋をしてしまっていることが少し残念に思うこともあります




もちろん、業務時間外の自己啓発でトレーニングを繰り返すこともできますが、やはり仕事の実践でしか学べないこと、ある程度のプレッシャーの中でやりきることが自信につながったりすると思いますので、そのあたり難しい判断なのかと思います。


これから先、働き方の方向性(私見)

世の中の変化が激しく、クライアントのビジネスや働き方が変わっている中で、クライアントサービスを提供するコンサルティングファームも変わらなければならないのは必然かと思います



間違いなくテクノロジーを駆使した社内オペレーションの効率化や、アウトプットに対するテクノロジー技術の活用は、業界内で差別化を進める上で確実に浸透していくものだと思います。

これまでアナログだったコンサルティング業界に、テクノロジーを駆使した融合で、代替できるものは置き替わり、よりクリエイティブに頭を使って考える高度な仕事が求められるはずです




社会課題、顧客課題が複雑化・細分化されていき、今後より加速していくことは間違いなく、個々人のスキルや志向に応じて、多様な専門性を磨いていくようなキャリアの積み上げ方になると感じています。

トラディショナルで画一的なスキルセットをベースに、各人で尖った強みを持ったプロフェッショナルの集合体となるイメージです。




そのため、個々人の能力を高められるような働き方の仕組みはこれからどんどん整備されていくことだと思います。

むしろ、人材が唯一の資産であるコンサルティング業界の差別化はこの仕組み・インフラを作り上げられるかが鍵だと感じます。




リモートワークは今後も確実に浸透し、事務所は今の半分以下で基本的にはバーチャルオフィス。クオリティを担保できるのであれば、いつ・どこで・好きなときに仕事してても良いような、より高い専門性を重視したプロフェッショナルの働き方が推奨されるのではないでしょうか。




複雑化・高度化した顧客のペインポイントに対して、結果にコミットするプロフェッショナルスタイル・品質の担保は言うまでもありませんが、期待を超えていく価値の創造がより求められると考えられます。




これからは個々人のプロフェッショナルとして専門性を引き上げて強くなっていく時代と思います。

これは会社に所属しててもフリーランスでも同じだと思います。

コンサルティング業界には、自力をつけるための土壌は整っている、あるいは整えようとしているので、うまく利用して自己成長につなげるスタンスだと非常に良い環境だと思われます。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す