はじめに
数あるブログの中からご覧頂きありがとうございます。
5Sカイゼン活動相談役のもりふじ だいすけです。
私は大手企業で現場作業をしながら第一線で5Sカイゼン活動を率先垂範で10年以上取り組んでおり、社内では数々の活動の功績が認められ、所長表彰を受けた実績があります。
今回は、表題の『「トヨタのカイゼン」の本質』について、分かりやすく解説していきます。
5S活動に関する知識と経験からあなたに分かりやすく説明しますので、最後までお読みいただければ幸いです。
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【1】現状を常により良い方向にカイゼンする
みなさんの職場風土を、ひと言で表現してみてください。
「アグレッシブ」「成長志向」「安心・確実」……。
さまざまな表現があると思います。
同様に、トヨタであればどのような言葉をイメージしますか。
おそらく、代名詞のように使われる「トヨタ=カイゼン」が思い浮かんだ方も多いのではないでしょうか。
「カイゼン」は海外でもそのまま“Kaizen”と表現されるほどに、現在は世界規模で取り組まれている日本がお手本の1つになっています。
元々は製造業で行われていましたが、今はサービス業などにも広がりつつあります。
トヨタにとって、「カイゼン」は会社経営の根幹そのものです。
創業期からの価値観をベースに従業員の行動規範としてまとめられ、2001年に発表された「トヨタウェイ」にも、「知恵とカイゼン」「人間性尊重」が2本柱として明記されるほどです。
わかりやすく言うと、無限の可能性をもっている人間の力を最大限に活かすには、知恵を絞って現状を常により良い方向にカイゼンしようということです。
この考えはトヨタの行動規範として掲げられているだけではなく、実際に現場の日々の業務でも実践されています。
だからこそ、トヨタの現場では以下のような言葉が脈々と先輩から後輩へ語り継がれています。
「会社には仕事に行くのではなく、知恵を出しに行くのだ」
(常に現場では知恵を求められる)
「ムダな仕事をさせることは、その人の人生をムダにすること」
(部下の能力を最大限に引き出すことが、上司の役割)
「仕事とは、作業+カイゼンである」
(決められたことをやるだけ(作業)では、仕事とは言えない)
今日はこの「トヨタのカイゼン」を続けることでどのような組織になることができるのかをお伝えします。
みなさんの組織も、それぞれに目標があると思います。
しかし、カイゼンができるようになると、目標を達成できるだけではなく、目標自体がどんどんレベルアップして、組織も進化していくというサイクルが出来上がります。
【2】まずは現状のレベルを把握する
まず、現状のレベルを把握するためには、以下の4ステップあり、各ステップについて、一つ一つ解説していきます。
ステップ1:「標準」があること。
ステップ2:「標準」通りにできること。
ステップ3:「標準」がベテランから新人まで定着して作業出来ていること。
ステップ4:「標準」が更にカイゼンされていること。
《ステップ1》
「標準」があること。
標準とは、現時点でカイゼンとされるやり方や条件で、仕事の進め方や所用時間、物の置き場などさまざまなものがあります。
また、標準の指針があれば現状に対しての正常・異常も判断できます。
「正常であればよりより上を目指し、異常であればまずは標準を守るように対策する」というように、現状に則した正しい判断が出来るようになります。
各職場にトヨタ方式を導入するときにも、改善活動の初期段階では、まずこのレベルを目指します。
《ステップ2》
「標準」通りに出来ること。
ここで初めて、現段階で目指している状態に達しているということになります。
現場で標準をキープしてもらうためには、標準が組織の隅々にまで理解・納得されていることが大前提です。
そのために行う現場へのアプローチは、出来上がった標準の内容を丁寧に説明して理解を促すことだけでなく、標準の作成段階から関与してもらうことで、「現場の納得感」を高めることが必要です。
一見、標準を決める段階だけにフォーカスすると余計な時間がかかっているように思えますが、現場の落とし込みがスムーズになるので、周知・徹底まで含めて考えると十分にやる価値があるのです。
《3つ目のステップ》
「標準」がベテランから新人まで定着して作業出来ていること。
そのタイミングでの標準を達成したとしても、常により上の標準を設定してそれを目指すことで、現場は進化していきます。
継続的な進化の際に有効なのが、他職場・他社での好事例の活用です。
トヨタでは、職場での好事例はさまざまな会議でスピーディに共有され、担当者は上司から「他部署の良い取り組みはその現場に行って、自分の目で見てくるように」と言われ、自職場への応用を促されます。
このように、他職場や自社以外の業界全体の流れにもアンテナを広げることで、新しい目標設定がスムーズになります。
最初から最上位レベルに達することはできません。
まずはご自身の職場はどのレベルにあたるのかを把握したうえで、目指すべきレベルを設定してください。
《4つ目のステップ》
「標準」が更にカイゼンされていること。
皆さんは「守・破・離」(しゅ・は・り)という言葉を聞いた事がありますか?
この「守・破・離」は職場をカイゼンしていく上で非常に言葉であり、あなたの職場でも取り入れて活動することをオススメします。
そもそも「守・破・離」とは、ものごとを学ぶ基本的な姿勢、または取り組む順序を意味します。
もともと武道や茶道で用いられ、その後、学ぶ場ならどこでも、汎用的に使われるようになりました。
《第一段階》型を守り身に付ける「守」
《第二段階》型を応用・改良する「破」
《第三段階》型から独立する「離」
上記の通り、ステップ3で定着がされてくるようになって満足ではなく、更なるカイゼンを進展させていかなければなりません。
一度、この働く上で根幹となるカイゼン活動を辞めてしまうと、後はもとに戻るという下り坂しか待っていません。
このカイゼンが構築するにには非常に多くの時間と労力が必要になりますが、元に戻すのは一瞬で出来てしまいます。
(非常に恐ろしい話しですね。。。)
実は、この「一瞬にして戻ってしまう」のは、会社の信頼と同じになります。
ですから、このカイゼン活動に対する揺るぎない指針を働く社員全員が持ち、更なるカイゼン活動を推進していくことに意義がありますので、日進月歩で更なるカイゼンを進めていきましょう。
「カイゼン活動」には完璧がなく、日本一のトヨタでさえここまでの企業になりながら「カイゼン活動」を止めることなく推進しているのが理解できると思います。
私からすると、この「カイゼン活動」をやり過ぎて困ることは無いが、やらないと困ることがたくさんあると言えます。
【3】職場全体が一丸となって成長する
次に重要には、コミュニケーションです。
トヨタの現場で必ず実行される5S(Seiri整理・Seiton整頓・Seisou清掃・Seiketsu清潔・Sitsuke躾の頭文字をとったもの)は、「キレイになってうれしい」という心理的効果以上に、仕事の生産性を上げることを目的にしています。
トヨタのコミュニケーションも同様で、「職場の風通しがよくなる」こと自体よりも、仕事の生産性を上げることを目的としています。
まずは、縦のコミュニケーションから。
トップが現場に対して行うコミュニケーションでは、組織として目指している方針・取り組み等がしっかり現場レベルでも理解され、従業員の頑張りが会社方針の達成に寄与するようにします。
現場の意見を無視した上意下達となって現場で不満がくすぶることや、現場ではいろいろとやっているけれどその方向がバラバラということがなくなります。
逆に、現場が組織の上層部に対して働きかけるコミュニケーションの場合は、従業員のさまざまなアイデアを会社運営のプロセスに取り入れるようにします。
特にオペレーション面では現場の従業員が最も熟知しているので、彼ら・彼女らに継続的に改善の提案・実施をしてもらうことで、現場は着実に進化していきます。
従業員のアイデアを活用する効果は、当面のオペレーション進化にとどまりません。
通常の作業をひたすらミスなく繰り返すことを求められる現場では、従業員のモチベーションは低下しがちです。
ミスの分だけ減点するのではなく、質の良いアイデアの分だけ加点するスタイルに加えて、自らのアイデアが会社に貢献しているという満足感から、メンバーのモチベーションが大きく向上していきます。
これは、1分前後の作業サイクルをひたすら繰り返すトヨタの工場といった現場でも言えることです。
トヨタには、現場の作業者のアイデアを具体化して現実に実行する社内制度「創意くふう提案」があります。
これは、従業員のモチベーションを向上させる貴重な機会だったとトレーナーたちは口をそろえます。
モチベーションが向上した従業員はさらに多くのアイデアを出してくれるので、現場はどんどん成長していきます。
多くの現場では従業員のアイデアを引き出すためのしかけが往々にして不足しており、その意味で大きな成長余地があると言えます。
【4】職場全体活動が組織成長を後押しする
次は、職場間で行われる横のコミュニケーションです。
改善活動の初期は1つの部署などの小さい範囲で完結できるテーマが大半ですが、活動が進んでテーマが壮大になるほど多くの人・部署の協力が必要になります。
そのため、改善活動が進むにつれ、部署間の連携が進んできます。
また、部署間で切磋琢磨する風土も醸成されるので、ほかの職場での好事例を自身の職場に取り入れようという動きが生まれます。
このような動きを「横展開」と言いますが、この動きは、個別の職場での効果を全体に波及させる意味で組織全体の進化を後押しします。
また、基になるアイデアがあるので、ゼロベースで考えるよりもスピーディに職場が成長することにつながります。
このように改善活動は、目指すレベルをどんどん進化させ、縦・横の密なコミュニケーションを通じて全体が一体となって成長する組織をつくりあげます。
ここまで来れば、会社の方針と各職場でのさまざまな取り組みが連動し、現場での人材育成もどんどん進むようになります。
そして、「こんな人材がいたのか」というスターが現場から継続的に排出され、人が交代しても時間が経っても常に組織が進化している状態になります。
これらの効果は、改善活動を愚直に続けた組織だけが、得ることができる「果実」なのです。
まとめ
この表題の通り『トヨタの「カイゼン」の本質』について、しっかりと働くメンバー全員が共有・理解し、意見を出し合って効率良く仕事をしていかなければなりません。
また、トヨタの「カイゼン」についてしっかりと本質部分を愚直に実行することでより働きやすい職場の組織風土を醸成することができますので、ぜひ率先垂範で行動してみてください。
あなたの会社は元よりあなたの人生そのものまで変わってしまいます。
(^_-)-☆
参考文献:『トヨタの現場力 生産性を上げる組織マネジメント』