いい加減どころか危険な情報をまき散らすテレビ-ジビエ料理について

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TBSのバラエティー番組「坂上&指原のつぶれない店」で紹介されたジビエ料理がネットで大変な批判を受けているようです。

同番組で、3人のタレントがJR大阪駅近くの地下街にある飲食店を取材し、鳥取の猟師から直接仕入れたという新鮮な「鹿もも肉の刺身」を紹介したんですね。

これに対して批判が集中。

代表的な意見をまとめると以下のようになります。

「ジビエは加熱が不十分だと食中毒を引き起こす恐れがあり、E型肝炎ウイルスや腸管出血性大腸菌などの感染リスクが高まるとされています。日本赤十字社ではそのような感染リスクを懸念して、ジビエを生で食した人には摂取した時点から6カ月は輸血を断っています」

これを受けてTBSは、番組公式サイトで次のような声明文を発表しました。

「7月3日の放送で取り上げたジビエ料理について『ジビエ料理の生食は大変危険である』というご指摘を多数いただきました。実際にはお店は加熱してから提供しておりましたが、説明が不十分で誤解を与える表現となってしまいました。関係者のみなさま、並びに視聴者のみなさまにお詫び申し上げます。なお、野生動物の肉を食べる際は、厚労省のガイドラインなどに沿って、十分に加熱して下さい」

明らかに噓ですね。

問題の刺身は、「表面をさっと湯がいただけの一品で、中身は真っ赤で生の状態であることがわかった」んですよ。

その上、映し出されたお品書きには、ニホンジカの「タタキ」や「ユッケ」といった生食メニューもあったんですから。

これだけはっきりとした証拠もあるのに、本当にごまかせると思っているんでしょうか。

まあ、大きな被害が出たわけではないので、髙を括っているのでしょう。

テレビ局のいうことがいかにいい加減で信用できないかのいい例ですね。

ところで、「ジビエ」ですが、もともとはフランス語で「gibier」と書きます。

日仏料理辞典によれば「gibier」とは「野禽獣」を意味し、鳥類ではくいな、やましぎ、雉、獣類では穴兎、野兎、のろ鹿、猪等を指すとのことです。

日本ではフランス人はジビエ料理が大好きで、よく食べていると考えているようですが、私の実感ではそれほどではないと思います。

よほど好きな人でない限り年にせいぜい2∼3回といったところでしょうか。



ただ、郊外の大型スーパーに行くと、猪や鹿が丸ごと置いてあることがあります。

油断して歩いていると、ギョッとしますよ。

また、皮を剥がれた丸裸の野兎が天井から何匹もぶら下がっていますから、気の弱い日本女性は食肉コーナーを歩けないかも知れませんね。

私自身はほとんどのジビエ料理を食べたことがあると思いますが、それほど好きではありません。

なんというか、野趣があるというか、やや荒っぽくて、血の匂いもするように感じるからです。

フランスのジビエ料理で一番ポピュラーなのは兎のマスタード煮かな。

街のごく普通のレストランでも出していますから。

少し話は変わりますが、生食というと、ジビエではありませんが、フランスでもタルタルステーキで生の牛肉を食べます。

ご存知のように、生の牛肉をミンチ状にして、香辛料や薬味等を添えて供する料理ですね(前にブログで、タルタルステーキについてのウンチクを書いていますので、興味あるかたはそちらをご覧ください)。

日本では食中毒事件が広域に発生したことを受けて、「ユッケ」、「タルタルステーキ」、「牛刺し」、「牛たたき」等、生食用として提供される牛肉についての厳しい規格が定められています。

しかし、フランスでは食中毒事件が発生していないためか、こうした規格はないようです(確認はしていません)。

ただ、ステーキの焼き方にほとんど生のブルーレアというのがあるんですが、これは大丈夫なのかなあ。

また、最近はフランスでも寿司が人気がありますから、肉のたたきを使った寿司を不用意に真似して、食中毒が発生しないかが心配です。

では
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