「介護保険は申請した。ケアマネジャーも決まった。
でも、一体どんなサービスが頼めるの?」 「保険で足りない部分は、どうすればいいの?」
あなたは今、たくさんのパンフレットや選択肢を前に、途方に暮れているかもしれません。 介護のサポートは、複雑で分かりにくいのが難点です。
でも、大丈夫です。
一つひとつを分解すれば、決して難しいものではありません。 あなたが使えるサービスは、大きく分けて3種類。 ご自身の状況と照らし合わせながら、「あ、これも使えるかも」という視点でチェックしてみてください。
1. 基本の道具】介護保険で使える「公的サービス」
まずは、要介護・要支援認定を受けた方が、原則1割(所得に応じて2〜3割)の自己負担で使える、介護の「基本ツール」です。これらを組み合わせて、ケアプランの土台を作ります。
① 家に「来てもらう」サービス
☐ 訪問介護(ホームヘルプ)
身体介護: 入浴、排泄、食事、着替えの介助など、直接体に触れるサポート。
生活援助: 掃除、洗濯、調理、買い物の代行など、ご本人のための家事サポート。
☐ 訪問看護
看護師が自宅を訪問。主治医の指示に基づき、健康チェック、医療処置、療養上の世話をしてくれます。
☐ 訪問入浴
(専用の浴槽を自宅に持ち込み、)入浴をサポートしてくれます。
☐ 訪問リハビリテーション
理学療法士などが自宅を訪問し、リハビリを行います。
② 日中「通う」サービス
☐ 通所介護(デイサービス)
日中、施設に通い、食事、入浴、機能訓練、レクリエーションなどを受けられます。親御さんの社会的なつながりを保つだけでなく、あなたが一人の時間(仕事や休息)を確保するために、最も重要なサービスの一つです。
☐ 通所リハビリ(デイケア)
医療機関や介護施設に通い、より専門的なリハビリを受けられます。
③ 短期間「泊まる」サービス
☐ 短期入所生活介護(ショートステイ)
数日〜1週間程度、施設に宿泊できます。あなたの出張時や、何よりも**介護者が心身の休息をとる「レスパイト・ケア」**のために、戦略的に活用すべきサービスです。
④ 環境を「整える」サービス
☐ 福祉用具のレンタル
介護用ベッド、車いす、歩行器などを、月額数百円程度でレンタルできます。
☐ 住宅改修費の支給
手すりの設置、段差の解消、スロープの設置など、小規模なリフォーム費用(上限あり)の7〜9割が戻ってきます。
2. 応用ツール】保険外の「公的&民間サービス」
介護保険のサービスは万能ではありません。
「介護保険では、ここまで」というルールが厳格に決まっています。 例えば、「ご本人の部屋以外の掃除(家族の居室など)」「ペットの世話」「庭の草むしり」などは、保険適用の訪問介護ではできません。
そんな「かゆいところに手が届かない」部分を補うのが、これらのサービスです。
☐ 自治体独自の福祉サービス
介護保険とは別に、市区町村が独自に行っているサービスです。
(例:配食サービス、緊急通報システムの設置、おむつ代の助成、軽度の家事サポートなど)
内容は自治体によって全く違うので、「地域包括支援センター」に「うちの市で、保険以外に使えるサービスはありませんか?」と必ず確認しましょう。
☐ 民間の介護・家事代行サービス(全額自己負担)
保険のルールに縛られない、自由度の高いサービスです。
メリット: 頼める内容が幅広い(家族全員の食事作り、大掃除、病院の付き添い、趣味の外出の同行など)、使いたい時にすぐ頼める。
活用法: 「週に1回は、民間の家事代行で水回りの掃除を全部やってもらう」など、あなた(介護者)の負担を直接減らすために活用します。仕事で忙しいあなたが、「時間をお金で買う」ための賢い選択です。
3. 知らないと損!】負担を軽くする「お金の制度」
「いろいろ使えそうなのは分かったけど、やっぱりお金が…」 そうですよね。そこで、使えるサービスを我慢しなくても済むよう、自己負担を軽くするための「セーフティネット」も存在します。
☐ 高額介護サービス費制度
これ、絶対に覚えてください。
介護保険の自己負担額(1〜3割)には、所得に応じて「月ごとの上限額」が決められています。
もし、その上限額を超えて支払った場合、超えた分は後から全額払い戻されます。
あなたが何もしなくても、対象者には通常、自治体から申請書が送られてきます。
☐ 負担限度額認定証
これは、特に「施設への入所」を考えた時に重要です。
親御さん(やその世帯)の所得が低い場合、申請すれば「認定証」が交付されます。
これを施設に提示すると、施設での「食費」や「居住費(部屋代)」が、大幅に安くなる制度です。
さて、たくさんの「道具」を見てきました。 今のあなたのお悩みは、きっとこうではないでしょうか。
「リストはわかった。でも、結局、うちの親の状況と、私の仕事のスケジュールに、どれとどれを組み合わせるのがベストなの?」 「こんなにたくさん、どうやって選べばいいの...?」
その通りです。 これらのサービスは、ただの「材料」にすぎません。
大切なのは、これらの材料をどう組み合わせて、あなたの生活に合った「最適なケアプラン」という料理を完成させるか、です。
その「プラン作り」を、ケアマネジャーだけに任せきりにしたり、あなたが一人で全部背負い込んだりする必要はありません。
※どのような介護を希望するのか?どのくらい仕事も含めた介護者の時間を確保したいのか?などの希望をケアマネージャーにしっかり伝えることが重要です。
その前に、あなたの「仕事も介護も、自分の人生も諦めたくない」という本音を、一度、客観的な立場の専門家に話してみませんか?
あなたの希望を叶えるための「道具」の選び方、組み合わせ方。
その「作戦」を一緒に立てることから、すべては始まります。
また、知識や情報を得られたからといっても、メンタル面や身体面のストレスや仕事と介護の両立をどうするかといった課題を全て解決できるわけではありません。
そのような場合は、是非ご相談ください。
介護当事者&キャリアコンサルタントの立場から、伴走しながらサポートさせて頂けます。