お金の話、どう切り出す?親と介護費用について話し合うための具体的なステップ

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介護保険の申請を考え始めた時、次にあなたの頭をよぎるのは、「で、結局いくらかかるの?」という現実的な問いではないでしょうか。

介護保険を使っても、自己負担は原則1割(所得に応じて2〜3割)かかります。デイサービス、訪問介護、将来の施設入居...。
それらの費用が、これから毎月、何年も続いていくかもしれない。

そして、それ以上に重く、口に出しにくい悩み。 「このお金、誰が払うの?」

親に「貯金はどれくらいあるの?」と聞くことのとてつもないハードル。 
プライドを傷つけてしまうのではないか。 お金に卑しい人間だと思われたくない。 もし、きょうだいと意見が食い違ったら...。

その不安、痛いほどわかります。 
しかし、この「お金の話」を先延ばしにすることこそが、将来、親御さん自身、そしてあなたや家族全員が共倒れになりかねない、最大のリスクなのです。

これは「親のお金をあてにする」いやらしい話ではありません。 
親御さんの大切な資産を、親御さん自身の望む生活のためにどう使うか、家族みんなで「一緒に」考える、最も誠実な話し合いなのです。
今日は、その重たい扉を開けるための、具体的な5つのステップをご紹介します。

ステップ1:【準備】まず、あなたが「敵の正体」を知る

いきなり親に「貯金はいくら?」と聞くのは、最悪の切り出し方です。 
まず、あなた自身が「おおよそ、いくら必要になりそうか」という客観的な情報を準備することから始めます。

介護費用の「相場」を知る: 前回お話しした「地域包括支援センター」 は、絶好の情報源です。「もし、うちの親が要介護2と認定されたら、一般的に月々どれくらいのサービス利用(自己負担)になりそうか」と、具体的な相場観を聞いてみましょう。

介護保険の「上限額」を知る: 介護保険には、介護度ごとに「これ以上使うと全額自己負担になる」という支給限度額が定められています。この情報も、計画を立てる上で必須です。

「何がいくらかかるか分からない」という漠然とした不安が、あなたの心を重くします。まずは敵(=必要な費用)の正体を掴むことで、あなたの不安を減らすことが第一です。

ステップ2:【切り出し方】主語を「私たち」に変える

準備ができたら、いよいよ親御さんに話を切り出します。 
この時、言葉の選び方がすべてを決めます。

NG例:「お父さんの介護費用が心配だから、貯金を教えて」
(→「私の財産をあてにしてるのか」と、親は防御的になります)

OK例:「この間、地域包括支援センターで介護保険の話を聞いてきたんだけど、これからのことを『私たち家族で一緒に』考えておきたくて。お父さん(お母さん)がこれからも安心して暮らせるように、そして私も仕事を続けながらサポートできるように、一度、家族みんなで将来のお金のことを整理しない?」

ポイントは、「あなた(親)のため」ではなく、「私たち(家族全員)の将来のため」という主語にすること。 これは、親の資産を子が奪う話ではなく、家族全員が将来困らないように「一緒に」対策を練る、ポジティブな「作戦会議」なのだと位置づけるのです

ステップ3:【可視化】「健康診断」のように、冷静に事実を書き出す

親御さんの同意が得られたら、感情を入れず、できるだけ「事務的」に事実を可視化していきます。

収入はいくらか: 年金(受給額)、その他の収入
支出はいくらか: 家賃、光熱費、食費、医療費、保険料など
資産はいくらか: 預貯金、有価証券、生命保険、不動産など

これは「財産調査」ではありません。健康診断の問診票を埋めるように、淡々と事実を一つの紙に書き出していきます。もし親御さんが抵抗を示したら、ステップ2の「なぜこれが必要か(=親御さん自身の安心のため)」という目的に、何度も立ち返りましょう。

ステップ4:【シミュレーション】「親のお金で、何年暮らせるか」を計算する

ステップ3で集めた情報を使って、簡単なシミュレーションをします。

(親の月収)-(親の月間支出)= 月々の余剰額(または不足額)
(ステップ1で調べた介護費用)-(月々の余剰額)= 毎月、介護で赤字になる額
(親の資産)÷(毎月の赤字額)= あと何年、親のお金で生活できるか?

この計算をすることで、初めて「じゃあ、この不足分をどうするか」という、具体的で現実的な議論がスタートできます。

子がいくら負担するのか、親の資産の一部を売却するのか、もっと費用を抑えたサービスプランにするのか。感情論ではない、数字に基づいた話し合いが可能になります。

ステップ5:【情報共有】きょうだいがいる場合、必ず全員に開示する

もし、この話し合いを、あなたと親御さんだけで進めてしまったら...。 後で必ず、きょうだいから「聞いてない」「なんで勝手に決めたんだ」という不満が噴出します。

ステップ4のシミュレーション結果は、きょうだい全員がいる前で、同時に開示してください。 「親の収支と資産は、このようになっています。
試算では、毎月これだけ不足する見込みです。
この不足分について、どう分担するかを話し合いたい」 と、具体的な数字をベースに提案するのです。
これが、第5回でお話しした「きょうだい格差」や、感情的な不公平感を防ぐ、唯一の方法です。
お金の話は、一度でスムーズに終わることはないかもしれません。 切り出すこと自体に、ものすごいエネルギーが必要です。

「うちの親は頑固だから、ステップ2の切り出し方でも怒りそう...。」 「きょうだいにどう話せば角が立たないか、具体的な言い回しを練習したい」

そう感じたのではないでしょうか。
制度やハウツー記事を読んでも解決しない、そのご家庭ごとの「人間関係」や「感情」が絡むコミュニケーション戦略こそ、実は一番難しい部分です。

いきなり家族会議という「本番」に臨む前に、一度、あなたの状況をよく知る客観的な第三者と、じっくり「作戦会議」をしてみませんか?

言葉の選び方、話す順番、資料の準備。 その一つひとつが、家族の未来を大きく左右します。

このような時にとても有効なのが、「私と家族の100年ライフ 見える化ノート」です。

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