でき太くん三沢のひとりごと

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投稿 その8

今回はちょっと文体を変えて書いてみました。
ひとりごとなら、こんな感じのものがあってもよいかなと思いまして。。。
調子にのって書いていましたら、ちょっと長くなってしまいました。
お仕事や家事が一段落したところでお読みいただければと思います。


人は変わることができないのか。
勉強ができない子は、ずっとできない子なのか。

答えはノーだ。
人は変わることができる。
人は成長することができる。

ただ、人が変わり、成長していくためには、いくつか条件が必要であるように思う。


まず、まわりにいる私たちの常識を見つめ直すこと。

もし小学3年生の自分の子どもが5+6のような計算に指をつかっていたら、あなたはどう感じるか。

「うちの子、大丈夫かな?」と感じ始めるのではないだろうか。

これは小学3年生で小学1年生の問題が満足にできないのは問題だという認識が私たちの中にあるからだ。

でも、子どもが10人いればそれぞれ顔が違うように、成長のステップも10人10通り。様々だと思う。

そう考えると、小学3年生のときに指を使わないと計算ができない子がいても、それはその子の成長のステップであって、本来は問題ではないはず。

それを問題と思うことが、実は子どもの成長の最大の阻害要因になっているのだ。

こうして本来は問題ではないことを問題だと思って、自分の子どもを「勉強ができない子」だと思ってしますケースはとても多いように思う。


以前私は「5+3」のようなたし算を、指を使って計算する小学5年生のお子さんの学習指導を担当させていただいたことがある。

先天的に脳に障害があるとのことで、お医者さんからも、34+36のような2ケタの演算までできるようにあれば良いほうではないかと言われていたそうだ。

「5+3」の計算で指を使い、お医者さんからも「2ケタの演算までできれば良いほう」と言われてしまったら、たいていはその子を「勉強ができない子」としてみてしまう。
そうみない人のほうが少ないくらいだろう。

しかし私たち親は、自分が死んだあとのことを考えると、「2ケタの演算までできれば良いほう」と言われても、わが子の成長をあきらめきれない。

親が亡くなったあと、2ケタの演算程度しかできないようでは、自分で満足に買い物もできないかもしれない。

もし買い物ができたとしても、おつりをごまかされてしまうかもしれない。
その程度の演算能力では不安ばかりがつのってくる。

自分たちがいなくなったら、この子はどうなってしまうのか。
親であれば、誰しもこのような不安を抱くだろう。


そのような中、その小学5年生の子どもの父兄は、私のところにやってきた。

私は自分の仕事として、子どもひとり1人の成長、学力状況に応じて学習材を作成し、その学習材の使い方をサポートしている。ひとり1人の子どもに合わせた学習材が正しく機能するようにサポートするのだ。

その指を使っていた小学5年生のお子さんも、まずはその子が必要とする内容のものから構成していった。

個別指導が当たり前のようになってきた今では、5年生のことがわからない子には、前学年、前々学年にもどって指導するケースもあるようだが、この子の場合は、小学1年生の内容からスタートしていく必要があった。

そのレベルの内容から、自宅で自分のペースで学習できるように学習材を調整していった。

その子は、自分にちょうどよいレベルに調整された学習材が学習しやすかったのか、毎日コツコツと学習を進めていった。土曜日も日曜日も、祝日も祭日も、クリスマスもお正月も、必ず毎日コツコツと学習を進めていった。

「これまでわからなかったことが少しずつわかってくる」ということに喜びを感じたのかもしれない。入会してから毎日休まずに学習を進めていったのだ。


半年を過ぎたころだったろうか。
お医者さんから言われた「2ケタの演算」を学習するところまで到達した。

私もその子の父兄も「ここまでは順調にきたけど、果たして2ケタの演算ができるようになるだろうか。。。」という少しの不安があった。

しかし、そのような不安はどこ吹く風といった感じで、その子は「2ケタの演算」も、淡々と学習を進めていき、しっかりと「2ケタの演算」ができるようになった。
このときの喜びは、今でも忘れられない記憶だ。


問題はここから先だ。
ここから先のことができるようになるのかどうか。。。

私は「2ケタの演算」から先の学習材は復習を取り入れながら、スモールステップで負荷がかからないように学習材を構成していった。慎重に難度を調整していった。

するとその子は、300ー5のようなちょっと特殊なひき算なども、スラスラと解答できるようになった。ついに、お医者さんが言っていた「2ケタの演算」以上のことができるようになったのだ。このときに、私の中にあったちっぽけな固定観念や常識は崩壊した。
そして、「人間の能力」、「命」というもののはかり知れない力に、ただただ驚嘆するばかりだった。


このお子さんは、その後もコツコツと学習を進めていった。
土曜日も日曜日も、祭日も祝日も、クリスマスもお正月も、毎日コツコツと学習を進めていった。

小学5年生から学習を始めて7年の月日が過ぎたとき、この子はどこまでできるようになったでしょうか。

みなさん想像ができますか。

この子は中学1年生が学習する「1次方程式の文章題」までできるようになりました。
1枚のテストに2時間近くかかっていましたが、満点でした。

方程式の文章題が解けるということは、「速さ」、「割合」といったいった小学校算数の山場となるような問題もできるようになっているということです。

「2ケタの演算」ができるようになれば良いほう」と言われたお子さんが、ここまでできるようになったのです。


人は変わることができる。
人は必ず成長することができる。

このことが、より多くの子どもたちに伝わっていきますように。


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今回のヘッダー画像は、近くにあるお蕎麦屋さんのおそばです。
コスパもよく、本当においしい!
美味しいお蕎麦がすぐに食べられるこの環境。
信州にいて本当によかったと思います。
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