放課後。
なんとなく流れで、二人はガストへ足を向けた。
理由は簡単。
「ねぇ、サイゼ行く?」
「行……こうと思ったけどさ」
「なに?」
「そろそろ流石に、新天地ってヤツを開拓したくなって来たかな」
「なるほど……。フロンティア、か……!」
「そう、我々に必要なもの、それはマンネリ打破なのだよ!」
「確かに!」
「行くか?」
「おうとも!」
こんなノリでサイゼリヤを選択肢から消しただけである。
だが、普通の高校生に潤沢な資金がある筈も無く。
ロイヤルホストは、コソッと視界に入れるだけで終わった。
「ふむ、取り敢えずドリンクバーと……」
取り敢えず生、みたいな感じでサクッとタブレットからドリンクバーを二つ入れる。
「あとは……」
「ポテト、かなぁ……?」
「マヨネーズとケチャップ、無しにしたら少し安くなるらしいよ」
「マジか。じゃあ無しで」
「他にはどうする?」
「むむむ……。マヨコーンピザ、かな……?」
基本的に『変わり種・多い・遊べる』というものが大好きだが、その全てを満たしているものは期間限定メニューだったりするので、割とオーソドックスなものに落ち着きがちだった。
それでも、今日はサイゼリヤでは無いというだけで目新しさ(の様なもの)がある。
二人の意見は合い、それで注文する事にした。
ネコ型のロボットは、もうココがアトラクションなのでは? というぐらいに二人のテンションを上げてしまい、隣の客に睨まれる。
しかしネコ型ロボットの耳の辺りを撫でるとリアクションが変わるので、はしゃぐなという方が無理であった。
「あ〜、可愛い」
「誰だろうね、あんなネコちゃんを雇おうって言い出したのは」
「ネコでロボットで働くって、もうドラえもんの時代からの鉄板ネタなんだよなぁ」
「愛されてウン十年……みたいな?」
「そう、だから実際に作った人は天才」
「違いない」
ひとしきりネコ型ロボット談義に花を咲かせながらも、ポテトをパクパク。
「これだけ塩があればケチャップとかも要らなくない?」
「そもそもテーブルにしょうゆまであるしなぁ」
「いやしょうゆはポテトに掛けないでしょ」
「目玉焼きには掛けるじゃん」
「それは玉子だし、それにソースだし」
「じゃあポテトもソースで良いよ」
「でもソースって……置いてあったっけ?」
「ドリンクバーのトコにも無かった?」
「無かった……と思う」
「だったら砂糖にしようか」
「既に塩が掛かってるのに?」
「そういえばそうだった」
「くっ……。なんか、この流れで思い出してしまった」
「サルみたいな顔になってるけど、どうした?」
「料理のさしすせそ……だっけ? あれの『せ』が分からなかったやつ」
「さうす、とかになるのかな? ソースだと」
「ん〜、どうかな。日本人なのに日本語が難しい……」
ポテトの次は、マヨコーンピザ。
円いピザを、ピザカッターで半分に切る事から始める。
「むっ、切ったと思ったのにまだ繋がっている……!」
「あははは、多分だけどチーズが原因だよね」
「ピザはチーズという接着剤で、離れ離れにならないようになっていた……?」
「じゃあ端からかじれって?」
「だったらこのコレはなんなんだ! 意外とコロコロするのは疲れるが?」
「ドンマ〜イ」
「うわぁ、自分は切る気がサラサラ無い」
「頑張れ〜」
「否定も無い。これは確信犯」
こんな事を話しながらでも笑っていられるのだから、楽しい。
『やっぱり友達って良いな』と、口には出さないものの感じている二人なのであった。