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とある高校生たちの放課後

放課後。なんとなく流れで、二人はガストへ足を向けた。理由は簡単。「ねぇ、サイゼ行く?」「行……こうと思ったけどさ」「なに?」「そろそろ流石に、新天地ってヤツを開拓したくなって来たかな」「なるほど……。フロンティア、か……!」「そう、我々に必要なもの、それはマンネリ打破なのだよ!」「確かに!」「行くか?」「おうとも!」こんなノリでサイゼリヤを選択肢から消しただけである。だが、普通の高校生に潤沢な資金がある筈も無く。ロイヤルホストは、コソッと視界に入れるだけで終わった。「ふむ、取り敢えずドリンクバーと……」取り敢えず生、みたいな感じでサクッとタブレットからドリンクバーを二つ入れる。「あとは……」「ポテト、かなぁ……?」「マヨネーズとケチャップ、無しにしたら少し安くなるらしいよ」「マジか。じゃあ無しで」「他にはどうする?」「むむむ……。マヨコーンピザ、かな……?」基本的に『変わり種・多い・遊べる』というものが大好きだが、その全てを満たしているものは期間限定メニューだったりするので、割とオーソドックスなものに落ち着きがちだった。それでも、今日はサイゼリヤでは無いというだけで目新しさ(の様なもの)がある。二人の意見は合い、それで注文する事にした。ネコ型のロボットは、もうココがアトラクションなのでは? というぐらいに二人のテンションを上げてしまい、隣の客に睨まれる。しかしネコ型ロボットの耳の辺りを撫でるとリアクションが変わるので、はしゃぐなという方が無理であった。「あ〜、可愛い」「誰だろうね、あんなネコちゃんを雇おうって言い出したのは」「ネコでロボットで働くって、もうドラえもんの時代からの
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ひとくちSS:どこにでもいる人

 私がバスに乗るとき、かならず「彼」は居る。  「彼」はいつも平凡なスーツを着ていて、周囲に溶け込んでいる。  それに気が付いたのは高校に入って、通学で毎日バスを利用するようになってから。  最初は「彼」の通勤時間と重なっているだけだと思っていた。  けど、休日。バスでショッピングモールへ行こうとしたときに、その時も「彼」は乗っていた。  行先も、時間帯も、路線だって違うのに。  今日は、偶然「彼」の隣の席になったので、声をかけることにした。 「あの……」「はい?」  ストーカーなのかと考えていたけれど、「彼」はごく普通な様子だった。  毎回必ず同じバスに乗っていることにも気付いていないらしい。  気付いていたなら、こんな「なんともないような」反応はしないだろうから。 「えっと、なんて言えばいいのかな。その……」「……なんです?」  少し予想外な反応に、私はどもった。こんな状況は想像していなかった。  むしろストーカーだったほうが、あとは警察に頼ればいいので──つまり「これからすべきこと」がはっきりしているので、かえって楽だったかもしれない。  ともかく私は事実を伝えることにした。 「私がバスに乗るとき、絶対、あなたが乗っているんです……この前の日曜だって乗ってた。これって偶然なんですかね……?」  すると、「彼」の表情はみるみるうちに「無」になった。 「それは私が『どこにでもいる』からだ」  「彼」の言葉を、私は理解出来なかった。だから「どういう意味です?」と訊ねた。  「彼」はまた、凍ったような無表情で答える。 「君は私が必ずバスに乗っていることに気付いたかもしれないが、そ
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ひとくちSS:世界一の爆弾

 当方への依頼をお考えになる際、どのような文章を書く人間かわからなければ困るかと思い、参考になるよう作品を少し公開しておこうと思います。 『世界一の爆弾』  私はとうとう完成させたぞ!  これは世に種々雑多あるどんな兵器より、どんな爆弾より素晴らしい。これ一つさえあれば、国民を苦しめる忌まわしき戦争も終結するだろう。いやはや、素晴らしい。  天才の私にさえ何年もの開発を要したのだ。きっとこれは、世界一の爆弾に違いない。  こいつを空中で炸裂させることを考えると、心が躍る。空を見上げる兵士たちの顔が目に浮かぶ。敵も味方も関係ない。銃持つ彼らはみな、一様に驚愕するだろう。  私は早速、完成した爆弾を軍に持っていった。これを世界で初めて使う栄光を、ぜひ我が国に捧げたかったのだ。 だが、彼らは、あろうことかそれを拒否した。そして口をそろえて言う。 「こんなものは、狂っている」  私には理解できない。なぜ彼らはこの爆弾の素晴らしさが分からないのか。これ一発で戦争は終わる。これは世界一美しい爆弾だというのに。  不本意だったが、私は敵国にこれを持っていくことにした。  亡命して、この身一つで軍門を叩く。 だが、せっかく研究者の地位を投げうってきたというのに、彼らの反応もまた、我が国の軍と同じだった。 「博士、あなたは狂っているよ」  遺憾だが、他の誰もが理解しないというのなら、私一人でやるしかあるまい。  私はこれまで名うての開発者として幾多の兵器を生み出してきた。その謝礼や報酬などは腐るほどにある。飛行機ひとつ買っても懐は痛まない。  私は早速準備を始めた。  最初はパイロットを雇おうと
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VS太陽

0 500円
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