自分で創る自分の車 No.36

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ブレーキを知ろう 3

■最適なブレーキとは?

問題は、それが一般走行なのか、サーキット走行会なのか、それとも本格的なレース用なのかということです。

ここでは、基本的なことを簡単に説明します。
レースでは、それぞれのブレーキセットが必要になり、混乱してしまうという方もご安心ください。


●パッドを交換する必要はありますか?
間違いなく必要です。
メーカー純正パッドやストリート用パッドでは、サーキット走行でまともな制動力を発揮することはできません。
レースではもちろん使用に耐えられません。

サーキット走行用のパッドは、一般道での使用を前提としながらも、高温域での性能に優れています。
その結果、パッドを交換することなくサーキットを往復でき、1周でも2周でもサーキットを楽しむことができます。
特にはじめてのサーキット走行では、5~10周ごとにパッドの摩耗をチェックしてください。

オーディオやライト類、スペアホイールなどを装備したストリートカーは、レースカーよりもはるかに重く、ストリート用のキャリパーではレースに対応できないことがよくあります。
キャリパー内部は何千㎞も何万㎞も一般道を走っているとフルードや油路などの内部が粘着性を帯びてきます。

また内部の腐食が進み、パッドはレース用キャリパーのようには浮いたり外れたりしなくなります。
また、ダストシールやピストンシールが硬化してしまうこともあります。

もしあなたがラップタイム更新に挑戦したり、レーススタイルのドライビングにステップアップするつもりなら、先にキャリパーのオーバーホールを行い、新品に近い状態へメンテナンスする事をおすすめします。


●ブレーキホースを交換する必要はありますか?
すべての市販車にはゴム製のホースが使われており、サーキット走行やレースの際にはこれらを交換する必要があります。

ゴム製のホースは強い踏力や熱で膨張してしまい、ソフトなペダルタッチになってしまいます。
過酷な使用環境では、一般道でハードな走行・使用を行うよりも温度が高くなり、ペダルの移動距離(量)が許容範囲を超えてしまうことがあります。

ホースは高価なものではなく、交換にかかる時間もわずかです。
しかし、この作業は適切に行われなければならず、取り付け後にはブレーキシステム全体から空気を抜き取らなければなりません。


●サーキット走行用のブレーキフルードは必要ですか?
フルードは2年ごとに交換する必要があることを考えると(多くの一般ドライバーは交換していませんが)、このタイミングで古いフルードを洗い流して、より温度安定性の高い新しいフルードに交換することをおすすめします。

まず、正しいフルードを選ぶようにしましょう。
すべての車はDOT3/4/5のフルードを使用していますが、缶にDOT5と書かれていても、誤解しないでください。

DOT5のグリコールベースとDOT5のシリコンがあり、この2つを混ぜるのは危険です。
ウェット沸点が高いDOT4にアップグレードされたフルードを選ぶのが良いでしょう。


●ディスクローターを交換する必要はありますか?
ローターは平らで滑らかでなければなりません。
理由はいくつかあります。

ローターに傷がついていたり、ひどく摩耗していたりすると、新しいパッドが馴染むのに時間がかかってしまいます。
また、ローターに傷がついていたり、ひどく摩耗していたりすると、最悪の場合、走行中に破損する恐れがあります。
サーキットでブレーキが効かなくなってしまっては困りますよね。

新品のパッドと新品のローターの組み合わせは、それぞれのズレ(公差)が原因で、馴染むまでに時間がかかります。
新品のローターを装着したい場合は、必ず新品のパッドを用意し、まずローターと馴染ませる必要があることに注意してください。

ローター表面が完全に接触しているかどうかを確認します。
新品のパッドは、新品のローターの外周で最初に接触し、接触部分は徐々に内側に広がっていきます。
ブレーキに負荷をかけるためには90%の接触が必要です。

販売メーカーの推奨する方法でローターやパッドの「慣らし」をしてください。


●ビッグブレーキキットは必要ですか?
本格的なレースには必要です。
サーキット走行会には必要かもしれません。
予算に余裕があれば、そうしてください。

そこで重要なのは、バランスのとれたキットを探して選択するということです。

リアブレーキのバランスをチェックせずに、単に巨大なディスクを車のフロントに装着するのはお金の無駄ですし、車のブレーキバランスを悪化させる可能性がありますので、慎重に選んでください。


ご自身の生活スタイルや想定されるシチュエーションに応じて必要な物品の選択をおこない、「無理をしない」という事が重要になってきます。
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