新潟大学による研究で、中高年の日本人男性において、「マグネシウム摂取量が少ない人は認知症発症リスクが増加する」という結果が出たそうです。
マグネシウム摂取量と認知症の関係については、諸説あり多すぎても少なすぎても認知症リスクが増加したとの結果も報告されているようです。
また、部分的に糖尿病や心疾患などの病気も誘引となっている可能性もあるそうです。なお、女性ではマグネシウム量と認知症との関連はみられませんでした。
研究報告によれば
◆マグネシウム摂取量が一番少ない群(男性)の摂取量は
215 (162–274)で(mg/日)
◆一番多く摂取していた群(男性)は
392 (317–498)で(mg/日)
でした。
ちなみに、日本の栄養摂取基準での1日のマグネシウム推奨量は
・男性で340mg~380mg
・女性で280mg~290mg
となっています。
今回の研究内での「男性で一番マグネシウム量が少ない群」は、215mg/日で、これは推奨量を大きく下回っていることが分かります。
参考)
・ケアネット(日本人のMg摂取と認知症リスク)
・JNS(40〜74歳の地域住民における食事中のマグネシウム摂取量と認知症リスク:8年間のコホート研究 2026/1/22掲載)
女性で認知症リスク増加がみられなかった理由は?
報告では女性のマグネシウム摂取量と認知症リスクとの関連は見られなかったそうです。その理由は定かではありませんが、女性は男性よりマグネシウム摂取量が多いからではないかと書かれていました。
マグネシウムはどうやって脳を守るのか
マグネシウムと認知症との関係で知られているのは、以下の3つです。
1)神経保護作用
マグネシウムはNMDA受容体(グルタミン受容体の一種)の適切な制御を行います。NMDA受容体の過剰な活動は興奮性の細胞死を引き起こすことがありますが、マグネシウムが過活動を抑制し細胞死を防いでいる可能性があります。
2)抗炎症、抗酸化作用
酸化反応や炎症反応は人間にとって必要なものですが、それを打ち消す働きも備わっています。
マグネシウムは炎症性サイトカインを抑制し、SODと言われる抗酸化システムの補酵素として働くことで、脳神経の保護をしていると考えられています。
3)動脈硬化や高血圧の予防
マグネシウムはカルシウムが細胞内に過剰に流入するのを防ぐ働きがあります。マグネシウムを十分に取ることで、カルシウム沈着による動脈硬化や高血圧を予防し脳の健康を守ります。
マグネシウム不足を解消するには?
マグネシウムは不足しやすいミネラルの一つで、肉や乳製品などの洋食中心の食生活では特に不足しやすいです。
マグネシウムが多い食品は
豆
種実
海藻
野菜
魚
キノコ類
芋類
などです。
いわゆる「まごわやさしい」を意識して取る、つまり和食を取り入れると比較的簡単に取れます。しかし「魚はあまり食べない」「芋や豆は苦手」と言う方もいると思います。そんなときの対策を2つ考えてみました。
対策1)
豆腐とわかめの味噌汁(プラスにがり5滴)を追加する。
**マグネシウム量 73mg
お肉が多い家庭は、豆腐とワカメの味噌汁ににがりを少量垂らしていただくのはどうでしょうか。それだけでマグネシウムが約70mg取れます。
対策2)
サラダにキノコ、ジャコ、海苔、蒸し大豆、ゴマなどをトッピングする
**マグネシウム量 80mg~100mg
サラダを作るときは、マグネシウムが豊富な食材をトッピングしましょう。それだけで、かなりの量のマグネシウムが取れます。
マグネシウムを取り入れて脳の健康を守ろう!
もちろんマグネシウムだけで脳の健康は守れません。しかし、マグネシウムは普段の食事で不足しやすい上に、加齢とともに吸収力も落ちてきます。意識して取りたいですね。