第十四回 持戒 ~言行一致~

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コラム
お釈迦様が教えられた「しあわせになるための六つの種蒔き(行為)」を、「六度万行」と申します。
前回までは、その六つのうちの一つ「布施」についてお話してきました。

次は「持戒」です。
持戒とは、言行一致とか約束を守る、事をいいます。

約束を守る大切さを示す一例として、このような話がのこっています。
有名な話で、ご存じの方も多いかもしれません。

それは、ある学生と女の子との約束の実話です。

ある女の子が家族に頼まれ、買い物に行きました。
しかし、大変なことにその帰り、大事な牛乳瓶を道に落として割ってしまったのです。

そこへ通りがかった、ある貧乏学生。
泣いている女の子から事情を聴くと、

「わかった、今度の金曜日に同じ場所においで。私がその牛乳瓶の代金を君に渡すから。約束するよ。」

それを聞いた女の子は
「お兄ちゃん、本当?ありがとう!」と、泣き止み家路へと帰りました。

しかし翌日、この貧乏学生にビッグニュースが入ります。
あなたの研究を支援したいという、富豪からの申し出があったのです。
ところが、面会したいという日時は今度の金曜日。
なんと、先に約束した女の子と同じ時間でありました。

学生はしばし考えました...そして、女の子との約束を守ることを決めました。

せっかくの厚意を断られ、一時は激怒した富豪でしたが、後日、事の次第を知るに、ますますこの学生を支援したくなった ーーー というお話です。

約束を守るということの大切さが伝わってくる逸話ですね。

しかし、この学生の様に、私たちの日常で、純粋に約束を守るという事は、なかなか難しいものであります。特に利害が絡んでくるとなおさらです。

「言うは易し行うは難し」

わたくしも、胸に手を当て反省したいものであります。


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