誰かが望む「良い子」や、職場が求める「仕事ができる人」、パートナーが期待する「理想の恋人」。そんな風に、周りの期待に応えようと一生懸命に「役柄」を演じているうちに、ふと「あれ?本当の自分って、どんな顔をして笑っていたっけ?」と分からなくなってしまうこと、ありますよね。
これまで、たくさんの方のお悩みを聞くなかで、このように自分の姿を見失って迷子になってしまっている方に、本当にたくさん出会ってきました。
周りの空気を敏感に察知して、相手が喜ぶセリフを言ったり、求められている役割を完璧にこなしたりできるのは、あなたがそれだけ優しくて、人の気持ちを大切にできる素敵な人だからに他なりません。
でも、ずっと舞台の上で主役や名脇役を演じ続けていたら、だれだって疲れてしまいますよね。楽屋に戻って衣装を脱ぐ時間さえなくなってしまうと、心はどんどん息苦しくなっていきます。
僕は、本当の自分を見失いそうになったときは、無理に「素の自分」を探しだそうとしなくても大丈夫、と考えています。
「本当の自分って何だろう?」と考えれば考えるほど、まるで出口のない迷路に入り込んだような気持ちになってしまうからです。
そんなときは、新しく何かを見つけようとするのではなく、今まとっている重い衣装を、一枚ずつそっと脱いでいくようなイメージを持ってみてください。
「あ、今、相手の顔色をうかがって無理に笑っちゃったな」と気づくだけで十分です。その気づきこそが、仮面の下にあるあなたの本心が「ここにいるよ」とサインを出してくれている証拠ですからね。
演じることに疲れたときは、どうか自分を責めないでください。まずは「今日も一生懸命、誰かのために頑張ったんだね」と、その頑張りを自分で認めてあげてほしいのです。
そして、ほんの少しの時間でも良いので、誰の目も気にせず、深呼吸をして、あなたが一番リラックスできる空間で過ごしてくださいね。
あなたがあなたらしく、心地よく呼吸できる場所は、必ずあります。少しずつ、その仮面を外して、軽やかな本来の軽さを取り戻していきましょう。いつでも僕は、あなたの味方ですからね。