ふとした瞬間に、誰かから自分の名前を呼ばれたとき。なんだか不思議な気持ちになったり、「あれ?これって本当に僕なんだろうか」と、心の中にすうっと奇妙な隙間が空いたような感覚を覚えることってありませんか?
どこか他人のことのように聞こえてしまったり、仮面をかぶった自分だけが返事をしていて、本当の自分の心はもっと奥のほうで、じっと息をひそめているような、そんな感覚です。
これまで、たくさんの方から仕事や将来への不安、日々の生きづらさなど、本当にさまざまなお悩みを聞いてきました。その中で、この「名前に感じる違和感」についてお話ししてくれる方も、実は少なくありません。
自分の名前というのは、生まれてからずっと一番近くに寄り添ってきたはずの言葉ですよね。だからこそ、そこに違和感を持ってしまうと、「自分はおかしくなってしまったのかな」とか、「自分を見失ってしまっているのかも」と、よけいに不安になってしまうこともあると思います。
でもね、まずは安心して大丈夫ですよ。僕は、この違和感って、決して悪いことでも、あなたが心を病んでしまっている証拠でもないと考えています。
むしろ、あなたが自分の心と、とても丁寧に向き合おうとしているからこそ生まれる、大切な心の変化のサインなんです。
私たちは毎日、いろんな役割を一生懸命に生きています。職場の自分、誰かのパートナーとしての自分、友人としての自分、家族の中での自分。知らず知らずのうちに、周りの期待に応えようとして、その場にふさわしい「自分」を無意識に演じていることがよくあります。
そうやって外側の役割をがんばってこなしているとき、名前を呼ばれると、その「役割の自分」だけが呼び出されたような気持ちになってしまうんですね。その一方で、あなたの心の中には、まだ誰にも見せていない、もっとピュアで、もっと自由な「本当の自分」がちゃんと存在しています。
「名前に違和感がある」というのは、その奥底にいる本当のあなたが、「ねえ、私はここにいるよ。外側の名前のイメージだけで私を決めつけないでね」って、小さな声を上げている状態なのかもしれません。
つまり、外側の自分と内側の自分が少しだけズレていることに、あなたの繊細で優しい感性が気づくことができた、ということなのです。自分の変化に敏感になれている証拠なんですよ。
だから、もしまた名前に違和感を覚える瞬間があったら、どうか自分を責めたり不安がったりしないで、心の中でそっと自分の胸に手を当ててみてください。
そして、「今日も一生懸命がんばっているね」「本当の私も、ちゃんとここにいるから大丈夫だよ」と、自分で自分を認めてあげてくださいね。
名前という枠組みに無理に自分を当てはめようとしなくていいんです。あなたは、名前という短い言葉だけでは到底表しきれないほど、豊かで、優しくて、素敵な可能性をいっぱいに秘めた、かけがえのない存在なのですから。
そんなあなたの本当の心が、少しずつでも安心して表に顔を出せるように、僕はいつでもここであなたの味方として、お話を聞かせていただきたいと思っています。