「何も感じない」は、心が一生懸命守ってくれた証拠。麻痺した自分を解き放つための優しい時間

「何も感じない」は、心が一生懸命守ってくれた証拠。麻痺した自分を解き放つための優しい時間

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コラム
ふと気づくと、心の奥が冷たい霧に包まれたようになったことはありませんか。「悲しいはずなのに涙が出ない」「嬉しいはずなのに、どこか遠くの出来事のように感じる」。そんなふうに、自分の感情がまるでスイッチを切ったみたいに分からなくなってしまうときがあるかもしれません。毎日を必死に駆け抜けて、周りの期待に応えようと頑張りすぎてしまう繊細なあなたほど、気づかないうちに心に重い蓋をしてしまうことがあります。僕は、そんな状態を「心が自分を守るためにとった、最後の手段」だと考えています。

頑張りすぎて、もうこれ以上は傷つきたくないと心が悲鳴を上げたとき、脳はあえて感情を切り離すことで、あなた自身を壊れないように守ろうとします。それは、あなたが弱いからではなく、これまで一生懸命に耐えてきた何よりの証拠なのです。だからこそ、自分の感情が分からなくなってしまった自分を、どうか責めないでくださいね。「どうして私は冷たいんだろう」なんて思う必要は全くありません。むしろ、今まで本当によく頑張ってきましたねと、心の中で自分に声をかけてあげてほしいのです。

感情の麻痺は、心からの「今は少しだけ、休ませてね」というサインです。何も感じられない今の時期は、いわば心の冬眠期間のようなもの。焦って無理やり感情を取り戻そうとしなくて大丈夫ですよ。まずは、温かい飲み物を飲んだり、ただぼんやりと空を眺めたりして、五感を少しずつ目覚めさせることから始めてみませんか。冷たい風の心地よさや、お布団の柔らかさといった、小さな感覚に意識を向けるだけでも、心は少しずつ安心を取り戻していきます。

感情を抑え込むことに慣れてしまうと、自分の本音すら迷子になってしまうことがあります。そんなときは、ノートに今の気持ちを書き出してみるのも一つの方法です。と言っても、「何かを感じなければ」と気負う必要はありません。「今日は何だか体が重いな」「空が少しだけ明るい気がする」といった、本当に些細な断片で十分なのです。言葉にならないモヤモヤを外に出すだけで、心には少しだけ隙間ができます。その隙間に、また少しずつ、あなたらしい優しい感情が戻ってくるはずです。

心理カウンセラーとして、多くの悩みに触れてきましたが、感情を麻痺させてしまうほど頑張れるのは、それだけあなたが誰かや何かを大切に想う気持ちを持っているからこそです。どうか、その優しさを、真っ先にあなた自身に向けてあげてください。あなたは、何を感じていても、何も感じられなくても、そこにいるだけで価値がある存在です。今のこの時間は、あなたがまた自分らしく笑えるようになるための、大切な準備期間なのだと信じています。ゆっくりと、自分のペースで、心と対話する時間を楽しんでいきましょうね。

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