マインドフルネスと脱ネガティブ思考の関係とは?

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コラム
先日「脱・ネガティブ思考の道」というタイトルで、ネガティブな思考に囚われすぎないための方法をご紹介しました。
その内容について、
「現在に集中すること(マインドフルネス)が、心の安定にどんなふうに影響するのか?」

というご質問を受けましたので、こちらを更に突っ込んで考えてみたいと思います。

1.心が不安定になるのはどんな時か?

逆を考えてみましょう。
「心が安定している時」は、どうなっているでしょうか。
人には毎日やるべき業務、作業、役割があります。気が乗ろうが乗らなかろうがやらなきゃいけません。
心が安定していれば、そうしたものに積極的に取り組むことが出来ます。やっているうちにもっと先の展望が開けたり、効率のいい方法を思いついたり、他の人を手伝う余裕まで生まれます。
それは、やるべきことに集中出来ているからです。

不安定な時とは、やるべきことに集中出来ない時です。
目の前の人との会話に集中しなければいけないのに、昨日の夫婦喧嘩のことが気になって適当な返事しか出来ない
不安が続いていて夜しっかり眠れないせいで、大事な試験の最中に眠くなってしまった
車を運転している時に悩み事に囚われて、他の車とぶつかりそうになった

やるべきこと・目の前の作業に集中出来ない理由があるときが、「心が不安定なとき」と言えるでしょう。

2.不安定になっている時の心の状態

目の前の作業に集中出来ない、ということは、集中を妨げるものがあるのです。
何に妨げられているのでしょう。
それは、自分の思考です。

・もし~~になったらどうしよう(未来への不安)
・あの時~~出来ていればよかったのに(過去への後悔)

のように、目の前にないものに囚われ、支配され、振り回されてしまっていると言えます。

3.<おさらい>マインドフルネスとは


ここでマインドフルネスが登場します。
おさらいになりますが、マインドフルネスとは
「現在において起こっている経験に注意を向ける心理的な過程」(wikipedia)
のことです。
過去や未来について考えること自体がダメなこと・無駄なことなのではありません。
今目の前で起きていることに集中出来ないことで自分が不利益を被ってしまったり、過去や未来のことばかり考え「過ぎて」しまうことで心の安定を失うことを防ぐために、「今この瞬間」に意識を立ち戻らせてくれるマインドフルネスが必要なのです。
その時に必要なものごとへ意識を集中させられる柔軟さが、心を安定させてくれるのです。

過去の嫌なこと、未来への不安へは、結構簡単に集中することが出来ます。
しかし「今この瞬間」を意識するのは、あえてやろうとすると「どうやって?」と悩んでしまいますよね。

色んな方法がありますが、誰でも出来ることが「自分の呼吸に集中する」方法です。

自分がどんなふうに息を吸って吐いているのか、今の周囲の環境、自分の姿勢、どこに力が入っているか、などを、電話の向こうにいる人に説明するつもりで観察してみましょう。

やっている途中ですぐに「来週は~~の予定が…」のように、気になることが思い浮かんでくると思います。
それはとても普通のことです。
思い浮かんだら、もう一度呼吸に意識を集中し直しましょう。
部屋の外を通り過ぎる救急車を見送るように、スルーしましょう。

これを繰り返すことで、「今」に集中するとはどういうことか、を体感できると、別のことに囚われて振り回された時に「今」へ戻ることで、その囚われから解放され、気持ちが安定する、という流れですね。
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4.「今この瞬間」だけが自分の自由になる時空

「明日という日は永遠に来ない。明日が来ればそれはもう今日だから」
という言葉は有名ですよね。まさにその通りです。
人が本当の意味で自由に管理統括出来るのは「今この瞬間」だけなのです。

来週嫌な予定が控えているとして、その時のことばかり考えていて、来週になって何か事態が変わっているでしょうか。予定通り嫌な予定をこなすだけです。

嫌な予定への対策を施すとしたら「今この瞬間」に動くしかありません。
その「今」を繰り返すことで、来週の嫌な予定がやってきます。対策を取ったことで、「イヤ度」が100から40くらいまで下がっているかもしれません。

5.「今この瞬間」に行動出来る効果

更に、過去や未来に囚われず「今この瞬間」に集中して必要な行動を取れると、想像していたより悪い結果にならずに乗り越えることが出来る可能性が高くなります。

何も行動しなくても、悪い結果にはならずに済むかもしれません。
しかしその場合、「たまたま偶然ラッキーだったんだ」と思ってしまい、次に同じような不安が沸いた時に、また同じように心が不安定になりかねません。

何か行動をとって当日を迎え、想像したよりもスムーズに乗り越えることが出来たとしたら、「自分が対策を取った結果だ」と解釈することが出来ます。
そうすると、次回はもっと対策の精度を上げようと、具体的な行動が増えていくでしょう。
繰り返すうちに、以前はイヤで仕方がなかった予定が、「普通の予定」と同レベルになっているかもしれません。

こうした経験は、他の状況へも良い影響を及ぼします。
自分が動くことで良い結果が得られる、という自信です。
「自己効力感」と呼びます。
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6.まとめ

マインドフルネスの重要性は、「今この瞬間に意識を集中する」体験を繰り返すことで、不安(未来)や後悔(過去)に支配され振り回されることから自分を解放できる点にあります。

未来でも、過去でも、現在でも、必要な時に必要な時空に意識を集中させる柔軟性を身につけることで、心が安定し、それによって具体的な行動を取ることが出来、自分への自信を積み重ねていくことが出来る、という流れになります。

マインドフルネスは特別な環境や道具は必要ありません。
最初は1分でもいいので、自分の呼吸のことだけを考える体験をしてみてください。
慣れてくると、不安や焦り、怒りに支配された時にすぐ実行することが出来るようになり、心が落ち着いていくのを体験することが出来るでしょう。


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