職場ストレスが消えない3つの理由:あなたの「対処法」が逆効果になっているかもしれない

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上司から連絡が来るたびに、心臓がキュッとする


会議の前日、何度もシミュレーションする。当日、発言しようとすると声が少し上ずる。帰りの電車で「今日の報告、言い方が悪かったかな」とスマホを開く。

まあ、よくある話だと思うかもしれない。ちょっと真面目すぎるだけで、慣れればなんとかなる、と。

でも、何年も同じことを繰り返している人に聞きたい。慣れてきているだろうか。

ある日、30代の会社員・ケンジさんという人に話を聞いた。朝、スマートフォンの通知を見るたびに胃がキュッとなる。上司からのメッセージかもしれないと思うと、開くのが少し遅くなる。会議では常に背筋が緊張している。帰宅してもなんとなく頭の中で上司の顔が浮かんでいて、風呂の中でも消えなかった。

「別に、上司が嫌いなわけじゃないんです。でも、なぜかずっと気になってしまう」とケンジさんは言っていた。

真面目に仕事をして、コミュニケーション本も読んで、「相手の立場に立って考える」ことを毎日意識している。それなのに、何年たってもラクにならない。

あるとき、僕はこのパターンについて考えていた。そして、気づいてしまった。

それ、もしかしたら、頑張り方そのものが問題かもしれない。

メンタルの強さとは、まったく関係のない話だった。

第1章:「真面目に努力する」が、なぜ逆効果になるのか


汚れた布でガラスを拭いているようなものだ、と思うことがある。

拭けば拭くほど、汚れが広がる。

職場の人間関係で「もっと気をつけよう」「もっとうまくやろう」と努力している人の一部は、実はこれに近いことをやっているかもしれない。

なぜそうなるのか。かなりシンプルな構造がある。ただ、それは自分一人では気づきにくい。自分の目で自分の目の検査はできないのと同じで、問題のパターンの中にいる人にはそのパターン自体が見えないからだ。

僕自身の話をする。

製造業に入って数年たったころ。朝5時半に出て、夜9時に帰る日々が続いていた。上司との関係が険悪になってミスが続いた。体重が1年で10キロ落ちた。夜は、お粥しか食べられなかった。胃の痛みで病院に通っていた時期もある。

それでも辞められなかった。「仕事を失ったら終わり」という感覚が、頭から離れなかった。

状況を変えようと、コミュニケーション教室に通い始めた。3年間、年間40万〜50万円をかけた。

最初の1年はよくなった気がした。上司との関係も少し改善した気がした。しかし、半年後にはまた胃の痛みがひどくなった。

お金と時間だけが消えていた。

僕がそのときやっていたのは、「もっと上手にコミュニケーションする努力」だった。でも今思うと、それは間違ったフォームで1000回素振りしているようなものだった。間違ったフォームが上手くなるだけで、本質的なところは変わらない。

じゃあ、本質的なところとは何なのか。これについて、次の章から話したい。

第2章:「変わった人」の話:なぜ同じ職場でラクになれたのか


アキラさんは、上司が近くを通るたびに背筋が固まる人だった。毎朝、出社前に胃薬を飲んでいた。会議では発言がほとんどなく、会議後に「さっきの発言、変じゃなかったか」と誰かに確認する癖があった。

3年間、同じことを繰り返していた。転職も検討した。でも、「新しい職場でも同じになるんじゃないか」という不安が先に来て、動けなかった。

あるとき、アキラさんは自分が無意識にやっている「あるパターン」の存在に気づいた。それだけだった。対処法を学んだわけでも、メンタルを鍛えたわけでもない。ただ、自分のパターンが見えた。それだけで、行動が変わり始めた。

半年後、アキラさんは会議での発言が月に1〜2回から週に複数回になっていた。転職を考えるのをやめた。1年後、今のポジションで評価が上がっていた。

ユウコさんも似たケースだ。40代で、職場では「できる人」として通っていた。でも帰宅すると、その日の上司とのやりとりを何度も思い返すのが習慣になっていた。日曜の夜は翌日が怖くて眠れないことがあった。

「別に上司が怖いわけじゃないんですけど、なぜか頭から離れないんですよね」と言っていた。

ユウコさんも、ある気づきを経て変わった。3か月後、「日曜の夜がラクになった」と言っていた。半年後には、職場でのやりとりを家に持ち帰らなくなっていた。職場が変わったわけではない。上司が変わったわけでもない。

ただ、正直に言っておくと、この人たちはたまたま出会えただけだ。一人でこれを見つけるのは、かなり難しい。いや、ほぼ無理だと思う。

第3章:「うまくやろう」という努力が、緊張を強化している


これは、多くの人が聞いたことのないことかもしれない。

ストレスを減らそうとする「努力そのもの」が、ストレスを強化していることがある。

たとえば、こういうパターンだ。

職場のコミュニケーション術を学んで使ってみる。しかし、意識して使うと不自然さが相手に伝わる。相手が少し距離を置く。「やっぱりうまくいかない」と落ち込む。もっと頑張ろうとする。もっと不自然になる。

あるいは、こういうパターン。自分を変えようと決意する。変わらない自分に失望する。「自分はダメだ」という感覚が強まる。他者の評価がさらに気になるようになる。もっと変わろうとする。

「じゃあちゃんとやればいいじゃないか」と思うかもしれない。でも、ここが難しいところだ。

問題のパターンの中にいる人は、そのパターン自体が見えない。見えないから、対処も的外れになる。自分の目で自分の目は検査できないのと同じで、フィードバックなしに正しいフォームに直した人を、僕はほとんど知らない。

僕も5年近く、このループにはまっていた。本を何十冊も読んだ。セミナーにも行った。「気づいた」と思ったことも何度もあった。でも半年後にはまた同じところに戻っていた。お金と時間だけが消えていった。

正直に言うと、僕は医師ではない。薬を出せるわけじゃないし、全員がうまくいったわけでもない。途中でやめた人もいる。相性が合わないこともあった。1回話しただけで劇的に変わる人は、ほとんどいない。

でも——。

自分のパターンが何なのかを「見る」こと。それが最初の一歩だということは、100人以上の話を聴いてきてわかってきた。

話を聴くことと、話を一緒に整理すること。それだけなら、できる。

ワークショップを160回以上やってきてわかったのは、「気づき」は一人では得にくいということだ。誰かに話してみて、初めて見えてくるパターンがある。

50分話してみる。

話した後に、「自分のパターンのかけら」が見えるかもしれない。キャリアのこと、職場のこと、疲れのこと。どこからでも入れる。

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ただ一つだけ。一人で抱えてる時間は、思っているより長くなる。僕は5年かかった。そのうち何年かは、振り返ると方向が違っていた。

おわりに


職場がつらいのを「自分のメンタルが弱いせい」だと思っている人は、意外と多い。

でも、ここまで読んできた人には伝わっていると思う。そうじゃないかもしれない、ということが。

どうするかはあなた次第だ。でも、何か引っかかるものがあったなら、それはたぶん、本当のことだからだと思う。

🙋 このブログを書いている人について
だいき|産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
会社員時代、職場の人間関係でメンタルが限界に。「このままではまずい」と一念発起し、コミュニケーションを学び直した経験が、産業カウンセラー・キャリアコンサルタントの資格取得につながりました。
恋愛・婚活でも7年間で88人とデートを重ねながら、うまくいかない時期が長く続きました。その苦しさを知っているからこそ、脳科学・進化心理学・愛着理論といった知識を「自分ごと」として学び続けてきました。
キャリアブレイクコミュニティでは160回以上のワークショップを主催。さまざまな悩みや状況を持つ方と向き合い続けてきた経験が、相談の土台になっています。
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