「私、昔はこんなじゃなかった」
マッチングアプリの通知を開くたびに、なんとなく気が重くなる。プロフィールを読んで、何度かやり取りして、会ってみる。悪くない人だけど、なんか違う。また振り出しに戻る。
そういう繰り返しが続いているとき、ふと頭をよぎることがある。「昔は、こんなに苦労しなかった」と。
20代のころは、それなりに声をかけてもらえた。選ぶ側だった。好きな人ができたら、ちゃんとうまくいくこともあった。なのに今は、同じように動いているつもりなのに、同じ結果にならない。何かが噛み合っていない感じがずっとある。
あるとき、40代の女性がこんなことを話してくれた。
ナナさんは、20代のころに職場でも飲み会でも中心にいるタイプだった。外見に気を使って、誰とでも話せる。自分の周りにはいつも誰かがいた。しかし30代後半から、なんとなく人間関係が変わり始めた。仲の良かった友人たちは結婚して子育てで忙しくなり、職場でのポジションも変わった。恋愛も、どこかかみ合わなくなっていった。「自分は何も変わっていないのに」という感覚と一緒に、じわじわと孤立していく感じがあった。
でも実は、これは「何も変わっていない」ことが問題だった。
それはメンタルの弱さとも、努力不足とも関係のない話だった。
第1章:あなたの「強みの武器」が、今は逆に働いているかもしれない
恋愛でも人間関係でも、うまくいっていた時期には必ず「理由」がある。そしてその理由が、時間とともに機能しなくなることがある。
若い頃に「魅力で人間関係を作ってきた」人は、ある意味、すごく効率的な方法を使っていた。見た目が整っていれば、最初のフィルターを楽に通れる。話しかけられやすい。選ばれやすい。その経験が積み重なって、「自分はこうやって関係を作るものだ」という無意識のパターンになっていく。
でも、これはたとえるなら、若いころに身についた「走り方のフォーム」みたいなものだ。そのフォームで走れていた20代には、何の問題もなかった。しかし40代になって、体の使い方が変わってきたとき、同じフォームで走り続けると、かえって疲れる。膝が痛む。前に進まない。
間違ったフォームで1000回練習しても、間違ったフォームが上手くなるだけだ。
心理学の世界に、ある有名な研究結果がある。大学時代に「大変魅力的」と評価された女性が、50歳前後になると幸福度や生活への適応が低くなる傾向がある、というものだ。男性にはこの傾向は見られなかった。なぜそうなるのか。詳しいメカニズムには名前もついているし、構造もある。ただ、それは「外見で築いた人間関係が、外見が変わるとともに機能しなくなる」ということとは、別の話だ。
僕自身は、恋愛でも人間関係でも、まったく別の方向で何年も間違ったフォームで走り続けた経験がある。
10年以上前、職場での人間関係がどん底だった時期がある。派遣社員の同僚が辞める際に僕への不満を上司に告げ、上司から咎められた。その頃から体重が10キロ落ちた。夜はお粥しか食べられなかった。1年近く、そういう状態が続いた。何かを変えなければと思って、コミュニケーション教室に3年通った。年間40〜50万かかった。確かに状態は少し良くなった。でも、根本的な「自分の動き方のパターン」は変わっていなかった。半年もすれば、似たような場所に戻っていた。
どんな方法を使うかより先に、自分がどういうパターンで動いているかを見ないと、努力の方向が毎回ズレる。
じゃあ、どうすればそのパターンが見えるのか。これについては、ここからの話が大事になる。
第2章:パターンに気づいた人たちの話
方法ではなく、自分のパターンを知ることで変わった人が、実際に何人もいる。
ミキコさんは、40代前半のころから「また同じことが起きている」という感覚を何度も持ち始めていた。相手を変えても、場所を変えても、なぜか同じような展開になる。一定のところまでいくと、相手が引く。または、自分が冷めてしまう。その繰り返しだった。あるとき、自分の恋愛パターンを外側から整理してみたところ、「自分が選ばれることに慣れすぎていて、自分から動く筋肉がほとんど育っていない」ということが見えた。それだけだった。特別な方法を学んだわけではない。でも、それが見えてから3か月後、ミキコさんは職場での人間関係の組み方を少しだけ変えた。半年後には、10年以上会っていなかった同期と久しぶりに連絡を取り合うようになり、そこで今のパートナーと知り合った。
リカさんは、50代を前にして「自分が何を求めているのか、よくわからなくなった」と話していた。婚活サービスに登録して、会う人のプロフィールは申し分ない。でも、会うとどこか物足りない。何が物足りないのか、言葉にできない。あるとき、自分のパーソナリティタイプと恋愛パターンの関係を整理してみたら、「安心できる環境への依存度がとても高い」ということがわかった。物足りないのは相手のせいではなく、自分が「かつて安心できた環境」との比較をずっとやっていたからだった。それが言葉になってから、リカさんは婚活の場所の選び方を変えた。1年後、年齢の近い男性と交際を始めた。
ふたりに共通しているのは、特別なテクニックを学んだわけではないという点だ。ただ、自分の動き方のパターンが見えた。それだけで、次の動き方が変わり始めた。
ただ正直に言うと、この人たちはたまたま自分のパターンを整理する機会に恵まれた。一人でこれをやろうとしても、かなり難しい。というより、ほぼ無理に近い。
第3章:「もっと頑張ること」が、パターンを強化している
恋愛がうまくいかないと、大半の人はまず「もっとやろう」と動く。マッチングアプリの数を増やす。会う回数を増やす。ファッションを見直す。連絡の仕方を変える。
これは間違いではない。でも、自分のパターンを変えないまま量を増やすと、実は困ったことが起きる。
「会う回数を増やす→うまくいかない経験が増える→自己評価が下がる→焦りが出る→余計にうまくいかなくなる」。このループは、頑張るほど深くなる。
もっと厄介なのは、「自分を変えようとする」パターンだ。見た目を磨く、話し方を変える、積極的になってみる——これ自体は悪くない。でも、「変わらない自分への苛立ち」が強くなるほど、行動がぎこちなくなる。相手にはそのぎこちなさが伝わる。距離が生まれる。「やっぱりうまくいかない」で終わる。
自分の目で自分の目は検査できない。自分のパターンの中にいる人は、そのパターン自体が見えない。見えないから、対処の方向が毎回ズレる。ズレたまま努力するから、努力すればするほど、ズレが強化される。
僕は5年近くこのループにいた。本を何十冊読んでも、セミナーに行っても、「気づいた」と思っても、半年後にはまた同じ場所に戻っていた。3年間コミュニケーション教室に通って、年間40〜50万かけた。一時的に状態は良くなった。でも、自分のパターンが見えていなかったから、結局は似たような場所に引き戻されていた。お金と時間だけが消えた。
正直に言うと、僕の提供しているサービスで劇的に何かが変わる保証はできない。僕は医師ではないし、診断書も書けない。特定の相手との関係改善についての答えも持っていない。1回レポートを読んだだけで、すべてが解決するわけでもない。
それは分かっている。でも、自分のパターンが「言葉になる」ことには、確かな意味がある。見えていなかったものが見えると、次にどこに力を入れるべきかが、少しだけはっきりする。
回答シートに答えるだけで、あなたのパーソナリティタイプと恋愛パターンを2つの心理学理論から分析した20ページ以上のPDFレポートをお届けする。どんな恋愛スタイルを持っているか。相性の良い相手のタイプはどういう人か。今日から動けることは何か。それが言葉になって手元に届く。
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ただ一つだけ。自分のパターンが見えないまま過ごす時間は、思っているより長くなる。僕は5年かかった。そのうちの何年かは、振り返ると方向が完全にズレていた。
おわりに
若い頃にうまくいっていた方法が、今は機能しなくなっているとしたら、それはあなたの努力が足りないからではない。フォームが変わっていないのに、コースが変わったというだけかもしれない。
この記事を読んで、何か引っかかるものがあったなら、それはたぶん、本当のことだからだと思う。どうするかはあなた次第だ。
🙋 このブログを書いている人について
だいき|産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
会社員時代、職場の人間関係でメンタルが限界に。「このままではまずい」と一念発起し、コミュニケーションを学び直した経験が、産業カウンセラー・キャリアコンサルタントの資格取得につながりました。
恋愛・婚活でも7年間で88人とデートを重ねながら、うまくいかない時期が長く続きました。その苦しさを知っているからこそ、脳科学・進化心理学・愛着理論といった知識を「自分ごと」として学び続けてきました。
キャリアブレイクコミュニティでは160回以上のワークショップを主催。さまざまな悩みや状況を持つ方と向き合い続けてきた経験が、相談の土台になっています。
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