新しく習う分野や初めてやる内容は何かと手探りで理解を進めるので、なかなかしっくり理解できないことも多いでしょう。苦手な人ほどこの傾向は強いとは思います。
今回はこんな「初めてやる内容を理解するコツ」を取り上げてみたいと思います。
取り上げるのは「中学から高校へのギャップ」ということで高1数学の「余弦定理」を取り上げてみましょう。
高校数学は「新しく習う文字と記号」が格段に増えて抽象度が上がるので、高1数学の数学の理解度が高2からの文系・理系選択にかなり影響を与えていることでしょう。
とりわけ三角比は初めて習う記号と公式が多いので取り上げてみましたが、未習の人は軽い気持ちで読んでください。
公式を意味も分からず暗記してしまうと腑に落ちていないので「自分の中にとどまりにくい」ものではないでしょうか。
こんなときも「以前やった公式と同じ」と気が付けば自然と覚えられるものですよ。
試しに角度をθ=90度にしてみましょう。
これは中3で習った「三平方の定理」に他なりません。つまり「余弦定理」は三平方の定理なのですね。
ただ三平方の定理ではaとbの間の角は90度でなければならなかったのですが、これが90度でなくても使えるようにした三平方の定理が余弦定理といえそうです。
このように数学は教科の性質上「以前習ったものをより広く使えるようにする」方向へ向かうので、以前習ったこととの関連性から公式の言わんとするところを理解できれば自然と覚えてしまいます。
高校に入ると高2より何かと公式類が増えてきますが、意味の分からないものを無理に覚えても使いこなせないはずなので高1からの数学の取り組み方は大切にしたいですね。
ついでながら、この分野から図形の取り組み方も変わります。中学では「形をよく見る」ことで解きましたが、三角比では形に当てはめる「公式を思い出す」方法で図形の問題を解きます。こんな具合に図形への「取り組み姿勢」も中学とは何気に変わっていることにも気が付いていると取り組みやすくなることでしょう。
何かの参考になれば幸いです。